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トウガラシ(Capsicum annuum)の分類 Solanaceae
トウガラシ(Capsicum annuum)の概要 Capsicum

トウガラシ(Capsicum annuum)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Capsicum annuum L.

基本情報

生活形

一年草(熱帯では多年生だが、温帯では一年生である)

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ヤツブサ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 174.
  • 草川俊 1992 トウガラシ, 草川俊(著) 野菜・山菜博物事典. 東京堂出版. 195-198.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

花期

参考文献

  • 草川俊 1992 トウガラシ, 草川俊(著) 野菜・山菜博物事典. 東京堂出版. 195-198.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

原産地

メキシコ。

トウガラシ栽培種の原産地は、地理的分布や細胞遺伝学的研究から、判明している。

参考文献

  • 草川俊 1992 トウガラシ, 草川俊(著) 野菜・山菜博物事典. 東京堂出版. 195-198.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

学名の解説

トウガラシの学名に annuum というラテン名を使っているが、これは一年草という意味である。

日本のような温帯の場所で栽培すれば、春に種子をまき、その年のうちに花を開いて、秋の収穫後に枯死する。

ところが、熱帯では多年草になる。南太平洋のヤップ島やパラオ島に、多年草というより、樹木状になったものがある。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 トウガラシ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 625.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

亜種・変種・品種

【栽培品種】
「鷹の爪」「八つ房」「虎の尾」「伏見」や、辛味のないトウガラシとしてのピーマンなどがある。

・鷹の爪
トウガラシのうち、最も辛味が強いのがこの群で、晩生、果肉が薄く、乾燥が容易である。この品種は細長い深紅色で、粉末、ピクルス用、ソース原料である。

・八房
八房群は、早生種で房成り、辛味が強く、鷹の爪の代用品で収量が多い。生育期間の短い関東、東海地方に栽培が多い。果実の未熟なときは、葉ごと煮て食べる。

・伏見カラシ
伏見カラシ群は、乾果用としての栽培は少なく、緑果と葉を利用することが多い。一般に辛味は低い。この群のなかの日光種は、栃木の日光地方の原産で、農産性の品種である。鹿沼市などで栽培され、しそ巻き、つくだ煮に加工され、日光の名物となっている。

・獅子トウガラシ
獅子トウガラシは辛くない系統の代表品種で、小型で細長く、しわがあり、俗にシシトウと呼ばれている。最近は温室で周年栽培されて、年中出回っている。主として和風料理に用いられている。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 トウガラシ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 625.
  • 草川俊 1992 トウガラシ, 草川俊(著) 野菜・山菜博物事典. 東京堂出版. 195-198.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

別名・方言名

別名:ナンバン(南蛮)、ナンバンゴショウ(南蛮胡椒)、コウライゴショウ(高麗胡椒)、ナンキンゴショウ(南京胡椒)

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ヤツブサ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 174.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

分類学的位置付け

ナス科

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ヤツブサ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 174.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

人間との関係

コロンブスの航海目的は、最初は香辛料探しであったが、偶然にも新大陸を発見し、そこにコショウ以上に辛いトウガラシを見つけた。そこでコロンブスは、コショウの一種と考え、コーカサスのものよりも辛いペッパーとして1493年にスペインに伝えた。

その後イギリス、フランスへと伝わり、16世紀の中頃には、ポルトガル人やスペイン人によって、インドや東南アジアに伝わり、広く世界中に普及した。

とりわけインドでの普及が盛んであったため、トウガラシの原産地が、インドと考えられた時代もあった。

日本へは中国大陸から朝鮮半島経由で渡来した説と、ヨーロッパ人の手で渡来したという説がある。

江戸中期の宝暦(1751~1763年)、安永(1772~1780年)の頃になると、トウガラシは全国に広まり、各地に異名が生じている。

トウガラシの辛味成分は、カプサイシンという単一のアルカロイドとされてきた。

その後の研究によって、カプサイシンといわれてきた辛味成分は、数種の近縁化合物の混合体であることが判明した。

この中で、もっとも含有量の多いものがカプサイシンで、60%前後、次いでデハイドロカプサイシンの20数%で、この2種で約80%を占めて、辛味の主要成分となっている。

【薬効と用い方】
・皮膚刺激薬として神経痛に用いる
トウガラシを刻み、その全量の約4倍の35度ホワイトリカーを加え、20~30日ほど冷暗所においたのち、布でこしてトウガラシチンキを作り、痛む部分に塗る。

・健胃に用いる
上記のチンキをコップ1杯の水に数滴注いで、食前に服用する。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 トウガラシ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 625.
  • 草川俊 1992 トウガラシ, 草川俊(著) 野菜・山菜博物事典. 東京堂出版. 195-198.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

形態

葉の形質

葉身は互生する長柄につく。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ヤツブサ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 174.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

茎(幹)の形質

茎は盛んに枝分かれする。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ヤツブサ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 174.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

花の形質

葉腋から下向きにのびた柄の先に1個つき、赤く熟すが、黄熟するもの、黒紫色に熟すものがある。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ヤツブサ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 174.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

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