- 解説一覧
- Brassica rapa subsp. rapaについて

基本情報
- 原産地
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シンスカヤは南ヨーロッパの地中海沿岸と西アジア、とくにアフガニスタンを原産地とみている。
参考文献
- 2013 日本の野菜文化史事典 - 書籍全体, 青葉高(著) 日本の野菜文化史事典. 八坂書房. .
最終更新日:2021-04-21 ハリリセンボン
- 和名の解説
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『和名抄』(932)には和名を加布良とし、漢名は蔓菁根をあてている。また蕪菁と書く場合も多い。春の七草のスズナはカブであるという。
『大言海』(1935)には、カブは頭の義で、根のふくれたものをさし、ラは意味はなく、単なるつけことばであるとしている。
参考文献
- 1998 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて - 書籍全体, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. .
最終更新日:2021-04-21 ハリリセンボン
- 分類学的位置付け
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アブラナ科
参考文献
- 1998 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて - 書籍全体, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. .
最終更新日:2021-04-21 ハリリセンボン
- 人間との関係
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カブは4000年ほど前の北ヨーロッパにあった、野生のセイヨウアブラナが起源という説が有力である。ほかの地域に伝えられると、家畜の飼料としてすんなりと受け入れられていった。飢餓が何度か起こるうちに、飼料だからとカブを食べずにいた人々の抵抗感がなくなり、もっと幅広く栽培されるようになった。
【成分】
カブにはいろいろな種類があるが、ほぼ同じものを含んでいて、アミノ酸、ブドウ糖、ペクチン、ビタミンC、葉にはCのほか、A、B₁、B₂が根よりやや多いという。
【薬効と用い方】
『本朝食鑑』(1697)に「熱眼腫痛および天行赤眼(はやり目のような目の病気)に、臘月(旧12月)にカブを細かく刻み、ミョウバン水に浸しておき、立春の後に取り出し晒して乾かす。これを冷水に浸して眼を洗うと、最も妙である」として、洗眼薬を紹介している。
・しもやけに用いる
根をすりおろしたものを患部に厚く塗って、軽くガーゼを当てて、包帯をするか、または根を焼くと出てくる汁を塗ってもよい。
・そばかすに用いる
種子をすりつぶし、風呂上がりの肌につける。
参考文献
- 2012 世界の食用植物文化図鑑 起源・歴史・分布・栽培・料理 - 書籍全体, バーバラ・サンティッチ、ジェフ・ブライアント(著) 世界の食用植物文化図鑑 起源・歴史・分布・栽培・料理. 柊風舎. .
- 1998 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて - 書籍全体, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. .
最終更新日:2021-04-21 ハリリセンボン
形態
- 根の形質
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根は滑らかで柔らかく、白色または紅色である。
参考文献
- 2001 資源植物辞典 - 書籍全体, 柴田桂太(著) 資源植物辞典. 北隆館. .
最終更新日:2021-04-21 ハリリセンボン
- 花の形質
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ダイコンの花の咲く頃に花を開き、4弁の黄色い十字形花をつける。
参考文献
- 1998 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて - 書籍全体, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. .
最終更新日:2021-04-21 ハリリセンボン
生態
- その他生態
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最近では植物学上アブラナ、ハクサイなどと同一種の変異と考えられている。茎の下部及び根が著しく肥大するのが特徴で、日本でも古くから栽培され重要な蔬菜として欧米とは異なった多くの品種が発達している。
小カブは関東地方で普通に栽培されるが、赤カブ、大カブ、スグキ、ノザワナ、ヒノナなどの種類がある。
参考文献
- 1998 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて - 書籍全体, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. .
- 2001 資源植物辞典 - 書籍全体, 柴田桂太(著) 資源植物辞典. 北隆館. .
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関連情報
- 栽培方法
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カブは根と葉を収穫するために栽培される。品種によっては、葉だけをつくるものもある。種子で繁殖させ、軽い土壌に植えて戸外の低温で育てる。霜が下りてから収穫すれば、根はもっとも美味しい状態になっている。カブは成長のどの段階でも収穫が可能である。
参考文献
- 2012 世界の食用植物文化図鑑 起源・歴史・分布・栽培・料理 - 書籍全体, バーバラ・サンティッチ、ジェフ・ブライアント(著) 世界の食用植物文化図鑑 起源・歴史・分布・栽培・料理. 柊風舎. .
最終更新日:2021-04-21 ハリリセンボン
- 味や食感
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一般にカブの根は煮食し、茹でていろいろな料理に広く使われ、また漬物、酢漬けなどにも好適である。葉もまた漬物や他の菜葉と同様な目的に利用される。
若いカブの場合は、皮を剥くよりも、ごしごしとこすり洗いをして葉をつけたまま丸ごと蒸す。大きく育ったカブは皮を剥き、焼く、スープや煮込みに加える。または油でいためてから蒸し煮にする料理に使う。ピクルスにもできる。
参考文献
- 2012 世界の食用植物文化図鑑 起源・歴史・分布・栽培・料理 - 書籍全体, バーバラ・サンティッチ、ジェフ・ブライアント(著) 世界の食用植物文化図鑑 起源・歴史・分布・栽培・料理. 柊風舎. .
- 2001 資源植物辞典 - 書籍全体, 柴田桂太(著) 資源植物辞典. 北隆館. .
最終更新日:2021-04-21 ハリリセンボン
- その他
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おなじみのカボチャちょうちんの原型は、くり抜いたカブに、赤く燃えている炭のカケラやロウソクを入れたものだった。数百年前に、スコットランドやアイルランドでハロウィーンの飾りとしてよく使われていた。この飾りは、ハロウィーンに悪霊を寄せ付けないという民間伝承がある。
アイルランドから渡った移民の家族たちが、この伝統を北アメリカに伝えたが、北アメリカではカブはなかなか手に入らず、代わりに豊富にあったカボチャが使われたのである。カボチャはカブよりも彫りやすかったため、好都合であった。まもなく人々は、恐ろしい顔や気味の悪い模様をカボチャちょうちんに彫るようになった。
参考文献
最終更新日:2021-04-21 ハリリセンボン