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クコ(Lycium chinense)の分類 Solanaceae
クコ(Lycium chinense)の概要 Lycium

クコ(Lycium chinense)

【 学名 】
Lycium chinense Miller

基本情報

草丈・樹高

高さ 1~2 m

参考文献

  • 大場秀章 1997 クコ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 18₋20.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

花期

8~9月頃

参考文献

  • 大場秀章 1997 クコ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 18₋20.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

分布

東アジアの熱帯から温帯にかけて分布する。

参考文献

  • 大場秀章 1997 クコ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 18₋20.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

別名・方言名

方言名:オニグコ、イヌグコ、トウグコ、トゲナシクコ、オランダクコ、アマクサグコ、ナンバン、カラスナンバン、ツルグコ、タシグスリ、アマトウガラシ、アマゴショウ、クク、イヌノチンボウ、ノウメ、シコウメ

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 クコ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 176.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

分類学的位置付け

ナス科

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 クコ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 176.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

人間との関係

クコは中国名の「枸杞」に由来し、若葉を炊き込んだクコ飯や、葉や果実からクコ酒をつくるなど、我々の生活にとても縁の深い植物である。

また漢方では、葉や果実を乾燥させたものをそれぞれ「枸杞葉」、「枸杞子」といい、ともに強壮薬とする。根の皮を乾燥させたものは「地骨皮」と呼ばれ、強壮・解熱剤とする。

中国の薬物書の古典である『神農本草経』には「久しく服すると、筋骨をしっかりさせ、身を軽くし老いない」とあって、強壮薬であることを述べているが、強精薬になるとは一言も触れていない。漢方や民間薬に広く用いられているが、万能薬のように考えて扱うのは誤りである。

平安時代から、クコは貴族の間で愛用されていたが、最近の中国の文献では解熱、せき止めなどに効くとしている。

【成分】
果実(枸杞子)に血行をよくするベタインやゼアキサンチン、葉(枸杞葉)には毛細血管などの血管壁を丈夫にして、動脈硬化を防ぐビタミンC、そして根の皮(地骨皮)にはベタインやリノール酸などが含まれている。

【薬効と用い方】
・疲労回復に用いられる
クコ酒がよい。クコの果実(枸杞子)200 gに、グラニュー糖 200 gを加えて、ホワイトリカー 1.8 ℓに約2ヵ月漬けてから、毎日ワイングラスに1杯ほど飲むとよい。

・消炎、利尿に用いられる
クコの根の皮(地骨皮)を原料とする漢方薬の清心蓮子飲(地骨皮、黄耆各 2 g、甘草 1.5 g、人参、車前子、黄ごん各 3 g、蓮肉、麦門冬、茯苓各 4 g)を煎じて服用する。

・高血圧予防に用いられる
乾燥したクコの葉(枸杞葉)5~10 gを煎じて服用する。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 クコ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 622.
  • 大場秀章 1997 クコ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 18₋20.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

形態

葉の形質

葉身は数枚集まり、倒披針形全縁で、短柄につき、質は柔らかい。

葉はふつう長さ 2~3 cmの楕円形で、互生する。両面ともほぼ同じ緑色をしている。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 クコ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 176.
  • 大場秀章 1997 クコ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 18₋20.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

茎(幹)の形質

茎は 1~2 mぐらいになり、倒れる傾向があり、地につくと根を出し、しばしば長さ 7 ㎜ほどの刺がでる。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 クコ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 176.
  • 大場秀章 1997 クコ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 18₋20.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

根の形質

根は肥大し、やや波状に湾曲しながら横に伸び、淡黄白色をしている。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 クコ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 176.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

花の形質

葉腋から伸びる短い枝の先に1個または数個つき、淡紫~紫色(ときに白色)である。下部は鐘状で、紫色のすじがあり、先は5裂し平開する。

がくは筒状で5浅裂、雄しべ5、雌しべ1である。花冠は鐘形で、直径約 8 ㎜である。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 クコ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 176.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

果実の形質

果実は長さ約 1 cmの卵状楕円形で、鈍く尖り秋に熟す。熟すと鮮やかな赤または赤橙色となる。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 クコ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 176.
  • 大場秀章 1997 クコ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 18₋20.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

生態

生育環境

海岸に近い土手、塩田の堤、道端、溝のへりなどに生える。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 クコ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 176.

最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン

種・分類一覧