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- ノリウツギ(Hydrangea paniculata)について
ノリウツギ(Hydrangea paniculata)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Hydrangea paniculata Siebold
目次
基本情報
- 亜種・変種・品種
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ノリウツギの両性花の萼が大きくなり、中性花となったものがミズナギ。
プラエコクス、タルディヴァは遅咲きの園芸品種である。ベニノリノキは装飾花の萼片がはじめから紅色を帯びる品種で、栽培される。
そのほかに装飾花がないヒダカノリウツギや、葉の両面に毛を密生するビロードノリウツギといった品種がある。
参考文献
最終更新日:2020-05-01 キノボリトカゲ
- 別名・方言名
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ノリノキ、ニベノキ、トロロノキ/サビタ(青森、岩手、秋田)、ガザ(岩手、宮城)、タモ(埼玉、長野、山梨、静岡)、メデ(新潟、群馬)、フノリ(高知、愛媛)、シンギ(鹿児島)/ラスパ二(アイヌ「槍の柄と穂先をつなぐ木」)、キンネニ(同「髄になっている木」)、キンリニ(同「キセル木」)
参考文献
最終更新日:2020-05-01 キノボリトカゲ
- 人間との関係
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ときに庭園に植栽され、野趣の花を賞する。
樹皮を水につけて出る粘液を製紙の糊料にしたのでノリウツギと呼ばれる。
材はステッキや傘の柄をつくるのに用いた。中国では(粉団花)や根を去痰などの薬用にする。
採取したノリを細かく裁断し、適量の水と混ぜて漉き、乾燥して乾海苔とする。
あぶって飯にまいて食べ、ノリ巻き寿司や茶漬け、また料理の香味づけに使う。生のノリは刺身のあしらいなどとする。
古来より食用とされ『尺素往来』には、菓子として用いられたとあるが、実際にどのように食べたのかは不明。江戸時代に養殖が始められた。
季題は「春」。
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最終更新日:2020-05-01 キノボリトカゲ
形態
- 葉の形質
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葉は対生、ときどき輪生する。有柄で葉身は卵形または楕円形で急鋭尖頭、葉縁は低いきょ歯がある。
長さ 5~12 ㎝、幅 3~8 ㎝。
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最終更新日:2020-05-01 キノボリトカゲ
- 花の形質
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花は枝先に長さ 6~30 ㎝の円錐花序をつけ、中性花は白色の花弁状のがく片をもつ。
小形の白花はがく片を5個もち、花弁5個、雄しべ10個、花柱3個である。
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最終更新日:2020-05-01 キノボリトカゲ
生態
- その他生態
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繁殖は実生、さし木による。実生は秋に採種、乾燥、常温で貯蔵し、春3~4月に播種する。
発芽率は高い。さし木は枝ざしで、春さすものと夏秋に充実した当年枝 12~20 ㎝をさすものがある。
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最終更新日:2020-05-01 キノボリトカゲ