- 解説一覧
- シナノキ(Tilia japonica)について
目次
基本情報
- 和名の解説
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①アイヌ語の「結ぶ、縛る」の意にシナによる。
②樹皮がシナシナすることから。
③樹皮が白いことからシロの転。
④長野県に多く自生するため。国名のシナノ(科野)から。
参考文献
最終更新日:2020-04-27 キノボリトカゲ
- 別名・方言名
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シンハカワムキ/マダ(青森、岩手、秋田、宮城、山形)、シナッタ(埼玉)、トリオギ(奈良)、モアダ(新潟)、タク(徳島、高知)、ヤマガキ(鳥取、島根、岡山、広島)/ニベシニ(アイヌ)
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最終更新日:2020-04-27 キノボリトカゲ
- 人間との関係
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公園やゴルフ場の植え込み、街路樹、材は建築材、器具材、鉛筆材、ベニヤ材などに用いる。
材は木目が緻密で細工しやすく、建築、器具材、合板などに用いる。
樹皮は繊維が強く耐水性があるため、シナ布をつくり酒・醤油の漉し袋や蚊帳に加工したり、船舶用のロープにされる。
花から採れる蜂蜜は香りがよく、重要な蜜源植物となっている。
ヨーロッパでは、古くから同属のセイヨウシナノキを民間薬として用いている。
花は発汗薬に、果実は止血に、葉は潰瘍や腫瘍に、樹皮の粘液は火傷や創傷の薬にされる。
材は日本の有用な散孔材のひとつで、辺材は灰白から淡黄白色、心材は淡黄褐色を示し、気乾比重約 0.50 でやや軽軟。
加工容易だが、耐朽性は低く、色調もあまりよくない。しかし大径材が得られるので、合板、建築造作材などに多く用いられる。
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最終更新日:2020-04-27 キノボリトカゲ
形態
- 葉の形質
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葉は互生で、有柄(長さ 3~5 ㎝)、葉身は円心形で左右葉扁不等で急鋭尖となっている。長さ 6~9 ㎝、縁には低くて鋭きょ歯がある。
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最終更新日:2020-04-27 キノボリトカゲ
生態
- その他生態
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繫殖は実生とさし木による。
実生は10月中に採種し、ピートモスを湿らせ、中に混ぜてビニール袋に入れ冷蔵庫に入れておき、3月に播種する。さし木は若木の穂木をさす。
街路樹など定まった樹形のものは、自然形の相似に縮小する。中枝ぐらいで枝抜きをし、生育の悪いものには春に元肥を施す。
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最終更新日:2020-04-27 キノボリトカゲ