- 解説一覧
- ツワブキ(Farfugium japonicum)について
基本情報
- 花期
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ほぼ10月。青森などの東北地方では春に咲くが、暖地では秋に、ほかの植物が枯れる晩秋に咲く。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ツワブキ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 66.
- 山田卓三 1992 ツワブキ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 43.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
- 和名の解説
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語源は葉に光沢があるので艶葉蕗。または厚葉蕗の「あ」が省略されたものであると言われている。
参考文献
- 山田卓三 1992 ツワブキ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 43.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
- 亜種・変種・品種
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全部が舌状花からなる八重ツワブキ、葉に白い斑がある白覆輪、黄色い斑のあるキモン(黄紋)ツワブキ、ボタン(牡丹)ツワブキなどがある。
参考文献
- 山田卓三 1992 ツワブキ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 43.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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方言名:オカバス、イシブキ、イワブキ、オバコ、ツワ、スイダシブキ
参考文献
- 山田卓三 1992 ツワブキ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 43.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
- 人間との関係
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ツワブキの古名は豆和、都波、通和である。この名で思い出されるのは、明治の文豪森鴎外の故郷、島根県の津和市である。
以前は「野之郷」と呼ばれていたが、1294年二本松城を築いたのを機会に、豆和の自生が多い所から津和野と改名されたことが伝えられている。古くは「出雲風土記」にも「都和」の名が見える。
古くから観葉植物として園芸種も多く、公園や庭などにも栽培されている。また観賞植物としての歴史も古く、多くの品種がある。
食べる場合には、春早く、多くの地方では3月~4月頃、若葉を内側に巻き込んで伸びてくる葉柄を摘み取る。
若くて小さい葉は千切り取って、そのまま天ぷらにする。葉柄は塩を入れた熱湯でよく茹で、冷水にとって冷まし皮を剥く。辛子マヨネーズ、ゴマみそ和えなどによい。細かく刻みだし汁、砂糖、醤油、みりんで甘口に仕立て、きゃらぶき(伽羅蕗)風の煮物も作れる。
10~11月頃の頭花とつぼみを天ぷらにする。花とつぼみは2~3倍量のジン、ライム、ラム、ホワイト・リカーなどに漬けると、7日~10日で飲めるようになり、2ヵ月くらいでやや赤っぽい黄色、苦味と香りの爽やかなリキュールに仕上がる。
ハート形の葉、長い葉柄、若い葉柄を食用にすることなご、その名の通りツワブキはフキによく似ている。
【成分】
葉に含まれているヘキセナールには、強い抗菌作用がある。
【薬効と用い方】
・打撲、おできなどの腫れ物、切り傷に用いる。
葉を綺麗なフライパンにのせて火にあぶり、柔らかくなったら千切って患部に貼る。青汁が出るほど手でもんでつけてもよい。
・健胃、食あたり、下痢に用いる。
乾燥した根茎 10~20 gを、400 ㏄の水で約3分の1量に煎じて飲む。
・魚の中毒に用いる。
乾燥した根茎(槖吾)10~20 gを、400 ㏄の水で煎じて服用する。また葉の青汁を飲んでも効果がある。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ツワブキ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 701.
- 山田卓三 1992 ツワブキ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 43.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
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根茎から伸びだす若葉は、はじめ灰褐色の綿毛におおわれ、葉柄が伸びるにつれ無毛となりフキによく似た円腎形で厚く、つやがあり、縁は濃く、へりは浅く波状に切れ込む。生長とともになくなる。
葉には光沢があり、これは葉の表面に分泌されたワックスのためで、葉の裏面や葉柄の灰褐色の毛とともに潮風や乾燥に耐えるのに役立っている。葉柄は太くて長い。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ツワブキ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 66.
- 山田卓三 1992 ツワブキ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 43.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
- 茎(幹)の形質
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根茎は太く、そこから早春葉が束になって何枚か出る。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ツワブキ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 66.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
- 花の形質
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葉間から、葉よりも長くのびた花茎の先に散房状につき、鮮黄色をしている。1頭花は径約 5 cmで、周りに雌性の舌状花が1列に並び、中心に両性の管状花が集合し、いずれも結実する。冠毛は汚灰褐色である。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 ツワブキ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 66.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン
生態
関連情報
- 栽培方法
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栽培は容易で秋に株分けして増やす。
参考文献
- 山田卓三 1992 ツワブキ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 43.
最終更新日:2020-05-26 ハリリセンボン