- 解説一覧
- セイヨウタンポポ(Taraxacum officinale)について
セイヨウタンポポ(Taraxacum officinale)
- 【 学名 】
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Taraxacum officinale Weber ex Wigg.
基本情報
- 分布
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日本のほか、世界各地に分布する。
参考文献
- 伊澤一男 1998 セイヨウタンポポ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 682-683.
最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン
- 和名の解説
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ヨーロッパ原産で、わが国に帰化した植物であることから、セイヨウ(西洋)タンポポの名がついた。
参考文献
- 伊澤一男 1998 セイヨウタンポポ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 682-683.
最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン
- 人間との関係
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明治37年頃、北海道で蔬菜用に栽培された記録があり、のち広く北海道に繁殖する。これとは別のルートで太平洋戦争後、本州南部に帰化植物として上陸し、各地に広まった。
現在では身近な野草として教材に用いられたり、詩歌などにも多く詠まれている。
【成分】
カロテノイドのフラボキサンチン、セスキテルペノイドのジハイドロタラキシンなどを含む。
【薬効と用い方】
・健胃に用いる
根の乾燥したものを1日量として 5~10 gを水 400~600 ㏄で煎じ、3回に分けて服用する。食前約30分に服用。服用の都度温める。苦味質により食欲が出るようになり、胃痛も軽くなる。
・乳ばれに用いる
刻んで乾燥した根1日量として 5~10 gに、金銀花(スイカズラ科のスイカズラのつぼみを乾燥したもの)約 3~5 gを加え、水 400~600 ㏄で煎じ、3回に分け服用する。服用の都度温める。
・催乳に用いる
母乳の出をよくするのに、乾燥した根を煎じ、茶こしでこして、温かいうちにお茶代わりに服用する。1日量 5~15 gを用いる。
・血清肝炎(B型肝炎)に用いる
黄疸症状が現れるようになると、体がだるくなり、皮膚が黄色に、白目が黄色くなる。このようなときに、刻んだ根の乾燥したもの 10~20 gを水 400~600 ㏄で煎じ、これを1日量として3回に分けて服用する。
・いぼとりに用いる
花茎や根を折ると白い汁が出るが、この汁を直接患部に塗る。1日何回か繰り返す。
・鎮咳や去痰に用いる
花、葉、根を含めた全草を採取し、刻んで水洗いののちよく日干しにする。これを1日量 10~20 gに水 400~600 ㏄を加えて煎じ、1日3回服用。服用の都度温める。
・解熱に用いる
風邪などで発熱した際、乾燥した花を適量茶こしに入れ、熱湯を注いでお茶代わりに飲む。
・切り傷に用いる
生の葉をもんで出た汁を患部に塗る。
・強壮に用いる
全草のエキスを還少丹という。毎日少量を服用すると、筋骨を強くし、老化防止薬となる。今日では市販品がないため、自家製のタンポポエキスを作るより方法はない。あるいは、乾燥した全草 10~20 gを水 400~600 ㏄で煎じ、これを1日量として3回に服用してもよい。服用の都度温める。
・コーヒーの代用に用いる
根を掘り取り、洗って刻み、フライパンで気長にいると、味がコーヒーに似る。カフェインを含まないため、鎮静、催眠作用がある。ヨーロッパで普及している。
参考文献
- 伊澤一男 1998 セイヨウタンポポ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 682-683.
- 山田卓三 1992 セイヨウタンポポ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 4.
最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
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タンポポに比べ、葉は狭楕円状で、下の方は細くなり、へりはやや逆行する羽深裂から全縁のものなど変化に富む。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 セイヨウタンポポ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 70.
最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン
- 茎(幹)の形質
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花茎はほぼ直立に伸びる。
参考文献
- 伊澤一男 1998 セイヨウタンポポ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 682-683.
最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン
- 花の形質
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花茎の先端に1個の径 4~5 cmの頭花をつける。頭花は黄色舌状化の集まりであるが、タンポポより幾分大きく、冠毛は白色絹状で、まるく集合する。
総苞は長さ 2 cm、総苞外片はつぼみのときから下向きになって、上向きにならないのが特徴である。
花は舌状花のみで、単為生殖により多数の種子ができるため大繁殖する。日中開く。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 セイヨウタンポポ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 70.
- 伊澤一男 1998 セイヨウタンポポ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 682-683.
最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン
- 似ている種 (間違えやすい種)
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カントウタンポポ、エゾタンポポが似ている。花のとき、総苞外片が外側に反り返るのがセイヨウタンポポであり、カントウタンポポ、エゾタンポポは反り返らない。
参考文献
- 伊澤一男 1998 セイヨウタンポポ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 682-683.
最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン
生態
- 生育環境
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道端や荒れ地、日当たりのよい平地に生える。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 セイヨウタンポポ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 70.
- 山田卓三 1992 セイヨウタンポポ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 4.
最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン
- その他生態
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在来種は春にしか咲かないが、セイヨウタンポポは春ばかりでなく、一年中咲いている。3倍体で無配生殖するため、花粉を運ぶ昆虫がいなくても結実する。
また在来種は夏に葉が枯れるが、セイヨウタンポポは一年中葉がある。
さらに在来種は弱酸性の土壌で有機物の多い、湿り気がある土地に生えるが、弱アルカリ性の土壌で有機物の少ない、やや乾燥した土地や造成地などの裸地にも生える
参考文献
- 山田卓三 1992 セイヨウタンポポ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 4.
最終更新日:2020-05-27 ハリリセンボン