- 解説一覧
- キョウチクトウ(Nerium indicum)について

目次
基本情報
- 人間との関係
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公園、庭園の植え込み、列植に用いる。
根や茎葉にオレアンドリンやネリアンチンなどの強心配糖体を含み、古くから麻酔や強心剤として利用されるが、処方を誤ると中毒する危険がある。
暑さや乾燥に大変強く、どことなくエキゾチックなこの植物は観賞用として庭木や鉢植に栽培される。
寛政年間(1789~1801)に中国から渡来したといわれる。
明治の初めには地中海原産のセイヨウキョウチクトウも輸入された。
キョウチクトウは古代インドで堕胎や自殺にもちいられたという。
フランスでは普仏戦争時、兵士がキョウチクトウの枝に刺した肉を食べて中毒死したり、子供がこの花で遊んでいるうちに中毒したという記録がある。
日本では、西南戦争のとき官軍の兵隊がこの枝の箸で弁当を食べ、中毒者を出したという記録がある。
1969年(昭和44)には佐世保市がキョウチクトウを市の花に指定した直後にウシが葉を食べて中毒死し、物議を醸した。
仏典には「歌羅毘羅樹」の名で登場する。
インドでは罪人にこの花でつくった花輪をかぶせたり、火葬場に送る死者の顔をこの花で覆ったりしたという。
イタリア、ギリシャでも葬式の花とされている。中国では邪気を払う植物として寺院などに植えられる。
季題は「夏」。「夾竹桃花なき墓を洗ふなり 石田波郷」などの句がある。
参考文献
最終更新日:2020-05-18 キノボリトカゲ
形態
- 葉の形質
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葉は3個づつ輪生する。無柄、狭皮針形、鋭頭で 7~15 ㎝。
葉縁は全縁で厚く革質、側脈は多数、上面は濃緑色で光沢があり、下面は淡緑色、両面無毛である。
参考文献
最終更新日:2020-05-18 キノボリトカゲ
生態
関連情報
- 栽培方法
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栽培はさし木により、太い枝でも容易である。水ざしがよい。株分けもできる。
旺盛な生育をするので樹形を整えるために枝を整理し、通風、採光をはかる。
整枝は4月頃がよい。施肥はほとんど必要ない。やせ地であれば、3月頃、樹の周囲に堆肥を埋めてやる。8月下旬に鶏ふん、化成肥料を施す。
参考文献
最終更新日:2020-05-18 キノボリトカゲ