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アブラナ(Brassica rapa)の分類 Brassicaceae
アブラナ(Brassica rapa)の概要 Brassica

アブラナ(Brassica rapa)

【 学名 】
Brassica rapa L.

基本情報

生活形

二年草

参考文献

  • 伊澤一男 1998 アブラナ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 226.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

花期

4月頃

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 アブラナ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 10₋11.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

原産地

北ヨーロッパかシベリア、またはカスピ海地方などが挙げられている。

参考文献

  • 草川俊 1992 アブラナ, 草川俊(著) 野菜・山菜博物事典. 東京堂出版. 12₋15.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

和名の解説

種子から油をとるときにアブラナの名を、若い茎葉を野葉として利用するときにはアオナ、花を主として見るときにはナノハナと、見方によって名前が変わる。

漢字で油菜、青菜、菜の花と書く。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 アブラナ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 226.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

亜種・変種・品種

アブラナの主な種類は、ナプスとカンペストリスである。農林水産省では、この二つだけをアブラナと呼ぶことに規定している。

洋種、朝鮮種、普通種、黒種と呼ばれているものがナプスに属し、西洋アブラナともいわれる。

一方、在来種、和種、箒種、赤種、黄種などと呼ばれているものがカンペストリスに属し、たんにアブラナともいう。

参考文献

  • 草川俊 1992 アブラナ, 草川俊(著) 野菜・山菜博物事典. 東京堂出版. 12₋15.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

別名・方言名

別名:ナタネナ(菜種子菜)、ツケナ(漬菜)

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 アブラナ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 10₋11.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

分類学的位置付け

アブラナ科

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 アブラナ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 10₋11.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

人間との関係

古い時代に朝鮮半島経由で渡来したものである。

明治以降ヨーロッパより輸入されたアブラナはセイヨウアブラナと呼ばれた。両種とも世界各地に栽培される。

日本で古くから栽培されていたのは在来種だが、昭和の初め頃から減り出し、現在栽培されているのは、ほとんど西洋アブラナである。

在来種は、いまでも寒冷地や山間の交通不便な地方へ行くと多く残っている。在来種は越冬性があり株が小さい。在来種に、京都名物の花漬けにする畑菜と、東北地方のくくたち(茎立)菜がある。

『古事記』、『万葉集』の頃は、アブラナは野菜として用いられ、種子から油を利用することはなかった。もともと栽培種で、わが国の原産ではなく渡来品であるが、いつ頃伝えられたのかはっきりしない。

我が国の搾油の初めは貞観年間(859~877年)という。しかしこのナタネ油が灯火用として用いられるのは室町時代以後からで、それまではシソ科のエゴマからの荏油であった。

灯火用、食用油としてのナタネ油の需要は、時代が進むとともに莫大な量となり、各地に栽培が展開した。

春先にナノハナ畑の風景がどこにでも見られ、春の風物詩となる。

千葉県房総地方はナノハナの切り花産地として有名である。

切り花のナノハナは、主にチリメンハクサイの改良種で、切り花業者はハナナ(花菜)と呼んでいる。

蕾をつけた若い葉茎は、茹でてお浸し、和え物、サラダ、煮物など広く利用されている。

【成分】
ナタネ油は、脂肪油を38~44%含み、脂肪酸のグリセリエステルで、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸などからなる。

軟膏及びリニメント剤の基剤、油性注射剤の溶剤に用いる。また食用、灯油、機械油に用い、しぼりかすは肥料とする。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 アブラナ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 226.
  • 草川俊 1992 アブラナ, 草川俊(著) 野菜・山菜博物事典. 東京堂出版. 12₋15.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

形態

葉の形質

葉は下につくものは有柄(ときにわずかに紫色を帯びる)、だいたい倒長楕円状披針形で、わずかに羽裂し(裂けないものもある)、へりは鈍鋸歯状に切れ込む。

縁は鮮やかであるが、裏側は白味を帯びる。

上の方につく葉は柄がなく、広披針形で先は尖り、羽裂せず波状縁で、もとの方は耳状になって茎を抱く。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 アブラナ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 10₋11.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

茎(幹)の形質

全体が平滑で茎は 1 m余りに達し、上の方で分枝する。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 アブラナ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 10₋11.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

花の形質

茎頂に伸びた花軸に、それぞれ総状に密につき、黄色十字形をしている。

雄しべ6本、そのうち4本が長い。雌しべは1本ある。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 アブラナ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 10₋11.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

果実の形質

果実は細長い円柱状で、先はくちばし状に尖り、熟すと果皮は割れ、なかに種子がある。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 アブラナ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 10₋11.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

種子の形質

種子は黒褐色で、粒状である。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 アブラナ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 10₋11.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

似ている種 (間違えやすい種)

・セイヨウアブラナ
明治時代より栽培が見られる。これは茎葉が粉白緑色、花弁が 1~1.5 cmと長く大きく、がく片が上を向くようについている。

在来種は茎葉が鮮緑色、花弁の長さ 1 cmと少し短く、花はセイヨウアブラナより小さく、がく片はほぼ水平につく。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 アブラナ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 226.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

生態

その他生態

アブラナの野生種は、ヨーロッパ北・東部、黒海沿岸地域の河川敷や畑地に雑草として生える。

最初はこれらの地域で根の太る株として栽培化されたが、中世に搾油技術が発達して、種子から油をとる油料作物アブラナとして利用されるようになった。

参考文献

  • 日向康吉 1997 アブラナ, 日向康吉(著) 植物の世界6,種子植物 双子葉類6. 朝日新聞社. 198₋205.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

種・分類一覧