- 解説一覧
- コクサギ(Orixa japonica)について
コクサギ(Orixa japonica)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Orixa japonica Thunb.
目次
基本情報
- 草丈・樹高
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高さは 2 mぐらいになる。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 コクサギ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 241.
最終更新日:2020-06-22 ハリリセンボン
- 分布
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本州、四国、九州、韓国、中国東部から貴州に至る間に分布する。
参考文献
- 伊澤一男 1998 コクサギ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 390.
最終更新日:2020-06-22 ハリリセンボン
- 学名の解説
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スウェーデンの植物学者ツンベルクは、蘭医として1775年(安永4)に来日、1年間滞在したが、コクサギの学名は彼によって命名された。
学名「オリキサ・ジャポニカ」のオリキサの属名は、日本人通詞の言ったコクサギを聞き間違えたためで、彼はコクサギの日本名をそのまま学名にしようとしていたらしい。
参考文献
- 伊澤一男 1998 コクサギ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 390.
最終更新日:2020-06-22 ハリリセンボン
- 和名の解説
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コクサギの名は小さいクサギの意味である。
参考文献
- 伊澤一男 1998 コクサギ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 390.
最終更新日:2020-06-22 ハリリセンボン
- 亜種・変種・品種
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【園芸品種】
・[Variegata]
葉が不整形で白覆輪である。
ほかにも、黄色の中斑が入るものが知られている。
参考文献
- 横井政人 1994 コクサギ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 845.
最終更新日:2020-06-22 ハリリセンボン
- 人間との関係
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生薬名は和常山(わじょうざん)である。
【成分】
殺菌作用のあるアルカロイドのシキミアニン、コクサギン、精油にはカンフェン、リナロールなどを含む。
【薬効と用い方】
・腫れ物に用いる
和常山 15 gを水 400 ㏄で3分の1量に煎じ、この煎液で洗う。
・殺虫に用いる
家畜の皮膚に寄生する害虫駆除に、煎液で洗う。
参考文献
- 伊澤一男 1998 コクサギ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 390.
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形態
- 葉の形質
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葉身は互生する短柄につき、楕円~倒卵形、少しカキの葉を小柄にした感じで、表面はつやがあり、全縁で、少し厚く、特異臭がする。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 コクサギ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 241.
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- 花の形質
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葉のまだ小さいうちに前年枝の葉腋から開き、淡黄緑色をしている。
雄花は総状花序をなし、がく片4、花弁4、雄しべ4、中央に退化した子房がある。
雌花は単独でつき、がく片4、花弁4、退化雄しべ4、雌しべ1、子房は円錐形で、短花柱、柱頭4である。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 コクサギ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 241.
最終更新日:2020-06-22 ハリリセンボン
生態
- 生育環境
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丘陵山野の日の差し込む林に生える。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 コクサギ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 241.
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- 種子散布様式
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果実は長さ 9 mmほどのものが2~3個集まったようにできる。それぞれが成熟して裂けるとき、中にある長さ 4 mmほどの黒い種子は、それの外側を取り巻くように入っている内果皮が勢いよく急に反転する力で遠くへ飛ばされる。このような種子散布の仕組みは、特異なものである。
参考文献
- 伊澤一男 1998 コクサギ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 390.
最終更新日:2020-06-22 ハリリセンボン
- その他生態
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耐寒性も強く、病気、害虫もない。
参考文献
- 横井政人 1994 コクサギ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 845.
最終更新日:2020-06-22 ハリリセンボン
関連情報
- 栽培方法
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挿木増殖を行い、日陰地に栽培してもよい。
参考文献
- 横井政人 1994 コクサギ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 845.
最終更新日:2020-06-22 ハリリセンボン
- その他
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【採取時期と調整法】
9~10月頃、枝、葉をとって刻み、風通しのよいところで陰干しする。また晴天に1日日干しし、のちに陰干しする。
参考文献
- 伊澤一男 1998 コクサギ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 390.
最終更新日:2020-06-22 ハリリセンボン