- 解説一覧
- アケビ(Akebia quinata)について
基本情報
- 和名の解説
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①アケミ(開実、開肉)の転。
②秋ムベの意味。よく似たムベより熟期がやや早いため。
③アカミ(赤実)の転。
④アマカツミ(甘葛実)の転。
⑤アケツビ(開玉門)の略。
参考文献
最終更新日:2020-05-15 キノボリトカゲ
- 別名・方言名
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アケビカズラ、アケビヅル、ハンダツカヅラ、アケべ、アケブ、ヤマヒメ、サンジョ、ゴザイカズラ、ネコンクソ、モクトン/アグべ(青森)、アキビ(岩手、秋田、山形、福島)、アキョーブ(新潟)、アクビ(岩手、千葉、山梨、静岡、岐阜、島根、広島)
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- 人間との関係
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果肉、果皮のほか、若葉を塩漬け(木芽漬)にして食用とする。
つるは強靭で細工物、薬用、炭俵に使用する。長野県の郷土玩具「鳩軍」はよく知られている。
木部には配糖体アケビン(akebin)を含み、生薬名を木通(もくつう)といい、煎じて利尿、通経剤とするほか、抗菌作用があることが知られている。
独特の甘味をもつ果実は、古代には無病延命の珍果として朝廷に献上されたという。
かつて農山村では、果実の甘味が菓子代わりとして欠かせないものであった。
中国では、アケビ類の果実は八月札、根は木通根、種子は預知子とよばれ、それぞれ利尿、鎮痛、通経などの作用がある。
乾燥した果実も脳卒中の予防薬として用いられる。
季語は「春」あけびの花。「秋」あけびの実。「一夜さに棚で口あく木通(あけび)かな 一茶」「蔓切れて揺るゝ道草を仰ぎけり 花櫻」の句がある。
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形態
- 葉の形質
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葉は長柄があり、互生または短枝に束生し、葉身は5個の小葉からなる掌状複葉で、小葉は長楕円形または長倒卵形で長さ 3~5 ㎝。
先端はへこみ、微突起があり、全縁で、両面無毛。
基部には長さ 0.4~1.5 ㎝の小葉柄があり、葉柄との接点には節がある。葉柄は長さ 2~10 ㎝。
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- 花の形質
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短枝の先から総状花序を下垂し、先のほうには雄花を数個つけ、基部に1~3個の雌花をつける。
雄花では、小花柄は長さ 1~2 ㎝、花弁はなく、がく片は3個、やや多肉質で淡紫紅色、広楕円形で長さ 0.7~0.8 ㎝、雄しべ6個は球状に集まる。
雌花では、小花柄は長さ 4~5 ㎝、がく片3個は広楕円形で長さ 1.5~2 ㎝。
雌しべは3~9個、短い円柱形で、柱頭は粘液をもち、紫色で、1~3個が成熟する。
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- 果実の形質
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果実は長楕円形で長さ 6~10 ㎝、幅 3~4 ㎝、果皮は厚く紫色を帯び、熟すと縦に裂開する。
果肉は白色半透明で多数の黒色種子を含む。果肉は甘く食用とする。
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