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- ナツグミ(Elaeagnus multiflora)について
ナツグミ(Elaeagnus multiflora)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Elaeagnus multiflora Thunb.
目次
基本情報
- 分布
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北海道、本州、四国、九州に分布し自生する。
参考文献
- 北村文雄 1994 ナツグミ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 729.
最終更新日:2020-06-19 ハリリセンボン
- 和名の解説
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夏に果実が熟するので、夏グミとなる。
グミの語源は『和訓栞』によると、江戸初期の『藻塩草』(宗碩編)の説を引用し、ナワシログミを例にとり、果実のよく成熟したものをグミと名付けると記してある。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ナツグミ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 438.
最終更新日:2020-06-19 ハリリセンボン
- 亜種・変種・品種
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・トウグミ(var. hortensis)
北海道、本州、四国に分布し、枝は無刺、果実は大形、7月に熟し食用とする。庭木となる。
・ダイオウグミ(var. gigantea)
果実が大形である。別名ビックリグミと呼ばれる。
・イスズグミ(var. jucundicocca)
本州に産し、葉は狭楕円形であるが、イスズグミをトウグミの一型とみなし、別にホソバサイグミ(var. horiensis f. jucundicocca)を区別する見解もある。
参考文献
- 北村文雄 1994 ナツグミ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 729.
最終更新日:2020-06-19 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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別名:カントウナツグミ
関東地方に集中的に多いことから、この別名がある。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ナツグミ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 438.
最終更新日:2020-06-19 ハリリセンボン
- 分類学的位置付け
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グミ科 グミ属
参考文献
- 伊澤一男 1998 ナツグミ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 438.
- 北村文雄 1994 ナツグミ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 729.
最終更新日:2020-06-19 ハリリセンボン
- 人間との関係
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庭木に植栽される、葉が狭長のものを分けて、ホソバナツグミ[f. multiflora]とすることもある。
【成分】
色素リコぺエンを含むのはナワシログミと同じ。そのほかは精査されていない。
【薬効と用い方】
・疲労回復(健康薬酒)に用いる
水切りした果実を 1 ℓ容量の広口びんに約半分まで入れ、グラニュー糖 150 g、薄い輪切りのレモン1個分を加え、35度のホワイトリカーを容器いっぱいになるまで注いで、冷暗所に静置し、2~3ヵ月後に飲用する。1回量は 20~40 ㏄を限度とする。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ナツグミ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 438.
- 北村文雄 1994 ナツグミ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 729.
最終更新日:2020-06-19 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
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葉は長さ 3~8 cm、長楕円形、卵形と変異が多い。
上面に初め灰白色の星状鱗片や鱗毛があり、のちに脱落して無毛となる。下面には銀白色鱗状毛が密生し、褐色斑が散生する。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ナツグミ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 438.
- 北村文雄 1994 ナツグミ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 729.
最終更新日:2020-06-19 ハリリセンボン
- 花の形質
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花は芳香を有し、1~3個つき、内面は淡黄色である。葉腋より1~2個が長い柄によって垂れ下がって咲く。
がくは筒状で、先は4裂し、雄しべ4本はがく筒内壁の上部につく。がく筒内側は無毛である。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ナツグミ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 438.
- 北村文雄 1994 ナツグミ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 729.
最終更新日:2020-06-19 ハリリセンボン
- 果実の形質
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果実は6~7月に赤く熟し、長さ約 1.5 cmの楕円形である。やや渋いが食用になる。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ナツグミ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 438.
- 北村文雄 1994 ナツグミ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 729.
最終更新日:2020-06-19 ハリリセンボン
- 似ている種 (間違えやすい種)
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・アキグミ
葉は落葉性で、花は春に開花して、葉腋に数個つき、葉には銀白色の鱗片を密生する。葉の上面は鱗片のみで星状毛はない。果実は球形で秋に熟す。果柄はナツグミより短く、5~10 ㎜。ナツグミは 3~5 cmである。
・ナワシログミ
葉が常緑性である。花は秋に開花し、翌年初夏に実を結ぶ。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ナツグミ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 438.
最終更新日:2020-06-19 ハリリセンボン
生態
- 生育環境
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山野に生える普通の落葉低木で、庭先にも栽培され、変異が多い。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ナツグミ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 438.
最終更新日:2020-06-19 ハリリセンボン
関連情報
- その他
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【採取時期と調整法】
夏から秋に果実をとり、水洗いしてから水けを除き、そのまま用いる。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ナツグミ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 438.
最終更新日:2020-06-19 ハリリセンボン