- 解説一覧
- アンズ(Prunus armeniaca)について

目次
基本情報
- 人間との関係
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果実は生食およびジャムに加工。
漢方では種子を干したものを杏仁と呼ぶ。青酸配糖体アミグダリンを含み、利尿、鎮咳薬として浮腫、呼吸困難、喘息などに用いる。
杏仁から採った杏仁油は石鹸の香料や毛髪油に使われる。
わが国へはかなり古い時代に中国から渡来した。一説にはウメとともに奈良時代に伝えられたともいわれ、古代には「カラモモ」と呼ばれた。
『神仙伝ー董奉』によると、昔中国の医師、董奉は患者から礼をとるかわりにアンズの木を植えさせたので、数年で立派な林ができ、自らを董仙杏林と称したという。
この故事にちなみ、医師の異称を杏林という。
『旧約聖書』の舞台となった地域ではリンゴ以上にアンズがふつうに見られ、『旧約聖書』でリンゴとあるのはアンズであったとする学者もいる。
長野県更埴市の森・倉科地区や長野市安茂里・松代地区はアンズの里として有名である。
季題は「春」杏の花。「夏」杏子。「杏あまさうな人はねむさうな 犀星」「医者どのと酒屋の間の杏かな 召波」などの句がある。
参考文献
最終更新日:2020-05-14 キノボリトカゲ
形態
生態
- その他生態
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繫殖は接木による、台木はモモ台かウメ台を使う。土壌の適応性は広い。植栽本数は 10 aあたり10~18本ぐらいが適当。
樹の支立て方は開心自然形とする。アンズは粗放栽培に耐え、無整枝、無せん定でもある程度の収量を得られる。
結果習性としてはウメやモモと同様、本年できた枝の葉えきに花芽をつくり、翌年開花結実する。
結果枝は短果枝、中果枝、長果枝の別がある。アンズは自家稔性の高い果樹であるが、授粉樹の混植を行った方が安全である。
摘果は生食用大形果を目的とする場合、重要な作業となる。
参考文献
最終更新日:2020-05-14 キノボリトカゲ