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コハコベ(Stellaria media)の分類 Caryophyllaceae
コハコベ(Stellaria media)の概要 Stellaria

コハコベ(Stellaria media)

【 学名 】
Stellaria media (L.) Vill.

基本情報

生活形

二年草。到るところに普通な軟らかい越年草。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 ハコベ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 87.
  • 北村四郎, 村田源 1961 ハコベ, 北村四郎、村田源(著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅱ・離弁花類. 保育者. 271₋272.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

花期

3月~9月

参考文献

  • 北川政夫 1982 ハコベ, 佐竹義輔、大井次三郎、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類. 平凡社. 37.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

分布

寒帯~熱帯:世界に広く分布する。

参考文献

  • 北村四郎, 村田源 1961 ハコベ, 北村四郎、村田源(著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅱ・離弁花類. 保育者. 271₋272.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

和名の解説

ハコベの語源ははっきりしない。

漢名の繁縷は、よく繁る草で、茎の中に糸があることに由来しているという。

ハコベという名は、古名ハコベラの下略という説が、一般的に通っているらしい。

参考文献

  • 山田卓三 1992 ハコベ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 152.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

別名・方言名

別名:ハクベラ、ヒヨコグサ、ハコベラ、アサシラゲ(朝開け)、ハコベグサ、カラヨモギ

方言名:アサシラキ、アサシラギ、オバコ、カツコベ、カラスノシリフリ、コンペイトグサ、ジゴクソウ、ズイムシグサ、スズメグサ、チョーチングサ、ハツコベ

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ハコベ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 183.
  • 山田卓三 1992 ハコベ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 152.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

分類学的位置付け

ナデシコ科

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ハコベ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 183.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

人間との関係

古くはハコベラの名で呼ばれたが、食用、薬用にしたり、小鳥の餌にするためよく知られている。そのため各地それぞれの方言で呼ばれている。

一般にはミドリハコベとともにハコベという。

また春の七草の1つではあるが、正月7日のかゆに入れて食べることはなくなってきている。

食用として青臭さが残るのが難点ではあるが、さいの目に切ったリンゴと混ぜてフレンチドレッシングで食べると匂いが気にならない。

全草を乾かし煎じるとハコベ茶となる。

【成分】
ハコベの成分はまだよく研究されていないが、古くからハコベ塩を歯磨きに用いていた。

『和漢三才図会』(1713)は生のハコベを絞ってとった青汁を、塩とともにアワビの貝殻に入れて焼き、乾けばまた青汁を加えるということ、7度に及ぶと述べ、このハコベ塩を指先につけて磨いた。

【薬効と用い方】
歯茎の出血、歯槽膿漏の予防に用いられる。ジューサーなどで青汁をとり、油けのないフライパンで食塩を適当な分量加えて、よく乾燥させて、緑のハコベ塩を作る。指先につけて歯を磨く。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 ハコベ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 87.
  • 北村四郎, 村田源 1961 ハコベ, 北村四郎、村田源(著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅱ・離弁花類. 保育者. 271₋272.
  • 山田卓三 1992 ハコベ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 152.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

形態

葉の形質

葉は軟らかく広卵形~長卵形、先は鋭尖形~鋭形、長さ 1~2 cm、幅 8~15 mm、深緑色で両面とも無毛である。

下部に少し毛があり、縁は全縁、とくに波状、下部のものは長柄があるが上部のものは無柄である。

参考文献

  • 北村四郎, 村田源 1961 ハコベ, 北村四郎、村田源(著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅱ・離弁花類. 保育者. 271₋272.
  • 北川政夫 1982 ハコベ, 佐竹義輔、大井次三郎、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類. 平凡社. 37.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

茎(幹)の形質

茎は淡緑色円柱状で軟らかく、下部から多く枝を分かち、下部は地につき上部は斜上して高さ 10~30 cmぐらいになる。

片側に軟毛があり、中に白くてかたい筋(維管束)がある。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ハコベ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 183.
  • 北村四郎, 村田源 1961 ハコベ, 北村四郎、村田源(著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅱ・離弁花類. 保育者. 271₋272.
  • 北川政夫 1982 ハコベ, 佐竹義輔、大井次三郎、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類. 平凡社. 37.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

根の形質

根は白色髭状で、秋に発生する。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ハコベ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 183.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

花の形質

花は集散花序につく。花柄は有毛、花後下向し長さ 7~14 mmになる。

がく片は5、楕円形、鈍頭、長さ 3~4 mm、ふちは白膜質、背は有毛である。

花弁は5、白色、2深裂しがくより少し短い。花柱は3、雄しべは1~7である。

参考文献

  • 北村四郎, 村田源 1961 ハコベ, 北村四郎、村田源(著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅱ・離弁花類. 保育者. 271₋272.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

果実の形質

果実は卵形で 4~5 mm、熟すと6裂する。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ハコベ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 183.
  • 北村四郎, 村田源 1961 ハコベ, 北村四郎、村田源(著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅱ・離弁花類. 保育者. 271₋272.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

種子の形質

種子は円形、径 1~1.2 mm、半球形の低いいぼ状突起がある。

参考文献

  • 北村四郎, 村田源 1961 ハコベ, 北村四郎、村田源(著) 原色日本植物図鑑・草本編Ⅱ・離弁花類. 保育者. 271₋272.
  • 北川政夫 1982 ハコベ, 佐竹義輔、大井次三郎、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類. 平凡社. 37.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

似ている種 (間違えやすい種)

・ウシハコベ
ウシハコベは花柱が5裂、全草大型で、茎は赤みを帯びている。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 ハコベ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 87.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

生態

生育環境

日のあたる路傍・田畑・野原・庭などに生える。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ハコベ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 183.

最終更新日:2020-05-21 ハリリセンボン

関連情報

その他

全体が小さく、茎が多少の紫褐色を帯びたものをコハコベとする。ミドリハコベは大型で、雄しべ1~7本の多年草である。コハコベとミドリハコベを総称してハコベとしている。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 ハコベ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 87.

最終更新日:2021-01-18 ハリリセンボン

種・分類一覧