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- ケヤキ(Zelkova serrata)について
ケヤキ(Zelkova serrata)
【IUCN】現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種
- 【 学名 】
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Zelkova serrata (Thunb.) Makino
目次
基本情報
- 別名・方言名
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欅、槻
ツキ(古名)、ツキケヤキ/ツキノキ(青森、岩手)、キヤキ(新潟、富山、岐阜、静岡、福井、和歌山)、アオゲヤキ(群馬、神奈川、熊本)、イツキ(富山)、アカケヤキ(石川、長野)、イシケヤキ(長野、和歌山、兵庫、鳥取、愛媛、熊本)、ホンケヤキ(兵庫、鳥取、熊本)、カイケ(香川、徳島、高知)
参考文献
最終更新日:2020-05-14 キノボリトカゲ
- 人間との関係
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材は黄褐色または紅褐色で木目が美しく、重硬で狂いも少なく保存性が高いため建築、家具、細工物、楽器、船舶材、土木その他に用いる。
樹径が大きく広い板材が得られることから、社寺の構造物や大黒柱に使われることが多い。
また盆、漆器の木地などに賞用される。樹皮も箕などの細工物に用いられる。
ケヤキは木に勢いがあり巨木になるので、神聖視されることがあり、『日本書記』には飛鳥寺のケヤキの下で重要な事柄が執り行われたと記されている。
材の優れた性質から、古来ケヤキは重要な建築用材としてさかんに用いられてきた。奈良の唐招提寺、京都の東西本願寺、皇居桜田門など有名建築物も多い。
この木にまつわる俗信は各地に見られる。群馬県や広島県では、ケヤキの芽がいっせいに出ないと晩霜があると伝えられている。
長野県では、ケヤキの薪を三年焚くと目が不自由になるという。用途の広い貴重な木を無駄に使うことを戒める諺。
日本各地に天然記念物のケヤキの巨木は多いが、中でも山形県東根市の《東根の大ゲヤキ》は直径 5 m、幹周り 16 m、樹齢は1500年以上に達する巨木で、国の特別天然記念物に指定されている。
井上靖の小説『欅の木』は、邪魔もの扱いされるケヤキの巨木をめぐって、ケヤキを愛する人々がケヤキを守る話。
宮城県、福島県、埼玉県の県木
参考文献
- 濱谷稔夫 1989 Zelkova ケヤキ属, 堀田満、緒方健、新田あや、星川清親、柳宗民、山崎耕宇(編) 世界有用植物事典. 平凡社. pp. 1119-1120.
最終更新日:2020-05-14 キノボリトカゲ
形態
- 葉の形質
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葉は互生、短柄、葉身は狭卵形または卵状長楕円形で長さ 3~7 ㎝、幅 1~2.5 ㎝。
若木では長さ 13 ㎝、幅 5 ㎝にも達する。葉先は鋭尖、葉脚は円脚、浅心脚、縁には鋭い凸頭のきょ歯がある。
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- 茎(幹)の形質
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幹は直立、分枝し高さ 20~25 m、幹形 3 mに達する。樹皮は灰褐色、老木の樹皮は一部鱗片状にはげる。
小枝は細かく分枝する。幼枝には微細な白毛がある。
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生態
- 生育環境
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肥沃の深層壌土を好む陽樹であるが、稚幼樹は樹陰下でも育つ。とくに関東ローム層に適する。
樹形は盃状で整形。生長は早い。せん定に耐え、移植も容易である。深根性で耐風性もある。大気汚染には弱い。
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