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モミ(Abies firma)の分類 Pinaceae
モミ(Abies firma)の概要 Abies

モミ(Abies firma)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Abies firma Siebold & Zucc.

基本情報

草丈・樹高

・樹高:20~30 m
・幹径:50~80 ㎝
・樹齢:100~150年

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最終更新日:2020-05-12 キノボリトカゲ

生活形

・針葉樹、常緑高木

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花期

5月

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分布

本州(青森県を除く)、四国、九州に分布している。

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学名の解説

属名はモミの一種の針葉樹を意味するラテン語で、「高く伸びて地面から離れる abeo」が語源といわれる。

種小名 firma は強い、の意味。

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和名の解説

①一か所に多くあり、風にモミ合うところから。

②モエギ(萌黄)が見事であることから。

③オミ(臣)の木の転訛。

④樹皮、または実がもろく剥がれたり散ることから。

⑤メトミ(芽富)の意味。

⑥同属の朝鮮語名 munbi から。

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別名・方言名

モミソ、トウモミ、サナギ、モムノキ(古名)、オミノキ(古名)

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分類学的位置付け

マツ科 モミ属

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花言葉

「高くそびえる、向上」「時間」(英)

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人間との関係

樹木園や植物園の標本木。

材は心材とも淡黄白色で、まれに傷害樹脂道を有する。気乾比重約 0.44、加工は容易だが、やや狂いやすく、耐朽性は乏しい。

色が白く美しいため、天井板、腰板などの建築材、建具、家具、器具、割箸、漆器木地、樽、経木、太鼓胴、箱類、柩、葬祭具、製紙パルプなどに用いられる。

薪、鍛冶用の軟炭などにもされる。若木はクリスマス・ツリーとなる。

モミはヨーロッパでは神聖な木として、民間信仰の対象とされてきた。

古代ローマではモミの材で船をつくったため、この木は海神にささげられていた。

ゲルマン民族は、四季を通して緑の葉をつけるモミを、闇と死と寒さの支配する冬にあって、希望と堅実さの象徴として崇拝された。

ドイツ中部の山岳地方では、かつて、モミの木に花や卵、灯をともした蝋燭などを飾り付け、娘たちがその周りを歌いながら踊る祭りがあった。

木に住む小人がいつまでも木にとどまり、村によいことおをしてくれると信じられていた。

これがクリスマスツリーとなり、小人がサンタクロースに姿を変えたといわれるが、異説も多い。

ドイツの多くの地方では、モミの枝を戸口や寝室、穀物小屋や家畜小屋の前に飾り、悪霊除けにする風習がある。

英語名の fir’ 、ドイツ語名の Tanne は火を意味する firr’tan が語源といわれる。昔、モミが発火に使われていたためであろう。

季題は「春」。

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形態

葉の形質

葉は線形で先端は円形でまたは微凹形、長さ 2~3.5 ㎝、幅 0.2~0.35 ㎝、若木や不定芽の葉の先端は2裂する。

裏面には2条の白色気孔線があるが、のち消失する。

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茎(幹)の形質

幹は直立し、樹皮は暗灰色、鱗片状に剥離する。1年生枝は灰黒褐色の密軟細毛を生ずる。

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花の形質

雌雄同株。雄花は前年枝の葉えきに生じ、円筒形で黄緑色。雌花は前年枝の枝上に直立し緑色。

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果実の形質

球果は10月頃、灰褐緑色に熟し、円柱形で長さ 10~15 ㎝、径 3~5 ㎝。種鱗は半円形。

包鱗は線状皮針形で鋭尖頭をなし、種鱗の間から飛び出すが反曲はしない。

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種子の形質

種子には長い翼がある。

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芽生え・幼木の形質

冬芽は大形で卵状球形または円錐形、灰褐色で光沢がある。

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生態

生育環境

陰樹、深根性で適潤な肥沃地を好む。大気汚染には弱い。

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その他生態

繫殖は実生による。寒地以外では大木の移植は困難。

自然形に育てる。施肥は冬に油かすなどを施す。

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関連情報

病害虫

葉フルイ病、スス病、胴枯れ病、ハラアカマイマイ、カミキリムシ類

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