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カツラ(Cercidiphyllum japonicum)の分類 Cercidiphyllaceae
カツラ(Cercidiphyllum japonicum)の概要 Cercidiphyllum

カツラ(Cercidiphyllum japonicum)

近危急種 (NT or LR/nt)

【IUCN】現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種

【 学名 】
Cercidiphyllum japonicum Siebold & Zucc.

基本情報

草丈・樹高

・樹高:20~25 m
・直径:2 m以上になることもある

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最終更新日:2020-05-15 キノボリトカゲ

生活形

・広葉樹、落葉高木

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花期

4~5月

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分布

北海道、本州、四国、九州(鹿児島県北部まで)に分布する。

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学名の解説

種小名 japonicum は日本の、という意味。

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和名の解説

①カヅ(香出)ラ、あるいは香出ヅルの意味。葉の香りから。ラは語尾の添詞。

②カは香、ツラはツブラ(円)の略から。

③カツラヌク(香貫)の意味。ほかにも諸説ある。

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別名・方言名

カツラギ、カモカツラ、シロカツラ、オカズラ/ゴマノキ(青森)、マッコノキ(青森、秋田)、オコーノキ(岩手)、コーノキ(宮城、新潟、長野。葉を乾かし、粉にして抹香をつくるところから)、ミズノキ(神奈川)、カズノキ(新潟)、ショーユノキ(岡山。落葉する頃、醤油のような匂いを発することから)/ランコ(アイヌ)

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分類学的位置付け

カツラ科 カツラ属

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人間との関係

材は軽軟で狂いが少なく、古くはさまざまな生活用品をはじめ丸木舟に多く用いられた。

近年は建築材、家具、彫刻、楽器の鍵盤、碁、将棋盤などに広く利用される。

葉は抹香原料、樹皮は屋根葺に使われる。

古くは香木、楓と記してカツラと訓じていた。

記紀には、海幸彦、山幸彦の話に湯津香木神聖な「斎つ」カツラの木の意味)として登場し、『万葉集』にも「目には見て手にはとらえぬ月の中の楓のごとき妹をいかにせむ」(4・632)とある。

京都賀茂神社の葵祭では、フタバアオイとともにカツラの枝葉が衣冠などの挿物として用いられる。

カツラは中国ではニッケイやモクセイ、そのほか香木の総称とされている。

心材色の濃いものをヒガツラ、薄いものをアオガツラと呼ぶことがある。

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形態

葉の形質

葉は長枝では対生し、またはやや互生し、短枝では先端に1個つく。

葉は長さ 2~2.5 ㎝の柄があり、葉身は長さ 4~8 ㎝、幅 3~7 ㎝くらい、広卵円形で先端は円形、基部は心臓形となる。

表面は緑色で裏面は粉白色を帯び、縁には波状の鈍きょ歯がある。

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茎(幹)の形質

幹は直立し、しばしば根もとからたくさんの幹を出すことがある。

樹皮は暗褐灰色で浅い裂け目ができ、薄片となってはげる。

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花の形質

葉よりも早く、包につつまれた花を葉えきにつける。裸花で花被はない。

雄花は雄しべが多数あり、花糸はきわめて細く、葯は線形で紅色である。

雌花は3~5個の雌しべからなり、柱頭は糸状で淡紅色である。

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果実の形質

果実には短い柄があり、袋果は円柱形である。紫褐色に熟す。

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種子の形質

種子は一方に翼がついている。袋果の中に細かい種子が多数詰まっている。

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芽生え・幼木の形質

冬芽は対生にしてつき、長楕円状卵形で2個の紫色の芽鱗に包まれる。

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生態

生育環境

陽樹であり、渓流沿いなどの向陽地に群生している。生長は早い。

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種・分類一覧