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- ザクロ(Punica granatum)について
ザクロ(Punica granatum)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Punica granatum L.
目次
基本情報
- 人間との関係
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果実は生食、根皮、樹皮は駆虫剤となる。日本では主として観賞用庭園樹として植えられている。
種皮は甘酸っぱく、生食するほか果実酒や清涼飲料の原料になる。
漢方では、幹・枝・根の皮を石榴皮、石榴根皮と呼び、サナダムシの駆虫剤に、果皮を石榴果皮といい口内の腫物などに用いる。
民間療法では、果皮を歯痛止めに、根を虫下しや婦人病に使う。
染料には、樹皮・葉・果皮からは媒染を変えて紫褐色・紺黒色・褐色・黄茶色・黄金色・焦茶色が、未熟な果皮と花からは赤色が得られる。
金属鏡が使われた時代には、果汁を鏡を磨くために用いた。
材は堅く、皮のついたまま、または磨いて床柱などの装飾用柱に用いる。
有史前から栽培されている最も古い果樹の1つ。ヨーロッパへはギリシア時代に、中国へは前2世紀頃に伝えられたとされる。
日本への渡来年代は定かではないが、平安時代前期には既に植栽されており、『本草和名』(918年)に「安石榴、(略)和名佐久呂」と記されている。
ギリシア神話のベルセフォネの物語に下界(地獄)の食物として登場する。
そのため、古代ギリシア・ローマでは、種子を育む大地・豊穣のシンボル、キリスト教では再生と不死に対する希望のシンボルとなった。
種子が多いことから、世界各地で多産のシンボルとされる。トルコでは、花嫁が果実を地面に投げ、こぼれた種子の数だけ子どもを産むという。
中国でも子孫繁栄の象徴として、結婚式の祝宴に供される。
日本には、鬼子母神を子授け・安産・育児の神として信仰し、ザクロの実を供える風習がある。
人間の子を食べる鬼子母神を戒めて仏陀がザクロの実を与えた、という仏説によるもの。俗にザクロは人肉の味がするというのもここからきている。
茨城県では、ザクロの木の下で子どもを遊ばせれば疳の虫を封ずるという。
季題は「秋」。「石榴の実の一粒だにも惜しみ食ふ 誓子」「薄べにや盆に落散る石榴の実 虚吼」などの句がある。
参考文献
最終更新日:2020-04-30 キノボリトカゲ
形態
生態
- その他生態
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繫殖はさし木、取り木、株分け、接木、実生いずれも可能であるが、通常3~4月頃さし木を行う。土壌は粘土質で水湿に富む土地が適する。
せん定は徒長枝を切る程度とする。
参考文献
最終更新日:2020-04-30 キノボリトカゲ