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イタドリ(Reynoutria japonica)の分類 タデ科(Polygonaceae)
イタドリ(Reynoutria japonica)の概要 Reynoutria

イタドリ(Reynoutria japonica)

【 学名 】
Reynoutria japonica Houtt.

基本情報

花期

7~10月

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 イタドリ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 147.

最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン

和名の解説

イタドリの名は「痛取」からきたという説があるが、信州の山村では、今日でも、転んで小さなけがをしたときなどに用いている。生の若芽をもんで患部に刷り込むと出血は止まり、痛みもとれるという。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 イタドリ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 60.

最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン

別名・方言名

別名:タンジ、サイタナ、スッパグサ(方言)、タジイ(古名)、サイタズマ(古名)

方言名:アオバ(岩手)、アカッポ(和歌山)、イタイタ(愛知)、イタコ(島根)、ウシダンジ・エタンドリ(兵庫)、オニシャジッボウ(岡山)、カーラッパ(鹿児島)、キイズイコ(長野)、ギシギシ(福岡)、コッポン(兵庫)、サイジ(岡山)、シカドリ(山形)、スイカッポ(山口)、スッポン(滋賀)、セイキ(長野)、ダーシ(島根)、ダイシ(青森)、タジ(島根)、タチヒ(京都)、ダンジ(兵庫)、チンポコ(岡山)、ツカナ(秋田)、テチッポ(山口)、トッポン(広島)、ナベウレ(島根)、ネボ(秋田)、ノダチ(山口)、ハイタ(香川)、ビイビイガラ(山口)、ヘタナ(香川)、ポッポ(和歌山)、ミズクルマ(山口)、モンツキ(山口)、ヤマスイコ(長野)、ユタンポ(徳島)

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 イタドリ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 147.
  • 山田卓三 1992 イタドリ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 139.

最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン

分類学的位置付け

タデ科

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 イタドリ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 147.

最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン

人間との関係

戦時中、葉をタバコ代用に供した。果実を枕に入れたりする。

春先に、タケノコ状に伸びる若芽は、紅紫色の点々を持っている。この若芽の皮をはぎとり、塩をつけて食べる。地方によっては、これをたくさん採取して、小川の流れに1~2日の間つけておいてから、水気をとって、塩漬けにして、冬場の山菜料理にすることもある。下ごしらえの処理方法はいろいろあるが、ほどよい酸味とさくさくした歯ざわりが好まれるので、下ごしらえのときに茹ですぎたり、味付けのときに煮すぎてもいけない。

また枯れたイタドリの茎は軽くて、アカザの杖と同様に丈夫な杖となった。子どもたちはこれを刀にして振り回したり鉄砲にしたりして遊んだ。イタドリは芽生えから枯れ木になるまで子どもたちにとっての大切な遊び道具であった。

茎は竹より細工がしやすいので、イタドリで何種類かの笛をつくって吹いて遊んだり、小形の桶などいろいろなままごとの道具を作った。葉は皿として野イチゴなどを盛ったりした。

【効能・有効成分】
オキシアントラキノン類のポリゴニンを含み、加水分解するとエモジンやエモジンメチルエーテルを生ずる。

便秘や蕁麻疹に用いられる。便秘には、干したもの(虎杖)1日量 8~10 gを、400 ㏄の水で半量になるまで煎じて、空腹時に3回に分けて服用するとよい。
蕁麻疹には『和漢三才図会』(1713年)によると、虎杖、人参、細辛、食塩各 1.3 gを1日量にして、煎じて服用すると治るとしている。また体がかゆくなって、かくと出血するものを、江戸時代には気奔と呼んでいた。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 イタドリ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 147.
  • 伊澤一男 1998 イタドリ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 60.
  • 山田卓三 1992 イタドリ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 139.

最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン

形態

葉の形質

葉身は互生する柄につき、若いうちは赤く、広卵~卵状楕円形で、先は尖り、もとのほうは切形(ときに円~浅心形)、へりはわずかに波をうち、質はかたく、毛はないが、両面脈上に微細な突起がある。

葉鞘は乾膜質で縁毛はなく、花時にはほぼ消失する。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 イタドリ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 147.

最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン

茎(幹)の形質

地下茎は木質で横走し、節があり、処々に芽をだし、褐黒色で、なかは黄~黄褐色である。

茎は直上~斜上し、50~150 cmぐらいになり、円柱状中空で枝わかれし、若いうちは柔らかで赤く噛むと酸っぱい。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 イタドリ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 147.

最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン

花の形質

葉腋や枝先からのびた軸に、複総状様~円錐状につき、ごく細かい。

蕚(花被)は白色で5裂し、雌花では外側の3片が果時に生長し、背部に翼がでて果実をつつみ、倒卵形~倒卵円形で先がくぼむ。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 イタドリ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 147.

最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン

果実の形質

果実は3稜形で、黒~黒褐色、つやがあり、雄花では雄しべ8である。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 イタドリ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 147.

最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン

生態

生育環境

日のよく当たる乾燥した土手、道端、丘陵・荒地・崖などに生息している。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 イタドリ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 147.

最終更新日:2020-10-09 ハリリセンボン

関連情報

栽培方法

~採取時期~
根茎を掘り取る時期はいつでも良いが、秋から冬にかけて、地上の茎葉が枯れたころが最もよい。掘り取った根茎は水洗いし、生のまま小さく切って、風通しのよい所で日干しにする。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 イタドリ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 60.

最終更新日:2021-01-13 ハリリセンボン

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