- 解説一覧
- ヨーロッパブドウ(Vitis vinifera)について
ヨーロッパブドウ(Vitis vinifera)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
-
Vitis vinifera L.
目次
基本情報
- 分布
-
世界中に広く栽培されているが、とくにヨーロッパ、北米、中近東が主産地となっている。
日本には古くからヤマブドウの利用があったが、ヨーロッパブドウは明治初年にフランスより初めて導入された。
参考文献
最終更新日:2020-04-30 キノボリトカゲ
- 学名の解説
-
属名 Vitis はギリシア語の vieo(結ぶ)からきており、ブドウが他の物に巻きつく性質があることに由来する。種小名 vinifera はブドウ酒ができる、との意味。
参考文献
最終更新日:2020-04-30 キノボリトカゲ
- 和名の解説
-
漢名の「葡萄」から。ウズベキスタン地方の言葉でブダウァ(budawa)が中国に伝わりプタオ(薄桃、薄陶)と呼ばれ、後に葡萄となったとされる。
参考文献
最終更新日:2020-04-30 キノボリトカゲ
- 亜種・変種・品種
-
生食用品種ではデラウェア、キャンベルス・アーリー、甲州、巨峰。醸造用ではマスカット・ベリーA、ブラック・クイン。
温室用のマスカット・オブ・アレキサンドリアなどがある。
参考文献
最終更新日:2020-04-30 キノボリトカゲ
- 人間との関係
-
果実を生食するほか、果実酒、乾果、ジュース、ジャムなどとする。果物の中では最も糖度が高い。
日本でのぶどう栽培は1186年(文治2)に始められ、ブドウ棚をつくる日本独自の栽培法で発達した。ヨーロッパでは垣根か株づくりにされるのが普通。
ギリシア神話では、酒の神ディオニュソス(ローマ神話のバッカス)が栽培と果汁を絞ることを広めたとされ、ディオニュソスに捧げられている。
栽培植物として最も古く、『旧約聖書』「創世記」には、大洪水の後、方舟を出たノアがブドウ畑を作りはじめたとある。
キリスト教では聖餐に用いられたブドウ酒がキリストの血を象徴する。
ブドウは唐草文様のモチーフにしばしば使われ、ギリシア、ローマから西アジア、中国と各地に残る文物にブドウの文様が見られる。
ブドウを図案化した紋所に葡萄桐、葡萄の丸などがある。
季題は「秋」。「酒しぼる蔵のつづきや葡萄棚 史邦」「腕にかけし手篭を垂れし葡萄かな 一誠子」などの句がある。
参考文献
最終更新日:2020-04-30 キノボリトカゲ
形態
生態
- その他生態
-
繫殖は接木による。台木はフィロキセラ抵抗性台木を用いる。植栽本数は露地栽培の場合、成木園で 10a あたり12~20本。
一般に棚作りとする。米国、ヨーロッパ、中近東の乾燥地では株作りが多い。
芽かき、摘芯、副梢管理、適果などは重要作業となっている。フィロキセラに対抵抗性を欠く。
参考文献
最終更新日:2020-04-30 キノボリトカゲ