- 解説一覧
- ミツバ(Cryptotaenia japonica)について
基本情報
- 草丈・樹高
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高さ 30~90 cm
参考文献
- 近藤健児 1997 ミツバ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 104₋105.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 分布
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南サハリンから日本全土、朝鮮半島、中国、台湾、南千島に分布する。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ミツバ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 507₋508.
- 近藤健児 1997 ミツバ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 104₋105.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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別名:ミツバゼリ
方言名:カキノキミツバ、ヒミバ、ミズバ、ミチバ、ミチパンジェリ、ミツッパ、ミッバセ、ミツバセイ
参考文献
- 山田卓三 1992 ミツバ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 188.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 分類学的位置付け
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セリ科
参考文献
- 伊澤一男 1998 ミツバ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 507₋508.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 人間との関係
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古くは野生のミツバを採取し、山菜として利用してきたが、元禄9年刊行の『農業全書』がわが国で初めてミツバの栽培を奨励し、「うえたものの方がさらによし」と記した。
その結果、江戸の葛飾でミツバの栽培が行われるようになり、のちにはこの地方で軟化栽培に発展していった。
近年、栽培法が進歩していた記録があり、一般には、浸し物、なます、魚島の汁煮物に加えていた。
『大和本草』(1708)には、わが国では、古くはミツバを食べることを知らず、食べるようになったのは近年だとしているが、『農業全書』のことも考えると、おそらく江戸時代になってからだと推察できる。
わが国の主要な栽培植物はほとんどが中国、東南アジアおよび新大陸から渡来して来たものである。
我が国原産の植物が栽培植物として開発されたものは極めて少ない。
切りミツバは、溝や穴ぐらで軟化して、葉柄を切って出荷し、根ミツバは土寄せして軟化したものを根をつけたまま出荷する。
現在では、水耕プラント利用による栽培も行われている。販売されたものを買ったときは、茎葉を食べた後、残った根を植えておくと再生する。
畑がないときには、コップに小石かビー玉などと水を入れ、その中につけておくと根がはり、やがて次々に葉が展開してくるため、椀だね程度には十分利用でき、またキッチンのグリーンインテリアとしても楽しめる。
中国では茎や葉を薬用にし、消炎、解毒、歯痛、虫刺されなどに利用している。
また、茶碗蒸し、吸い物、卵とじ、巻きずしの具など、さまざまな料理に色と香りを添える。
野生のものの方が香りも高く、歯ざわりも良い。野生のものを食用とする場合は、3月~12月頃、若い葉や茎を摘む。
野生のミツバは、栽培品の切りミツバに比べて、葉柄はごく短く、なかには小葉の分裂する型(ウシミツバ)もあり、山地の林内や谷間などにミツバが生えていても、気づかないこともある。
摘み取った野生のミツバは、天ぷらにすると野生の香りと歯ごたえがよく、かたさもあまり感じない。夏の花も香りがあり、即席の塩漬けなどにして食べることができる。
酒に浸して、痰をとるのに用いたり、小児の夜泣きに葉汁を飲ませたり、二日酔いに生ミツバを酢味噌で食べると良いという民間療法が古くから行われてきた。
またミツバは、キアゲハ幼虫の食草である。
【成分】
特有の芳香は精油中に、クリプトテーネンと、ミツバエンという物質があるからである。
【薬効と用い方】
・腫れ物に用いる
生の葉のみを集め、塩少々を加えてもみ、もんだ葉を患部に貼る。
・消炎解毒(腫れ物など)、血行促進に用いる
1日量として乾燥した全草 10~15 gを水 300~400 ㏄から3分の1量に煎じ、3回に分服する。
参考文献
- 伊澤一男 1998 ミツバ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 507₋508.
- 山田卓三 1992 ミツバ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 188.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
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葉は3出複葉。根元から出る根生葉は柄が長く、上部の茎につくものは葉柄が短い。
葉は3枚の小葉からなっていて、無柄で卵形、重鋸歯があり、先はやや尖る。
独特の強い芳香がある。小葉が裂けているものをウシミツバという。
参考文献
- 近藤健児 1997 ミツバ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 104₋105.
- 山田卓三 1992 ミツバ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 188.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 花の形質
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花柄や小花柄の長さは不規則で、複散形花序がやや円錐状につく。小散形花序には2~5個の花がつき、がく歯は目立たない。
花弁は白色、楕円状卵形で、先は内側に曲がる。
参考文献
- 近藤健児 1997 ミツバ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 104₋105.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 果実の形質
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果実は長楕円形で無毛、2個の種子を含む。隆条は低く、油管の数は多い。
参考文献
- 近藤健児 1997 ミツバ, 八尋洲東(編) 植物の世界3,種子植物 双子葉類3. 朝日新聞社. 104₋105.
- 山田卓三 1992 ミツバ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 188.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン