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ノアザミ(Cirsium japonicum)の分類 キク科(Asteraceae)
ノアザミ(Cirsium japonicum)の概要 Cirsium

ノアザミ(Cirsium japonicum)

【 学名 】
Cirsium japonicum Fisch. ex DC.

基本情報

草丈・樹高

1 m内外

参考文献

  • 山田卓三 1992 ノアザミ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 17.

最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン

花期

初夏~夏

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ノアザミ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 63.

最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン

和名の解説

『新撰字鏡』に「阿佐弥」、『和名抄』(932)に「葉には刺多し。阿佐美」と出ている。

『大言海』の大槻文彦は葉にはとげが多く、うっかりこれにふれると痛い目に合う、あざむかれる、これから来ているのではないかとの仮説をあげている。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 ノアザミ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 692.

最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン

別名・方言名

方言名:イガクサ、イラクサ(葉に刺があって触ると痛いことから)マユツクリバナ、マコハケ(頭花の形が化粧用の眉刷毛に似ていることから)、オシロイバナ、アザメ、ウマノボタモチ、キツネノオシロイバナ、チチクサ、イラアザミ、ヤマゴボウ、ノミトリバナなど

参考文献

  • 山田卓三 1992 ノアザミ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 17.

最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン

分類学的位置付け

キク科

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ノアザミ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 63.

最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン

人間との関係

江戸時代には本種の園芸品種もつくられ、花の白い「ふじの雪」、花の色が紅い「紅草」のほか、「あけぼの」、「うすずみ」「くろべに」など数種の品種が記載されている「花壇地錦抄」(寛永7年版)に5種、「本草図説」(文政11年版)には6種類紹介されている。

またドイツアザミ、ハナアザミといって花屋で売っているアザミも本種の園芸種である。

本種をはじめアザミの仲間は山菜、飼料、民間薬など用途は広い。アザミ類の花の中にはゴボウゾウムシ属のものが卵を産みつけることが多く、その幼虫はオイカワなど川魚を釣るときのよい餌となる。

アザミは、若葉を生のまま天ぷらにして食べる。葉のふちの刺が荒々しく剛直な時には、はさみで刺と切り落として使う。こうすると、7月~8月頃まで、茎の上方につく葉を揚げて、美味しく食べられる。

頭花を摘み集めて、総苞つきのまま3~4倍量のジン、ホワイトリカーなどに漬けると、3~4ヵ月で、すこし辛い黄褐色のリキュールが爽やかに仕上がる。容器の底に沈んでいる頭花は、飲み始める頃に引き上げる。これらはノアザミだけでなく、アザミ類全てに共通する食べ方でもある。

【成分】
まだよく研究されていないが、クロロゲン酸を含むとされている。これはコーヒー豆中のカフェインと結合して存在することは古くから知られている。

【薬効と用い方】
利尿、神経痛、はれもの、健胃薬に用いられる。利尿、神経痛には1回に乾燥した根 2~4 gを煎じて、1日3回服用する。

はれものには生の根をすりつぶして、患部に直接はる。健胃薬には、1日量として乾燥した根 15 gを煎じ、3回に分けて毎食前30分に服用する。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 ノアザミ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 692.
  • 山田卓三 1992 ノアザミ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 17.

最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン

形態

葉の形質

根生葉はややロゼット状にひろがり、花の咲く頃も枯れずに残る。形は倒卵状長楕円形で羽状に中裂し、裂片は5~6対あり、へりには刺がある。そして葉の下面の脈上と上面には毛が生えている。

茎につく葉は互生し、やはりへりには刺がある。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ノアザミ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 63.

最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン

茎(幹)の形質

茎は高く伸び 60~100 cmほどになるが、たくさん低木や草の茂っているところでは、2 mを超すものがあり、上の方で枝をわかつ。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ノアザミ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 63.

最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン

花の形質

分かれた枝頂に1個ずつ、上向きに開き、紅紫色である。ただし時折、紅色の強いものや白色のものもある。

1頭花の径は開花時 3~5 cmほどあり、管状花の集まりである。総包はほぼ球状で毛があり、触ると粘りがあり、包片の先は針のようにとがる。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ノアザミ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 63.

最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン

生態

生育環境

丘陵・低い山のすそ・野原、田畑の畔や土手などの日当たりのよいやや湿地に生息する。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 ノアザミ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 63.
  • 山田卓三 1992 ノアザミ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 17.

最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン

種・分類一覧