セリ(Oenanthe javanica)の解説トップに戻る
セリ(Oenanthe javanica)の分類 Apiaceae
セリ(Oenanthe javanica)の概要 Oenanthe

セリ(Oenanthe javanica)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Oenanthe javanica (Bl.) DC.

基本情報

草丈・樹高

高さ 20~50 cm

参考文献

  • 岡崎純子 1997 セリ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 105₋107.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

花期

7月~8月

参考文献

  • 岡崎純子 1997 セリ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 105₋107.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

分布

日本全土から千島、サハリン、朝鮮半島、中国大陸、台湾、マレーシア、インド、オーストラリアに広く分布している。

参考文献

  • 岡崎純子 1997 セリ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 105₋107.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

学名の解説

属名 Oenanthe は、ギリシャ語の「oinos(酒)」と「anthe(花)」に由来する。

参考文献

  • 岡崎純子 1997 セリ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 105₋107.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

和名の解説

「セリ」の名は、若苗が競り合って生えることからきている。

参考文献

  • 山田卓三 1992 セリ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 187.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

別名・方言名

別名:カワゼリ、ミズゼリ、ミズナ、タゼリ、ネゼリ、ネシログサ、ツミマシグサ、ツカツミ

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 セリ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 142.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

分類学的位置付け

せり科

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 セリ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 142.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

人間との関係

『万葉集』にも歌われたセリは、その香りが好まれ、日本で古くから利用されてきた植物である。

平安時代の宮中行事の摘み草に由来する春の七草の1つで、『延喜式』(927)にも記録が見られる。

中国や東南アジアでも野菜として栽培・利用されている。とくに中国での栽培は古く、夏・殷・周の3王朝(前2183頃~前771年)以来とされてる。

また中国では薬用として、黄疸、風熱、リンパ腺結核に利用する。

料理では、セリは茹でて浸し物や和え物、なべ物、汁の実などに用いられるが、煮すぎるとアクが強いためか味が落ちる。

鴨の味とセリがよく調和するので、鴨芹なべ焼きが有名で、「なべ焼の鴨と芹とは二世の縁」という江戸川柳もある。これは鴨と芹とは、生前水辺でともに暮らしていた仲であったが、いまはこうして一つの鍋という意味である。

日本での栽培の歴史も古いが、他の野菜に比べ品種は多くない。栽培には畑ゼリ栽培もあるが、ほとんどは田ゼリ栽培である。

田ゼリ栽培は、秋に親株から刈り取ったストロンを本田に定植して行う。冬季には、防寒と軟化を兼ねて、水深を深くしていく。これは茎が長く白いものが好まれるためでもある。

また、白色、桃色の斑入りの(五色葉ゼリ)が観賞用に栽培される。

【成分】
精油分を含むが、特殊芳香成分は精査されていない。ビタミンB1、Cを含み、その他のものとしては、クエルセチンが知られている。

【薬効と用い方】
・神経痛、リウマチに用いる
さっと茹で、浸し物にして食べるのがよい。

・小児の解熱に用いる
生のしぼり汁 2~4 ㏄ぐらいを、1回に飲ませるとよい。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 セリ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 495.
  • 岡崎純子 1997 セリ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 105₋107.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

形態

葉の形質

根生葉には長柄があり、もとのほうは鞘、茎葉の柄は上のものほど短い。

2回羽状裂の複葉で、全体はほぼ三角、小葉は卵形、へりは切れ込み、質は柔らかい。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 セリ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 142.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

茎(幹)の形質

ほふく枝が競り合うように伸び、節からは白い髭根をだし、秋にこの節々から新しい苗が芽生え、あお葉のまま冬を越す。

茎は紫褐色をしており、香りがよい。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 セリ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 142.
  • 山田卓三 1992 セリ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 187.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

花の形質

花茎がのび、複散形状につき、ふつう純白色であるが、ときに淡桃色となる。

花弁は5で内側に曲がり、雄しべ5、下位子房1である。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 セリ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 142.
  • 岡崎純子 1997 セリ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 105₋107.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

果実の形質

果実は楕円形で分果のへりは隆起しコルク質化する。分果は合生面で密着し、がく歯は宿存する。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 セリ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 142.
  • 岡崎純子 1997 セリ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 105₋107.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

生態

生育環境

田の畔や小川のほとりなど、水・湿地で日のよく当たる場所に生える。

参考文献

  • 伊沢凡人 1980 セリ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 142.
  • 岡崎純子 1997 セリ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 105₋107.

最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン

種・分類一覧