- 解説一覧
- アシタバ(Angelica keiskei)について

目次
基本情報
- 草丈・樹高
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高さ 50~120 cm
参考文献
- 北川正夫 1982 アシタバ, 佐竹義輔、大井次三郎、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類. 平凡社. 287.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 花期
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8月~10月
参考文献
- 北川正夫 1982 アシタバ, 佐竹義輔、大井次三郎、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類. 平凡社. 287.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 分布
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本州(関東地方南部・東海地方・紀伊半島)・伊豆七島・小笠原に分布する。
参考文献
- 北川正夫 1982 アシタバ, 佐竹義輔、大井次三郎、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類. 平凡社. 287.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 和名の解説
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朝餉のおかずに葉を摘んだのに、翌朝、同じ場所からもう新しい葉が伸びていたので、アシタバ(明日葉)の名がついたという。
しかし、実際には今日若芽を摘んで、明日また摘める葉が出る訳ではない。そのように例えられるほど、生命力が強いことを意味する名である。
参考文献
- 伊澤一男 1998 アシタバ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 502.
- 山田卓三 1992 アシタバ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 184.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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別名:ハチジョウソウ
方言名:アイタバ、アイタボ、アシタボ、アンタブ、アシタッパ、トウダイボウフウ、ヤタバ
参考文献
- 山田卓三 1992 アシタバ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 184.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 人間との関係
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貝原益軒の『大和本草』には「鹹草(アシタ)」という名で、「アシタト云草、八丈ガ島ノ民多クウヘテ朝夕ノ糧ニ充ツル、彼島米穀ナキ故也」と記し、江戸でもこの草が植えられている、と紹介している。
昔、伊豆八島の島民が、蔬菜として利用したのが始まりという。
春先の若葉をとって、ゆでて浸し物や、ゴマ、味噌などであえて食べる。特有の香りがあり、少々苦味が残るが、これがまたアシタバ本来の味として喜ばれる。
最近の山菜書に、アシタバを朝夕に食べている八丈島の島民に、高血圧症が少ないことが報告されていた。健康増進薬草として庭に植えている人も多い。
葉と葉柄を山菜として利用する。たくさん採れたときには佃煮にしておくと保存がきく。
また山菜として種苗店でも売られている。早春は若芽、春から初冬までは若葉を葉柄ごと刈り取れる。
太い葉柄には包丁をいれて火の通りをよくし、ひとつまみの塩をいれた熱湯でゆで冷水にとり、胡麻和え、マヨネーズ、バター炒めなどにする。生のまま揚げ物、鍋物にしてもよい。
また新鮮な葉を摘み取り、リキュールを作る。砂、土、ほこりを洗い流し、水気をきり、容器に入る大きさに刻み、3~4時間乾かしてホワイトリカー、ウォッカなどに漬ける。
2~3ヵ月で、淡黄色から輝きのある濃黄色に色づき、爽やかな苦味をもつ中辛に仕上げる。葉は、アルコールが黄色に染まった頃、遅くとも2ヵ月以内に引き上げる。
傘状に広がった若いつぼみの集まりをハーブ焼きにしたり、リキュールの材料にする。
【成分】
茎葉にイソクエルチトリン、ルテオリンなどの配糖体が、根にはアンゲリカ酸、ベルガプテンなどを含む。
このうち黄色い汁の主要成分がイソクエルチトリンで、利尿、緩下、毛細血管強化などの作用がある。
【薬効と用い方】
・高血圧症の予防に用いる
乾燥葉に熱湯を注ぐか、土びんで煎じてお茶がわりに飲む。1日量 20~30 gである。
また青い葉をジューサーなどにかけて青汁を作り、1日 100 ㏄を限度に飲んでもよい。
参考文献
- 伊澤一男 1998 アシタバ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 502.
- 山田卓三 1992 アシタバ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 184.
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形態
- 葉の形質
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葉は1~2回、3出羽状複葉をなし、小葉は広卵形で、粗い鋸歯がある。
葉柄の下部または全部が淡色で、袋状に膨らむ。茎や葉に濃い黄色の汁液を含む。
参考文献
- 北川正夫 1982 アシタバ, 佐竹義輔、大井次三郎、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類. 平凡社. 287.
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- 茎(幹)の形質
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茎は太くて、上部はよく枝をわけ、高さ 50~120 cmになる。
参考文献
- 北川正夫 1982 アシタバ, 佐竹義輔、大井次三郎、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類. 平凡社. 287.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 花の形質
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淡黄色の花をつけ、がく歯片はない。
参考文献
- 北川正夫 1982 アシタバ, 佐竹義輔、大井次三郎、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類. 平凡社. 287.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 果実の形質
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果実は長楕円形、分果の両翼はそれほど広くない。
参考文献
- 北川正夫 1982 アシタバ, 佐竹義輔、大井次三郎、北村四郎 、亘理俊次 、冨成忠夫(編) 日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類. 平凡社. 287.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
- 似ている種 (間違えやすい種)
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・ハマウド
花は白で、葉には光沢があるが、アシタバの花は淡黄色で、葉に光沢はない。
またアシタバは茎や葉を切ると、濃い黄色の汁を出すが、ハマウドはその色が薄い。
参考文献
- 伊澤一男 1998 アシタバ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 502.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン
生態
関連情報
- 栽培方法
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【採取時期と調整法】
春から秋にかけて、なるべく若い芽か若葉だけを採取する。
さっと水洗いして水を切り、手で細かく千切ったあと、陰干しにしてよく乾燥させ、茶筒に蓄えておく。
参考文献
- 伊澤一男 1998 アシタバ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 502.
最終更新日:2020-05-20 ハリリセンボン