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エゾエンゴサク(Corydalis ambigua)の分類 Papaveraceae
エゾエンゴサク(Corydalis ambigua)の概要 Corydalis

エゾエンゴサク(Corydalis ambigua)

【 学名 】
Corydalis ambigua Cham. & Schltdl.

基本情報

草丈・樹高

高さ 10~20 cm

参考文献

  • 山田卓三 1992 エゾエンゴサク, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 313.

最終更新日:2020-06-08 ハリリセンボン

花期

4~5月

参考文献

  • 山田卓三 1992 エゾエンゴサク, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 313.

最終更新日:2020-06-08 ハリリセンボン

分布

本州中部以北の日本海側、北海道、千島、サハリン、中国東北部、朝鮮半島、沿海州などに分布する。

参考文献

  • 大場達之 1994 エゾエンゴサク, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 896.

最終更新日:2020-06-08 ハリリセンボン

分類学的位置付け

ケシ科

参考文献

  • 山田卓三 1992 エゾエンゴサク, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 313.

最終更新日:2020-06-08 ハリリセンボン

人間との関係

江戸幕府直営の小石川御薬園に、1725年(享保10)朝鮮産の延胡索50根を植えた記録がある。その後何回か同じように植えているが、この栽培は成功し、各御薬園に苗を分譲している。

『本草綱目啓蒙』(1803)で小野蘭山は「享保中、漢種渡る。大葉、小葉の2品あり。大葉を牡丹葉と言い(中略)大葉は苗高さ5寸ばかり。小葉は短小なり。葉は皆和産より厚し。正2月花を開く。紫のスミレの花に似たり。初め紫色後青色を帯ぶ」と述べている。享保のころは、国内で外国産生薬を生産しようとした時代であった。

日本にはジロボエンゴサク、ヤマエンゴサク、ミチノクエンゴサク、エゾエンゴサクの野生がある。地下のほぼ球形の塊茎は、生薬の延胡索になるが、今も昔も、これらの在来種は品質が劣るので、中国産や朝鮮半島産の代用にしかならない。その中で、エゾエンゴサクのみが中国産延胡索に最も近い種類とされる。

柔らかく繊細な植物であるため、茹でると大変かさが減り、食べるにはかなり大量に採集しなければならない。従って大きな群落をつくっているところ以外で採ることは控える必要がある。

さっと茹でて、浸し物、和え物、酢の物など何にでも向く。群生地でいくつかの下部から葉を摘み取って、熱湯をくぐらせ冷水で冷まし、フレンチ・ドレッシング、味噌ドレッシングで少量を味わう。

また20~30輪の花を丁寧に摘み取ってサラダに飾り、生のまま味わってみるのも趣がある。

生薬名は延胡索である。

【成分】
地下の塊茎(延胡索)に、アルカロイドのコリダリン、プロトピンなどを含む。

【薬効と用い方】
・腹痛や月経痛に用いる
1日量 2~5 gを 200 ㏄の水で半量に煎じて1日3回に服用する。苦いため、煎液が少ない方がよい。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 エゾエンゴサク, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 215.
  • 山田卓三 1992 エゾエンゴサク, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 313.

最終更新日:2020-06-08 ハリリセンボン

形態

葉の形質

葉は1~2回3出複葉で、小葉は楕円形をしている。茎の下部に1個の鱗片葉がある。

参考文献

  • 山田卓三 1992 エゾエンゴサク, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 313.

最終更新日:2020-06-08 ハリリセンボン

茎(幹)の形質

地下に 1.5 cm径の球状の塊茎が1つある。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 エゾエンゴサク, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 215.

最終更新日:2020-06-08 ハリリセンボン

花の形質

筒状で鮮青色の花を開く。

参考文献

  • 山田卓三 1992 エゾエンゴサク, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 313.

最終更新日:2020-06-08 ハリリセンボン

果実の形質

果実は線形の蒴果である。

参考文献

  • 福原達人 1997 エゾエンゴサク, 八尋洲東(編) 植物の世界8,種子植物 双子葉類8. 朝日新聞社. 197-201.

最終更新日:2020-06-08 ハリリセンボン

似ている種 (間違えやすい種)

オランダエンゴサク(C. bulbosa)

参考文献

  • 大場達之 1994 エゾエンゴサク, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 896.

最終更新日:2020-06-08 ハリリセンボン

生態

生育環境

湿った林床や開墾地に生える。

参考文献

  • 山田卓三 1992 エゾエンゴサク, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 313.

最終更新日:2020-06-08 ハリリセンボン

その他生態

4月上旬~5月下旬頃の若芽から開花時まで、茎・葉・塊茎・花の全てが食べられるが、早春に花を開いて実を結ぶと地上部は跡形もなく枯れてしまう。

北海道や本州の冷涼な地域では、早春、芽吹き前の草枯れの山野に、エゾエンゴサクの青い群落がみられる。花の数が多く、密な群落をつくる。

参考文献

  • 福原達人 1997 エゾエンゴサク, 八尋洲東(編) 植物の世界8,種子植物 双子葉類8. 朝日新聞社. 197-201.
  • 山田卓三 1992 エゾエンゴサク, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 313.

最終更新日:2020-06-08 ハリリセンボン

関連情報

味や食感

淡泊でくせのない味である。

参考文献

  • 山田卓三 1992 エゾエンゴサク, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 313.

最終更新日:2020-06-08 ハリリセンボン

種・分類一覧