- 解説一覧
- ナデシコ(Dianthus superbus)について
基本情報
- 花期
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6月頃から咲き始め、夏を過ぎ、初秋を感じさせる9月頃まで咲いている。
参考文献
- 伊澤一男 1998 カワラナデシコ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 90.
最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン
- 和名の解説
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ナデシコの名は「撫し子」からという。
薄紅色の上品な花、淡緑色の繊細な茎葉の可憐さが、かわいい子供の頭をなでるのに共通した意義を持って、ナデシコの名ができた。
参考文献
- 伊澤一男 1998 カワラナデシコ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 90.
最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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別名:カワラナデシコ、ヤマトナデシコ
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ナデシコ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 181.
最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン
- 人間との関係
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「野辺みれば なでしこの花 咲きにけり わが待つ秋は 近づきにけり」これは万葉の歌である。
また万葉の歌人山上憶良は、ナデシコを秋の七草のひとつとして数えた。
【成分】
サボニンを含んでいることは知られているが、薬効との関係は不明である。
【薬効と用い方】
・むくみのときの利尿に用いられる。
種子1日量 3~6 gを、水 150 ㏄で半量に煎じ、3回に分けて服用する。
未詳であるが、中医学では消炎・利尿薬とし、また通経の効果があり、量を過すと流産を誘発する。
漢方では、瓜呂瞿麦丸料、消毒丸料がある。
瓜呂瞿麦丸料は膀胱炎、痛風などに用いられる。消毒丸料、は胎毒下しの1種で証に応じ、ものもらい、慢性湿疹などに応用させる。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ナデシコ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 181.
- 伊澤一男 1998 カワラナデシコ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 90.
最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
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葉は無柄対生、線形~線状披針形で先は尖り、もとの方では茎を抱き、粉白緑色で全縁である。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ナデシコ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 181.
最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン
- 茎(幹)の形質
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茎は緑色で数本叢生し、直上または斜めに立ち上がり、1 mを超すものがある。
節はややふくれ、節ごとに少し屈曲する傾向があり分枝する。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ナデシコ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 181.
最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン
- 花の形質
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茎頂分枝の先につき、淡紅色である。がくは細長い円筒形でもとのほうには4~6片の小包が密着し、5先裂する。
花弁は5で、その先端は糸状に細裂し、もとの方には髭がある。雄蕊10、花柱2である。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ナデシコ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 181.
最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン
- 果実の形質
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果実は円柱状で、先は4裂し宿存がくに包まれ、熟すと枯れ、中から黒色扁平の細かい種子がこぼれる。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ナデシコ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 181.
最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン
生態
- 生育環境
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日のよくあたる土手、丘陵、川原などに生える。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ナデシコ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 181.
最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン
関連情報
- 栽培方法
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【採取時期】
9月頃、果実ごと採取して、風通しの良い日陰に干す。こうしてからからによく乾燥したら、これを手で静かにもみ、黒い種子だけをより集める。
集めた種子は、今度は1~2日、日干しにして乾燥を十分にし、紙袋などに入れて、風通しのよい所に保存する。
参考文献
- 伊澤一男 1998 カワラナデシコ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 90.
最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン