- 解説一覧
- ツタ(Parthenocissus tricuspidata)について
ツタ(Parthenocissus tricuspidata)
- 【 学名 】
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Parthenocissus tricuspidata (Siebold & Zucc.) Planchon
目次
基本情報
- 分布
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北海道~九州、朝鮮半島、中国の吉林省から広東省にかけて分布する。
参考文献
- 木場英久 1997 ツタ, 立石庸一、星川清親(著) 植物の世界4,種子植物 双子葉類4. 朝日新聞社. 22₋25.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
- 和名の解説
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ツタの名は、「伝って」伸びていく様子に由来している。
参考文献
- 木場英久 1997 ツタ, 立石庸一、星川清親(著) 植物の世界4,種子植物 双子葉類4. 朝日新聞社. 22₋25.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
- 亜種・変種・品種
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日本にはツタ(Parthenocissus tricuspidata)のほかにもう1種、アマミナツヅタ(Parthenocissus heterophylla)が奄美大島、徳之島、沖縄島、石垣島に分布する。
この種は台湾、中国の長江の流域、ベトナム、インドネシアにも分布し、ふつう3小葉に分かれた葉をつける。
参考文献
- 木場英久 1997 ツタ, 立石庸一、星川清親(著) 植物の世界4,種子植物 双子葉類4. 朝日新聞社. 22₋25.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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別名:ナツヅタ(キヅタなどが常緑であるのに対し、落葉することによる)
古名:アマヅラ(茎から甘い液がでてくるところからついた名である)
参考文献
- 山田卓三 1992 ツタ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 205.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
- 人間との関係
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秋の紅葉の代表的なものとして挙げることができる。
室町時代初期までは、早春に茎を切って出てくる液を集めて煮つめ、甘葛煎(あまづらせん)にした。この時代の重要な甘味料であった。
壁面や石垣を緑化する材料になる。
参考文献
- 山田卓三 1992 ツタ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 205.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
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葉身は互生する柄につき、若い蔓では3小葉にわかれ、そうでないものは、ほぼ卵形で3中裂し、へりは粗く鋸歯状に切れこむ。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ツタ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 212.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
- 茎(幹)の形質
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茎の下部は次第に木質化し、径 4 cmぐらいになるものがあり、のびた先の吸盤で岩、石垣、壁、樹木などに吸着する。
また葉に対生にでた巻きひげで周りのものに巻き付く。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ツタ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 212.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
- 花の形質
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短枝の先にややたくさんつき、直径 3~4 mmの黄緑色でごく小さい花を咲かせる。花弁5、雄しべ5、雌しべ1である。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ツタ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 212.
- 木場英久 1997 ツタ, 立石庸一、星川清親(著) 植物の世界4,種子植物 双子葉類4. 朝日新聞社. 22₋25.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
生態
- その他生態
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夏の暑い日でも、ツタが被っている建物は見た目に涼しげである。ツタで外壁を被うと、葉は単に太陽の光を遮って反射するだけでなく、水分を蒸発させるため、実際に建物の中は涼しくなる。
参考文献
- 木場英久 1997 ツタ, 立石庸一、星川清親(著) 植物の世界4,種子植物 双子葉類4. 朝日新聞社. 22₋25.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
関連情報
- その他
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同じ木本性つる植物のキヅタも、垂直な面を装飾するために栽培されるが、ツタが吸盤をもつのに対し、キヅタは付着根という細かい根を茎から出してよじ登る。
キヅタはウコギ科の常緑の植物で、冬でも青々としている。キヅタのことを「冬蔦」といい、それに対してツタのことを「夏蔦」ともいう。
参考文献
- 木場英久 1997 ツタ, 立石庸一、星川清親(著) 植物の世界4,種子植物 双子葉類4. 朝日新聞社. 22₋25.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン