- 解説一覧
- ゲンゲ(Astragalus sinicus)について

基本情報
- 花期
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4月~6月
参考文献
- 大橋広好 1982 レンゲソウ, 大橋広好(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類. 平凡社. 191.
最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン
- 原産地
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中国原産で全国に帰化している。
参考文献
- 大橋広好 1982 レンゲソウ, 大橋広好(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類. 平凡社. 191.
最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン
- 和名の解説
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花の形から蓮華となった。
参考文献
- 伊澤一男 1998 レンゲソウ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 319.
最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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別名:ゲンゲ、ホンゾウバナ、ミヤコバナ
京の人は、蓮華はハスの花であるから、仏の花であると忌み嫌って「レ」を「ゲ」として、ゲンゲと呼ぶようになったと、江戸末期の本草家、小野蘭山は述べている。このことから蓮華草が本名で、ゲンゲは別名であることが分かる。
方言名:アズキバナ、ウマゴヤシ、オシヤカバナ、サンゴバナ、ホウテングサ、スモウトリバナ、テンマリバナ、ミヤコバナ
参考文献
- 伊澤一男 1998 レンゲソウ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 319.
- 山田卓三 1992 レンゲソウ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 242.
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- 人間との関係
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春の草花として最も親しまれている植物の1つ。
緑肥として、最盛期には全国で 30万 haも栽培されていた。緑肥として古くから使われていたため、『大和本草』、『和漢三才図会』などにも出ている。
レンゲソウは中国から伝来してきたもので、江戸時代には広まっていたようである。
『大和本草』には、これを食用や飼料としたこと、また子どもたちがこれを集めて遊んだことなどが記されている。子どもたちは花束を作ったり、冠を編んだり、風車をつくって遊んだ。
また、子どもの遊び歌「開いた開いた、何の花が開いたレンゲの花が開いた、開いたと思ったらいつのまにかつぼんだ」のレンゲは、レンゲソウのことではなくハスのことである。
ことわざ「やはり野におけ蓮華草」は、蓮華草のような野の花は野に咲いていてこそ美しいのであって、家の中に飾っても似合わないという意味である。
レンゲソウの花の蜜は良質なので蜜源植物としても貴重であり、レンゲの開花を追って養蜂業者は北上する。
茎や葉は食用にすることができ、マメ科は特有の風味とコクがあり美味しい。またゼリーの中に形のよい花を1つ入れて固めると美しい。スミレやサクラの仲間などの花も同じようにできる。
【成分】
アミノ酸のアルギニンのほか、緑肥として窒素、リン酸、カリ、石灰などがバランスよく含まれている。
【薬効と用い方】
・利尿、解熱に用いる
乾燥したものを1日量として 5~10 g、水 400~600 ㏄で2分の1量に煎じて服用する。
・やけどに用いる
生の葉を搾り、その汁を患部に塗る。
参考文献
- 伊澤一男 1998 レンゲソウ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 319.
- 山田卓三 1992 レンゲソウ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 242.
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形態
- 葉の形質
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小葉は9~11枚、倒卵形または楕円形、円頭または少し凹頭、葉質は薄く、長さ 8~15 ㎜である。
托葉は離生し、卵形で鋭頭、長さ 3~6 mmである。
参考文献
- 伊澤一男 1998 レンゲソウ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 319.
- 大橋広好 1982 レンゲソウ, 大橋広好(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類. 平凡社. 191.
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- 茎(幹)の形質
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茎は根元で多数に分枝し、地面を横に這い、高さ 10~30 cmになる。
参考文献
- 伊澤一男 1998 レンゲソウ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 319.
- 大橋広好 1982 レンゲソウ, 大橋広好(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類. 平凡社. 191.
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- 花の形質
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花序は長さ 3~14 cm、葉腋より長柄を出し、その先に多数花を輪状につける。花は紅紫色で蝶形花、細く長さ 12~20 mm、旗弁はほかの2弁より著しく長い。
がくは長さ 6~10 mm、がく裂片は線形で、がく筒の2分の1~5分の4、黒褐色の毛がある。
参考文献
- 伊澤一男 1998 レンゲソウ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 319.
- 大橋広好 1982 レンゲソウ, 大橋広好(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類. 平凡社. 191.
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- 果実の形質
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豆果は熟して黒色で、やや直立し、先端は次第にとがり、嘴状になる。
長さ 2~2.5 cm、幅約 4 mmで無毛である。
参考文献
- 大橋広好 1982 レンゲソウ, 大橋広好(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類. 平凡社. 191.
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生態
- 生育環境
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本来緑肥として栽培されていたが、野生化して田畑、野原、土手、道端などに生える。
参考文献
- 大橋広好 1982 レンゲソウ, 大橋広好(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅰ 単子葉類. 平凡社. 191.
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関連情報
- 栽培方法
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栽培としては、秋に水を落とした水田に播くと年内に芽を出すが、生長するのは春で、3月から4月に急激に生長し、緑一色となると同時に咲き始める。この頃、刈り取って飼料にしたり緑肥にする。結実する以前にその作業をするので、レンゲ田には毎年種子まきが必要である。
畔道や土手では結実し、種子がこぼれて野生化している。
参考文献
- 山田卓三 1992 レンゲソウ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 242.
最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン