- 解説一覧
- サイカチ(Gleditsia japonica)について
サイカチ(Gleditsia japonica)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Gleditsia japonica Miq.
目次
基本情報
- 草丈・樹高
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高さ 20 m、直径 1 m以上に達する。
参考文献
- 大橋広好 1997 サイカチ, 八尋洲東(編) 植物の世界5,種子植物 双子葉類5. 朝日新聞社. 45.
最終更新日:2020-05-29 ハリリセンボン
- 分布
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本州中南部、四国、九州、朝鮮半島と中国にも分布する。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 サイカチ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 225.
- 大橋広好 1997 サイカチ, 八尋洲東(編) 植物の世界5,種子植物 双子葉類5. 朝日新聞社. 45.
最終更新日:2020-05-29 ハリリセンボン
- 和名の解説
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古名の西海子からサイカチの名が由来している。
参考文献
- 伊澤一男 1998 サイカチ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 341-342.
最終更新日:2020-05-29 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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別名:サイカシ(西海子)、サイカイジュ(西海樹)、カワラフジノキ(川原藤ノ木)
参考文献
- 伊沢凡人 1980 サイカチ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 225.
最終更新日:2020-05-29 ハリリセンボン
- 人間との関係
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一般に生薬名、漢名に皀莢(そうきょう)をあてるが、これは別種の中国産トウサイカチで、サイカチの生薬名を皀莢にするのは不適当である。しかし、慣用名になっているため、このまま生薬名にしている。
古くは『本草和名』(918)、『和名抄』(932)によると、皀莢に加波良布知をあてていたが、サイカチの和名は出ていない。
豆果のさやは薬用のほか、石鹸の代用となり、とげも薬用になる。木材は建築、家具などに使われる。
【成分】
さや、種子にはグレデシア・サポニンを20%含む。とげはフェノール性物質やアミノ酸を含み、サポニンは含んでいない。
【薬効と用い方】
・去痰に用いる
皀莢 1~1.5 gを、水 300 ㏄で半量に煎じ、1回分として服用する。
・はれものに用いる
皀角刺(そうかくし)ならば 3~10 g、皀角子(そうかくし)ならば 4.5~9 gを同じように1日量とし、水 400 ㏄から3分の1量に煎じて内服する。
参考文献
- 伊澤一男 1998 サイカチ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 341-342.
- 大橋広好 1997 サイカチ, 八尋洲東(編) 植物の世界5,種子植物 双子葉類5. 朝日新聞社. 45.
最終更新日:2020-05-29 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
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若枝の葉柄の上部にも太くて鋭い刺が散生している。短枝や古枝の葉は短柄につき互生、偶数羽状複葉、若枝は2回羽状複葉である。
小葉は短毛の生えた葉軸に羽状にならび、長楕円形~卵状長楕円形をしている。
先は鈍く、左右やや不揃いで、へりは少し波打つか歯状~全縁に近い。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 サイカチ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 225.
最終更新日:2020-05-29 ハリリセンボン
- 茎(幹)の形質
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幹は直上し、10 mを越すものがある。枝の変形した鋭いとげがある。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 サイカチ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 225.
最終更新日:2020-05-29 ハリリセンボン
- 花の形質
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枝上葉束の間からのびた軸(1~数本)に総状につき、淡黄緑色で小さい。
花弁4は楕円形で蝶形とならず、雄花では雄しべ8、両性花では雄しべはやや小さい。雌花には雌しべ1、花柱は短い。がくは筒形で4先裂する。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 サイカチ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 225.
最終更新日:2020-05-29 ハリリセンボン
- 果実の形質
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豆果は長さ 20~30 cm以上で垂れ、扁平刀状でゆがみ、ねじれる。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 サイカチ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 225.
最終更新日:2020-05-29 ハリリセンボン
- 種子の形質
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種子は扁平楕円形で艶があり、暗褐色をしている。長さは約 1 cmである。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 サイカチ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 225.
- 大橋広好 1997 サイカチ, 八尋洲東(編) 植物の世界5,種子植物 双子葉類5. 朝日新聞社. 45.
最終更新日:2020-05-29 ハリリセンボン
- 似ている種 (間違えやすい種)
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皀莢の真の生薬になるのは、日本でもまれに栽培される中国原産のトウサイカチである。
これはサイカチによく似ており、果実のさやが長さ 12~13 cmになる点はほぼ同じだが、成熟してもサイカチのように曲がらない点が異なる。
参考文献
- 伊澤一男 1998 サイカチ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 341-342.
最終更新日:2020-05-29 ハリリセンボン
生態
- 生育環境
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日のあたる山野や川原に生息する。
参考文献
- 伊沢凡人 1980 サイカチ, 伊沢凡人(著) 原色版日本薬用植物事典. 誠文堂新光社. 225.
最終更新日:2020-05-29 ハリリセンボン
関連情報
- 栽培方法
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【採取時期と調整法】
10月頃、よく熟したさやをとり、日干しにして生薬皀莢にする。また、とげをとって乾燥し、皀角刺にする。種子は熱湯を通して日干しにして、皀角子にする。
参考文献
- 伊澤一男 1998 サイカチ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 341-342.
最終更新日:2020-05-29 ハリリセンボン