- 解説一覧
- カラシナ(Brassica juncea)について
基本情報
- 和名の解説
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カラシナの和名は特に種子に、また葉や茎にも辛みを持っているので、この名がつけられた。
『本草和名』(918)、『和名抄』(932)ともに芥の漢名に、和名として「加良之」を挙げている。
中国名は芥菜、種子はわが国同様、芥子(がいし)である。
参考文献
- 伊澤一男 1998 カラシナ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 235.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 亜種・変種・品種
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【変種】
・タカナ
一年草、または二年草である。多くの菜の類と違って、葉と茎との付け根が茎を抱くようなつき方をしない。
カラシナの葉はダイコンのように羽状に深く裂けるが、タカナは裂けない。葉のへりには両方とも鋸歯があり、タカナはしばしば葉面に紫色を帯びることがある。
カラシナは東北、北海道と寒冷地に多く栽培され、タカナは関東より西南に多い。
参考文献
- 伊澤一男 1998 カラシナ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 235.
- 草川俊 1992 カラシナ, 草川俊(著) 野菜・山菜博物事典. 東京堂出版. 61₋64.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 分類学的位置付け
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アブラナ科
参考文献
- 伊澤一男 1998 カラシナ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 235.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 人間との関係
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わが国へは古代に渡来したもので、早くから日本の文献に登場している。
『和名抄』には「和名加良之」と出ている。江戸時代の農書にはカラシナの記述が詳しく、重要な作物とされていた。
『農業全書』によると、葉を少しずつかき取って食用にし、菜類の端境期に利用できるというので、栽培が奨励されている。
ヨーロッパやアメリカではクロガラシ(ブラック・マスタード)やシロガラシ(ホワイト、またはイエロー・マスタード)の種子を早くから香辛料として用いているが、わが国でもカラシナの種子は芥子として、日本料理に使われてきた。
洋ガラシは製品化されてすぐ使用できるが、和ガラシは使用直前に練ってアク抜きをすると、独特の風味がある。
芥子粉を水でとき、和紙で覆って、その上に水少量を垂らし、炭火をそれに落として、シューという音を立てると、アクが抜ける。
【成分】
シニグリン(カラシ油配糖体)、ミロジナーゼ(酵素)、脂肪油などが含まれる。シニグリンが酵素で、刺激のある強い辛みに変化する。
【薬効と用い方】
神経痛、リウマチ、気管支炎、肺炎に用いられる。市販のカラシ末をぬるま湯でパスタ状にねり、厚手の布に塗って痛むところに、肺炎のときは胸部に貼る。5~10分後、貼った箇所に痛みを感じたら取り除く。
参考文献
- 伊澤一男 1998 カラシナ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 235.
- 草川俊 1992 カラシナ, 草川俊(著) 野菜・山菜博物事典. 東京堂出版. 61₋64.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
形態
関連情報
- 栽培方法
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【採取時期と調整法】
5月下旬から6月上旬に種子を集め、日干しにする。
市販のカラシ末は脱脂されて保存がきくので使いやすい。
参考文献
- 伊澤一男 1998 カラシナ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 235.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン