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サツマイモ(Ipomoea batatas)の分類 Convolvulaceae
サツマイモ(Ipomoea batatas)の概要 Ipomoea

サツマイモ(Ipomoea batatas)

情報不足種 (DD)

【IUCN】評価するだけの情報が不足している種

【 学名 】
Ipomoea batatas (L.) Lam.

基本情報

原産地

ペルー

参考文献

  • バーバラ・サンティッチ/ジェフ・ブライアント 2012 サツマイモ, バーバラ・サンティッチ、ジェフ・ブライアント(著) 世界の食用植物文化図鑑 起源・歴史・分布・栽培・料理. 柊風舎. 154.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

別名・方言名

クマラ、カライモ

参考文献

  • バーバラ・サンティッチ/ジェフ・ブライアント 2012 サツマイモ, バーバラ・サンティッチ、ジェフ・ブライアント(著) 世界の食用植物文化図鑑 起源・歴史・分布・栽培・料理. 柊風舎. 154.
  • 伊沢凡人 1980 サツマイモ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 206.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

分類学的位置付け

ヒルガオ科

参考文献

  • 青葉高 2013 サツマイモ, 青葉高(著) 日本の野菜文化史事典. 八坂書房. 365-369.

最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン

人間との関係

サツマイモはヒルガオ科の宿根草で、1492年コロンブスがアメリカ大陸から持ち帰り、スペインのイサベラ女王に献ずるまではヨーロッパでは知られていなかった。

その後の調査でサツマイモは熱帯アメリカでは広く栽培され、またポリネシアなど太平洋の島々でも食用に供されていることが分かり、このように地理的にも文化的にも隔たった両地域で栽培されていることから、原産地と伝播に多くの関心がもたれた。

ドゥ・カンドルやバビロフは新大陸起原としたが野生種が発見されず、起原については定説はなかった。

サツマイモの染色体数は体細胞で90、同属の野生種の染色体が30であることから15を基本数とする6倍体とされていた。

サツマイモの起源については日本の研究者が目覚ましい業績をあげている。

京都大学の西山市三氏らはメキシコで6倍体のイポメア・トリフィダ(I. trifida メキシコアサガオ)の野生を発見し、イモは形成しないがこのトリフィダのなかにサツマイモの祖先があると発表した。また、同氏は4倍体種と2倍体種との交雑でできた3倍体種の染色体を倍加して6倍体種も作った。

このトリフィダは栽培種の逸出ではないかとの反論があったが、その後田中正武氏らの1972年からの調査でメキシコ、グアテマラ地区の20ヶ所で多くのトリフィダの自生地が発見され、また4倍体のトリフィダも見出されてトリフィダ起源説が確認された。

おそらく野生6倍体の自生するメキシコ、グアテマラ地区で、根が小指大のトリフィダから突然変異で根の肥大するものが生まれ、それが栽培化されて選抜が加えられ、現在のサツマイモ栽培種が成立したものとされている。

サツマイモはメキシコからグアテマラ地域で紀元前3000年以前に作物化し、紀元前2000年頃にはペルーなど南アメリカに伝わったと推定され、おそらくインカ文化を築いた糧になったと見られている。

ポリネシアの諸島には1世紀前後に伝播したことが地方名の言語学的研究などから明らかにされ、伝播は人類によるものではなく、サツマイモの果実か種子の漂流によったものとも言われている。

15世紀の末にスペインに伝わったサツマイモは16世紀にはアフリカに、17世紀にはヨーロッパの各地に伝わった。しかし熱帯性作物のためか、あまり普及しなかった。アメリカ合衆国には17世紀に伝わり、栽培が増加したのは20世紀になってからといわれる。

アジアでは16世紀にスペイン人によりフィリピンとインドネシアに伝わり、中国には1594年陳振龍がルソン島から福建省に入れたのが最初といわれ、凶作を免れる作物として金薯と呼ばれた。しかしそれ以前に観光された『本草鋼目』(1590)にサツマイモの記述がある。

【食べ方】
必ず加熱する。焼く、ゆでる、揚げるなどの方法のほか、スープ、煮込み、油で炒めてから蒸してもいい。サンゴに近いピンク色は、ジャガイモの代わりとして見栄えがよく、特に蒸して、またはつぶして蒸した魚など白っぽい料理に付け合せる。

【薬効】
薬効としては、糖尿病、寄生虫、喘息の治療に使われている。

【食用以外の利用方法】
食品加工用原料、あめ、紡績糊などの工業用デンプン原料としても利用されている。

参考文献

  • 青葉高 2013 サツマイモ, 青葉高(著) 日本の野菜文化史事典. 八坂書房. 365-369.

最終更新日:2020-05-28 ハリリセンボン

形態

葉の形質

葉身は心円形全縁である。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 サツマイモ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 206.

最終更新日:2020-05-28 ハリリセンボン

茎(幹)の形質

茎は地上をはい、2 mぐらいになる。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 サツマイモ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 206.

最終更新日:2020-05-28 ハリリセンボン

根の形質

塊根は紡錘状をしている。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 サツマイモ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 206.

最終更新日:2020-05-28 ハリリセンボン

花の形質

葉腋からのびた柄の先に5~6個つき、形はアサガオに似て小さく紅紫色をしている。

がくは5先裂、雄しべ5、雌しべ1、暖地では結実する。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 サツマイモ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 206.

最終更新日:2020-05-28 ハリリセンボン

生態

その他生態

サツマイモの塊根は、もっとも有害な雑草でさえ日光を遮って衰えさせてしまうほど密集して、茂るつるの下にできる。

やせた土壌でもよく育ち、雨が少し降って温暖であればよく塊根ができる。

繁殖には根から伸びた芽の、根の方を土に挿して水をやる。塊根が育つには90~110日ほどかかる。ほかの多くの根菜と同じように、長く保存するには乾燥と処理が必要になる。

参考文献

  • バーバラ・サンティッチ/ジェフ・ブライアント 2012 サツマイモ, バーバラ・サンティッチ、ジェフ・ブライアント(著) 世界の食用植物文化図鑑 起源・歴史・分布・栽培・料理. 柊風舎. 154.

最終更新日:2020-05-28 ハリリセンボン

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