- 解説一覧
- コウゾ(Broussonetia kazinoki)について
目次
基本情報
- 和名の解説
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①カミソ(紙麻)の音便。
②「穀桑」の別音 ku-so または桑楮 kou-so から。
③神に献ずる衣の材料にしたことから。カミソ(神衣)の転
参考文献
最終更新日:2020-04-30 キノボリトカゲ
- 別名・方言名
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カミギ、カゾ、カズ、コゾノキ/コージノキ(岩手、秋田)、ヤマカズ(埼玉、神奈川)、カゾ(東京、神奈川、長野、愛知)、ヤマガミ(三重)、コーゾー(山口)、カジガラ(鹿児島)
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- 人間との関係
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長く強靭な繊維を和紙の原料にする。樹皮を剥いで蒸し、水に浸した後、叩解して用いる。コウゾを原料とする和紙は楮紙と呼ばれ、和紙の中でも最も代表的なもの。
奉書紙、檀紙、杉原紙などがあり、写経用紙、障子紙として古くから用いられた。
ほかにも、織物、果実は食用、薬用にする。
610年、高麗の僧曇徴が製紙技術を伝えたと『日本書紀』にあり。栽培種のコウゾが渡来したのはこの頃と考えられる。
古くは「ユウ(木綿)」と呼ばれ、製紙のはじめる前にはおもに幣をつくるのに使用し、時に衣料用ともした。
大和の「香具山」は、古来コウゾが植えられた土地であることから、方言「カゴ」の転訛による命名であるという説がある。
江戸時代にはチャ、ウルシ、クワと並んで「産業の四木」といわれ、農家の副業として生産される商品作物として重用された。生産量は減じたものの、今なお和紙の原料として重要である。
季題は「夏」楮。「冬」楮蒸す。「ふるさとの楮蒸す火に帰りきし 砂東」の句がある。
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形態
- 葉の形質
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葉は互生し、葉身はゆがんだ卵形または広卵形で先は鋭く尖り、基部は浅い心臓形で長さ 7~20 ㎝、質が薄い。
上面はややざらつき、下面には初め短毛がある。縁に浅いきょ歯があり、しばしば深く 2~3 裂あるいは 5 裂する。葉柄は短く 1~2 ㎝。
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- 花の形質
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雌雄同株。雄花序は新枝の株につき、球形で径 0.6~1 ㎝、柄は長さ 1~1.4㎝ で密に短毛がある。
雄花は花被(がく)が4裂し、雄しべ4個、花糸は蕾の頃内曲し、開花時急にのびて花粉を出す。
雌花序は新枝の上部の葉のわきに単生し、球形で径約 0.5 ㎝。糸状で暗紫色の花柱がでる。柄は長さ 0.5~0.6 ㎝ で、短毛を密生する。
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