- 解説一覧
- ニチニチソウ(Catharanthus roseus)について
目次
基本情報
- 草丈・樹高
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高さ 70 cmほど
参考文献
- 湯浅浩史 1997 ニチニチソウ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 88₋89.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
- 生活形
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日本では一年草として扱われるが、原産地では多年草である。
参考文献
- 湯浅浩史 1997 ニチニチソウ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 88₋89.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
- 和名の解説
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ニチニチソウは「日日草」と書き、花つきがよく、毎日新しい花に咲き替わることによる。
参考文献
- 湯浅浩史 1997 ニチニチソウ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 88₋89.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
- 亜種・変種・品種
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高性、矮性、ほふく性の園芸品種が作出されている。
高性品種は草丈 50~60 cm、古くからつくられており、ケルメシアナ(赤)、ローズ(桃)、ブライト・アイ(白に赤目入り)などがあり、切り花に使用されている。。
矮性品種は草丈約 30 cmで、リトル・リンダ(赤)、リトル・ピンキーなどがあり夏花壇によく使われ、家庭で切り花にもできる。
ほふく性品種は、草丈約 20 cmで横に伸びる。カーペット系やポルカ・ドット(白に赤目入り)はグラウンドカバーや釣り鉢に向く。
参考文献
- 柴田義明, 山中雅也 1994 カタランス属, ロセウス, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 474.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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別名:ニチニチカ(日日花)
参考文献
- 柴田義明, 山中雅也 1994 カタランス属, ロセウス, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 474.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
- 分類学的位置付け
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キョウチクトウ科 カタランツス属
参考文献
- 伊澤一男 1998 ニチニチソウ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 557.
- 柴田義明, 山中雅也 1994 カタランス属, ロセウス, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 474.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
- 人間との関係
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マダガスカル島南部のアンタンドロイ族は、腹痛の薬に利用していたが、1960年代に小児白血病は成人の悪性リンパ肉芽腫症のホジキン病などの治療に使われだし、営利栽培が始まった。薬用にされるのは根である。
園芸的に改良されたニチニチソウは有効成分が少ないため、薬にするには原産地の野生種が栽培利用される。
わが国では江戸時代の頃から栽培されるようになった。山岡恭安著『本草正生譌』(1778)に初めて登場する。
その後飯沼慾斎が『草木図説』(1856~1862)にニチニチカの和名と雁来紅の漢字をあて、見事な図を載せている。
「日日花」ともいわれ、夏の季語となっている。「紅さしてはぢらふ花の日日草」(渡辺桂子)
また牛が嫌って食べないため、放牧地ではしばしば優占種となっている。
【成分】
1958年以来、多くのニチニチソウアルカロイドが発表された。最初に発表されたアルカロイドの結晶、ヴィンカリューコブラスチンにはショヨウの抑制作用があり、ほかにタンニンを含む。
【薬効と用い方】
胃潰瘍、便通、消化促進に用いられる。1回に生の葉を3~5枚をすりつぶし、水を加えてガーゼでこして飲む。アルカロイドを含むので、量を増やさないことに注意する。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ニチニチソウ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 557.
- 湯浅浩史 1997 ニチニチソウ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 88₋89.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
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葉は光沢のある濃緑色、楕円形~長楕円形で微突頭、基部は狭くなり、無柄または短柄になる。
参考文献
- 柴田義明, 山中雅也 1994 カタランス属, ロセウス, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 474.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
- 花の形質
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花は桃紅色、濃紅色で、眼点のあるものがある。がくはのみ形である。花筒は円筒形で長さ 2.5 cm。
参考文献
- 柴田義明, 山中雅也 1994 カタランス属, ロセウス, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 474.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
- 果実の形質
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袋果は長さ 2.5 cmくらいである。
参考文献
- 柴田義明, 山中雅也 1994 カタランス属, ロセウス, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 474.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
- 似ている種 (間違えやすい種)
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ツルニチソウ
参考文献
- 伊澤一男 1998 ニチニチソウ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 557.
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生態
- 生育環境
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熱帯各地の路傍に野草のように繁茂している。南部から東部の草原や岩山が自生地で、潮を浴びるような海岸にも生えている。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ニチニチソウ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 557.
- 湯浅浩史 1997 ニチニチソウ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 88₋89.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
関連情報
- 栽培方法
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日当たり、水はけのよい場所なら土質は選ばない。
播種期は4~5月、気温が十分上がってから播く。高温や乾燥には強いが、種子は嫌光性、従って覆土は種子が見えないよう、丁寧にする。日覆いは不要である。直播か、鉢に播いて40~50日後に移植する。暑い夏に播くと発芽しにくい。
幼苗は十分な水と追肥を必要とする。肥料は化成肥料を用い、基肥は 1 ㎡あたり 60~80 g、追肥は 20~30 gを咲き始める前に施す。
参考文献
- 柴田義明, 山中雅也 1994 カタランス属, ロセウス, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 474.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン
- 研究されているテーマ
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1958年、ニチニチソウの葉から抽出されたアルカロイドに、抗白血病作用があることが確認され、話題になった。
その後、名古屋市立大学薬学部の稲垣教授らもこの研究に取り組み、動物実験の結果、抽出アルカロイドが毒性を示さず、ガンの増殖を抑制し、延命効果が認められると発表した。これがきっかけとなり、岐阜県下に突如ニチニチソウ青汁療法が出現して、注目を浴びた。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ニチニチソウ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 557.
最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン