- 解説一覧
- ソメイヨシノ(Prunus yedoensis)について
目次
基本情報
- 学名の解説
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種小名 yedoensis は江戸の意味で、江戸染井村(東京都豊島区)から明治初年に吉野桜の名で売りだされ、のち1900年(明治33)に染井吉野と改めたもの。
参考文献
最終更新日:2020-05-18 キノボリトカゲ
- 人間との関係
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庭園樹、公園の花木、街路樹に利用される。
幕府に江戸染井(現在の東京都豊島区駒込)の植木屋から出て、上野公園などに植えられ、明治になって東京に広まった。
はじめヨシノザクラといわれていたが、吉野のヤマザクラと混同するので、1872年(明治5)にソメイヨシノの名がついた。
名づけ親は藤野寄命で、奄美大島特産のフジノカンアオイの命名者でもある。
学名命名の原木は東京文京区の小石川植物園に残っている。
現在のものは、当時の親株から伸びたひこばえが大きくなったもの。
ソメイヨシノがオオシマザクラとエドヒガンとの雑種であることを示唆したのは、アメリカのウィルソンで、1916年のこと。
実験で確かめられたのは戦後になってからで、竹中要博士らによる。
大正初年(1912)、東京市はアメリカ合衆国にソメイヨシノを中心とするサクラの苗3000本を寄贈した。
これはワシントンのポトマック河畔に今も生育し、毎年花をつけている。
このお返しとしてアメリカから贈られたのがハナミズキで、日本各地に植えられている。
東京都の都の花。
季題は「春」。
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形態
- 葉の形質
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葉は互生し、広い倒卵形、長さ 7~10 ㎝で先がとがり、縁に重きょ歯があり、裏面は淡緑色で葉柄とともに細毛がある。蜜腺は葉柄上部にある。
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最終更新日:2020-05-18 キノボリトカゲ
- 花の形質
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葉に先立って淡紅白色、径約 4 ㎝の5弁花を散形状に2~5個開く。
がく、小花柄は有毛、がく筒は狭長つぼ形、がく片は三角状長卵形で縁にきょ歯がある。
雄しべ約35本、花柱の基部に毛がある。
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生態
関連情報
- 病害虫
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テングス病、樹皮の間に入るコスカシバの被害が多く、食葉害虫のオビカレハ、アメリカシロヒトリ、モンクロシャチホコなどは初期に防除する。
街路樹や公園樹によく利用されるが、毛虫がつきやすく、また天狗巣病などの病気にかかりやすい。
この病気は一種のカビによるもので、風によって胞子が運ばれ伝染し、菌糸がサクラの枝に入ると、そこから異常枝がでる。
病枝は切り落とすが、「桜切る馬鹿」のたとえどおりサクラは切断を嫌う植物であり、木は弱る。
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