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サネカズラ(Kadsura japonica)の分類 Schisandraceae
サネカズラ(Kadsura japonica)の概要 Kadsura

サネカズラ(Kadsura japonica)

【 学名 】
Kadsura japonica (L. fil.) Dun.

基本情報

花期

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 サネカズラ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 253-254.

最終更新日:2020-05-28 ハリリセンボン

分布

関東地方以西から南西諸島までと、朝鮮半島南部の暖帯林に生育する。

参考文献

  • 三木栄二 1997 サネカズラ, 菅原敬(著) 植物の世界9,種子植物 双子葉類9 単子葉類1. 朝日新聞社. 24.

最終更新日:2020-05-28 ハリリセンボン

学名の解説

属名の Kadsura は日本語の葛(かずら)に由来している。

参考文献

  • 三木栄二 1997 サネカズラ, 菅原敬(著) 植物の世界9,種子植物 双子葉類9 単子葉類1. 朝日新聞社. 24.

最終更新日:2020-05-28 ハリリセンボン

別名・方言名

別名:トロロカズラ、ビジョカズラ(美女葛)、ビナンカズラ(美男葛)、サナカズラ、ナメリカズラ(滑り葛)

茎に含まれる粘液を整髪料として用いたため「ビナンカズラ(美男葛)」の別名がある。

この粘液は絹の糊付けとして光沢を出したり、製紙にも利用されたため、フノリ、またはフノリカズラともいわれる。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 サネカズラ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 253-254.
  • 三木栄二 1997 サネカズラ, 菅原敬(著) 植物の世界9,種子植物 双子葉類9 単子葉類1. 朝日新聞社. 24.
  • 山田卓三 1992 サネカズラ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 346.

最終更新日:2020-05-28 ハリリセンボン

分類学的位置付け

マツブサ科

参考文献

  • 三木栄二 1997 サネカズラ, 菅原敬(著) 植物の世界9,種子植物 双子葉類9 単子葉類1. 朝日新聞社. 24.

最終更新日:2020-05-28 ハリリセンボン

人間との関係

ケンペル(E. Kämpfer、1651~1716)によって、マツブサ科の植物としてはヨーロッパに最初に紹介された。

常緑の葉と赤い球形の果実が美しく、生垣などに利用される。

『後撰和歌集』恋3、藤原定方の歌、百人一首の歌としても親しまれている。
「名にしおはば逢坂山のさねかづら 人にしられでくるよしもがな」(藤原定方)
この歌のサネカズラは本種である。この歌のように古くから「逢ふ」という言葉に結び付き、「逢ふ」の枕詞にもなっている。

参考文献

  • 三木栄二 1997 サネカズラ, 菅原敬(著) 植物の世界9,種子植物 双子葉類9 単子葉類1. 朝日新聞社. 24.
  • 山田卓三 1992 サネカズラ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 346.

最終更新日:2020-05-28 ハリリセンボン

形態

葉の形質

葉は有柄で互生し、長楕円状、へりは浅く切れ込み、柔らかい。小さな鋸歯がある。

表側は艶があり、裏側は紫色を帯びるものが多く質は厚い。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 サネカズラ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 253-254.
  • 三木栄二 1997 サネカズラ, 菅原敬(著) 植物の世界9,種子植物 双子葉類9 単子葉類1. 朝日新聞社. 24.

最終更新日:2020-05-28 ハリリセンボン

茎(幹)の形質

茎は年経たものでは径 2 cmにもなり、外皮は褐色で柔らかい。

コルク質で厚味があり、枝をさかんに出してからみ、枝皮は粘液に富む。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 サネカズラ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 253-254.

最終更新日:2020-05-28 ハリリセンボン

花の形質

葉腋から垂れた花茎の先につき、淡黄白色をしている。花は長い花柄をもち、広鐘形で直径約 1.5 cmになる。

花弁とがく片の区別が明らかでなく、花被片9~15、雄しべ、雌しべは小球状に集まる。

雄花と雌花があり、雌雄異株とされることがあるが、同じ茎に雄花と雌花を両方つけることは珍しくなく、基本的に雌雄同株と考えられる。まれに両性花をつけることもある。

雄花には葯隔が大きく広がった赤い雄しべが多数あり、雌花には離生する心皮がらせん状に多数配列する。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 サネカズラ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 253-254.
  • 三木栄二 1997 サネカズラ, 菅原敬(著) 植物の世界9,種子植物 双子葉類9 単子葉類1. 朝日新聞社. 24.

最終更新日:2020-05-28 ハリリセンボン

果実の形質

花後頭状に膨らんだ花托の周りに、丸い液果がかたまってつき、秋に赤熟しカノコモチに似る。集合果の直径は 2~3 cmになる。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 サネカズラ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 253-254.
  • 三木栄二 1997 サネカズラ, 菅原敬(著) 植物の世界9,種子植物 双子葉類9 単子葉類1. 朝日新聞社. 24.

最終更新日:2020-05-28 ハリリセンボン

生態

生育環境

山地・丘陵・藪の中などに生える。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 サネカズラ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 253-254.

最終更新日:2020-05-28 ハリリセンボン

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