- 解説一覧
- ヤマウルシ(Toxicodendron trichocarpum)について
ヤマウルシ(Toxicodendron trichocarpum)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Toxicodendron trichocarpum (Miq.) Kuntze
基本情報
- 分布
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北海道、本州、四国、九州、南千島、朝鮮半島、中国に分布する。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ヤマウルシ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 399.
最終更新日:2020-06-12 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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別名:黄櫨(はぜのき)、山黄櫨(やまはぜ)、黄櫨漆(はぜうるし)
参考文献
- 山田卓三 1992 ヌルデ,ヤマウルシ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 213.
最終更新日:2020-06-12 ハリリセンボン
- 人間との関係
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9月頃から紅葉し始めるので、緑の中でよく目立つ。
【有毒部分】
樹液と葉。
漆器に用いられる生漆は、ウルシ(ホンウルシ)から採取され、これが皮膚を刺激して、かぶれの症状を起こす。ヤマウルシからは生漆を採取しない。
ヤマウルシはウルシほどの激しさはないが、体質によってはかぶれの症状を起こすことがある。
かぶれを起こす物質はウルシオールで、デヒドロウルシオールもともに含まれている。安南ウルシ、ビルマウルシはラッコールを主要成分としている。ウルシオールは局所的に刺激する作用が強い。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ヤマウルシ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 399.
- 山田卓三 1992 ヌルデ,ヤマウルシ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 213.
最終更新日:2020-06-12 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
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葉は 25~50 cmの羽状複葉で互生する。小葉は11~17枚で、卵形から卵状長楕円形まであって全縁、または若木の葉にはふぞろいの鋸歯のあることもあり、先端は尖っていて長さ 6~12 cmである。
下面の脈上に黄褐色の毛を密生する。また葉の軸にも毛がある。雌雄異株である。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ヤマウルシ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 399.
最終更新日:2020-06-12 ハリリセンボン
- 花の形質
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枝先の葉腋から褐色の毛のある円錐花序を出し、淡緑色の花を多数開く。雄花は花弁5枚、がく片5枚、雄しべ5本、雌しべは小さく退化している。
雌花は柱頭が3つに分かれた雌しべと、発育不全の雄しべがある。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ヤマウルシ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 399.
- 山田卓三 1992 ヌルデ,ヤマウルシ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 213.
最終更新日:2020-06-12 ハリリセンボン
- 果実の形質
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果実はゆがんだ扁球形の核果を結び、大きさは 5 ㎜くらいである。表面に淡黄色の短い刺毛を密生する。ウルシにはこの刺毛はないため、区別するのに都合がよい。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ヤマウルシ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 399.
最終更新日:2020-06-12 ハリリセンボン
生態
- 生育環境
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栽培はされないが、山野にふつうに見られる。
参考文献
- 横井政人 1994 ヤマウルシ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 310.
最終更新日:2020-06-12 ハリリセンボン