- 解説一覧
- タンポポ属(Taraxacum)について
基本情報
- 草丈・樹高
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周りの草丈が高いと、1 mを超えることもある。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 タンポポ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 71.
- 北村四郎 1982 タンポポ属, 北村四郎(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎、亘理俊次、冨成忠夫 (編) 日本の野生植物 草本Ⅲ 離弁花類. 平凡社. 232.
最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン
- 花期
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春~秋
参考文献
- 伊沢凡人 1980 タンポポ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 71.
- 北村四郎 1982 タンポポ属, 北村四郎(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎、亘理俊次、冨成忠夫 (編) 日本の野生植物 草本Ⅲ 離弁花類. 平凡社. 232.
最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン
- 分布
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主として北半球の寒帯~温帯に多く、暖帯にも分布する。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 タンポポ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 71.
- 北村四郎 1982 タンポポ属, 北村四郎(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎、亘理俊次、冨成忠夫 (編) 日本の野生植物 草本Ⅲ 離弁花類. 平凡社. 232.
最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン
- 和名の解説
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タンポポという名には異国語の響きがあるが、れっきとした日本語である。
語源には諸説あり、民俗学者の柳田国男は『野草雑記』(1940)において、「タン」は鼓の音、「ポポ」はその共鳴で、もともと鼓をさす幼児語であったと述べている。花の形が鼓に似ていることから転用されたものらしい。
参考文献
- 森田竜義 1997 タンポポ, 八尋洲東(編) 植物の世界1,種子植物 双子葉類1. 朝日新聞社. 202₋206.
最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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別名:アズマタンポポ、カントウタンポポ
参考文献
- 伊沢凡人 1980 タンポポ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 71.
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- 分類学的位置付け
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キク科
参考文献
- 伊澤一男 1998 カントウタンポポ, シロバナタンポポ, セイヨウタンポポ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 682₋683.
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- 人間との関係
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【成分】
トリテルペノイドのタラルペノール、タラルペノールアセテイントなどのほか、苦味質タラクサシン、ステロイドのタラクサステロールなどを含む。ほかにタンニンも含む。
【薬効と用い方】
・健胃に用いる
根の乾燥したものを1日量として 5~10 gを水 400~600 ㏄で煎じ、3回に分けて服用する。食前約30分に服用。服用の都度温める。苦味質により食欲が出るようになり、胃痛も軽くなる。
・乳ばれに用いる
刻んで乾燥した根1日量として 5~10 gに、金銀花(スイカズラ科のスイカズラのつぼみを乾燥したもの)約 3~5 gを加え、水 400~600 ㏄で煎じ、3回に分け服用する。服用の都度温める。
・催乳に用いる
母乳の出をよくするのに、乾燥した根を煎じ、茶こしでこして、温かいうちにお茶代わりに服用する。1日量 5~15 gを用いる。
・血清肝炎(B型肝炎)に用いる
黄疸症状が現れるようになると、体がだるくなり、皮膚が黄色に、白目が黄色くなる。このようなときに、刻んだ根の乾燥したもの 10~20 gを水 400~600 ㏄で煎じ、これを1日量として3回に分けて服用する。
・いぼとりに用いる
花茎や根を折ると白い汁が出るが、この汁を直接患部に塗る。1日何回か繰り返す。
・鎮咳や去痰に用いる
花、葉、根を含めた全草を採取し、刻んで水洗いしたのちよく日干しにする。これを1日量 10~20 gに水 400~600 ㏄を加えて煎じ、1日3回服用。服用の都度温める。
・解熱に用いる
風邪などで発熱した際、乾燥した花を適量茶こしに入れ、熱湯を注いでお茶代わりに飲む。
・切り傷に用いる
生の葉をもんで出た汁を患部に塗る。
・強壮に用いる
全草のエキスを還少丹という。毎日少量を服用すると、筋骨を強くし、老化防止薬となる。今日では市販品がないため、自家製のタンポポエキスを作るより方法はない。あるいは、乾燥した全草 10~20 gを水 400~600 ㏄で煎じ、これを1日量として3回に服用してもよい。服用の都度温める。
・コーヒーの代用に用いる
根を掘り取り、洗って刻み、フライパンで気長にいると、味がコーヒーに似る。カフェインを含まないため、鎮静、催眠作用がある。ヨーロッパで普及している。
ヨーロッパや中国では、昔から根を苦味健胃薬、強壮薬に用いていた。
食用としては、葉をサラダとして食べる。
参考文献
- 伊澤一男 1998 カントウタンポポ, シロバナタンポポ, セイヨウタンポポ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 682₋683.
- 北村四郎 1982 タンポポ属, 北村四郎(著) 佐竹義輔、大井次三郎 、北村四郎、亘理俊次、冨成忠夫 (編) 日本の野生植物 草本Ⅲ 離弁花類. 平凡社. 232.
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形態
- 茎(幹)の形質
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茎は根際の 1 cmほどの部分だけで、土がかぶさったりしない限りは伸びない。
花茎はストローのように中空で、葉がつかない。開花期には直立しているが、咲き終わると倒れ、かま首を持ち上げたヘビような形で、種子が成熟中の頭花を地面すれすれの位置に保って、折れるのを防ぐ。
花茎は種子が熟すと再び立ち上がり、最大限に伸びて冠毛がよく発達したパラシュート形の痩果を風にさらす。
参考文献
- 森田竜義 1997 タンポポ, 八尋洲東(編) 植物の世界1,種子植物 双子葉類1. 朝日新聞社. 202₋206.
最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン
- 花の形質
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花茎の頂にそれぞれ1頭花がつき、1頭花の径は 3.5~4 cmほどある。日中開く。
舌状花は先に5歯があり、黄色または白色、ときに裏面に淡紫黒色の条がある。外側の包片は緑色で外側へ反り返らず、花後、冠毛は球状に集合し、灰白色である。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 タンポポ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 71.
- 森田竜義 1997 タンポポ, 八尋洲東(編) 植物の世界1,種子植物 双子葉類1. 朝日新聞社. 202₋206.
最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン
- 果実の形質
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そう果は狭い倒卵形ですこし扁平、下部はしだいに狭くなり、上部は小さいこぶ状の刺がある。
上端は小さい三角錐となり、その先に細長い嘴がつき、嘴の頂に冠毛をのせる。冠毛の毛は多数あって、細くて白い。
参考文献
- 森田竜義 1997 タンポポ, 八尋洲東(編) 植物の世界1,種子植物 双子葉類1. 朝日新聞社. 202₋206.
最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン
生態
- 生育環境
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日本産のタンポポの多くは、田の周辺や道端など、定期的に草が刈り取られる草地に生育する。
参考文献
- 森田竜義 1997 タンポポ, 八尋洲東(編) 植物の世界1,種子植物 双子葉類1. 朝日新聞社. 202₋206.
最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン
- ライフサイクル
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タンポポ属の植物は多年草で、一生をロゼットと呼ばれる形で生活する。羽状に切れ込んだ葉が地面に放射状に展開し、バラ模様のように見える。
光の条件がよい秋から春にかけて生育し、ほかの草に覆われる夏は葉を枯らして休眠する。
参考文献
- 森田竜義 1997 タンポポ, 八尋洲東(編) 植物の世界1,種子植物 双子葉類1. 朝日新聞社. 202₋206.
最終更新日:2020-05-19 ハリリセンボン