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イチイ(Taxus cuspidata)の分類 Taxaceae
イチイ(Taxus cuspidata)の概要 Taxus

イチイ(Taxus cuspidata)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Taxus cuspidata Siebold & Zucc.

基本情報

草丈・樹高

・樹高:10~20 m
・幹径:0.5~1 m

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最終更新日:2020-05-13 キノボリトカゲ

生活形

・針葉樹、常緑高木

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花期

3~4月

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分布

北海道、本州、四国、九州。シベリア東部、サハリン、中国東北、朝鮮と南千島に分布。

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学名の解説

属名はラテン語のイチイからで、ギリシャ語の「弓 taxos」から出ている。種小名 cuspidata は、突頭のという意味。

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和名の解説

かつて飛騨位山に産するイチイの木から、高官の用いる笏をつくったので、朝廷から一位の名を賜ったとの説が有力。

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別名・方言名

シャクノキ、アカギ、オンコ(アカギに東北地方独特の愛称「コ」が付き、アカギッコ→アッコとなり、転じてオッコ、オンコとなった)、アララギ(アイヌ語ララマ二 raramani の転。ララマ二は塔の異称でイチイの高さを表す)、スオウノキ/オッコノキ(青森、秋田)、キャラ(岩手、宮城、山形)、ヘダ(山梨)、ミネゾー(山梨、長野)、シャクノキ(岡山)、アカキ(九州地方)/ラルマニ、クネニ(アイヌ「弓になる木」)

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分類学的位置付け

イチイ科 イチイ属

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花言葉

悲哀、憂鬱

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人間との関係

常緑で赤色の実が美しいので生垣や庭木として植えられる。

材は緻密で堅く、細工しやすいので鉛筆材として最適。

ほかに笏、家具、彫刻材、機械材、建築材として天井板などの装飾部分的に用いられる。

飛騨高山は一刀彫りをはじめイチイ細工が有名で、アイヌではこれで弓をつくると弾性が強く狂わないといわれた。

葉にはアルカロイドの一種タキシンなどが含まれ、糖尿病などの利尿に用いる。

成熟した仮種皮はゼリー状で甘く食べられるが、中にある種は有毒。

この木を笏の材料としたのは『和名抄』(931~38)のイチイの項に「木可為笏也」とあることから、かなり古くからの伝統と考えられる。

古代ギリシャでは死や悲哀の象徴とされた。イギリスの教会の墓地にはイチイが多く植えられている。

一方、常緑であるため中世、ルネサンス時代には不死の象徴として木の枝が葬式に用いられたという。

岐阜県の県木。

心材の浸出液は蘇芳色の染料となる。

中国では枝や葉を紫杉の名で薬用とし、利尿、通経、糖尿病に効果があるとされる。

季題は「秋」一位の実。「一位の実含みて吐きし旅遠し 富安風生」などの句がある。

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形態

葉の形質

葉は扁平の線形で急尖突頭、長さ 1.5~2.5 ㎝、上面は深緑色で下面は淡緑色。

主脈両側に2条の気孔線があり、葉枕はやや隆起する。葉は2列に水平に着生することが多い。

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茎(幹)の形質

幹は直立で分枝し、樹皮は赤褐色で縦に浅く裂ける。

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花の形質

花は前年枝にえき生する。雌雄異株。雄花は小形、楕円体の花穂をなす。雌花は緑色、卵形。

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種子の形質

種子は卵球形で長さ 0.5 ㎝、仮種皮は赤色で甘味があり、食用とする。

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似ている種 (間違えやすい種)

キャラボク

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生態

生育環境

陰樹で、耐陰性が強い。生長は遅い。とくに東北地方や北海道の寒地に多い。

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その他生態

繫殖は実とさし木による。実生は秋に採種し、果肉を水洗、陰干しし、土中に埋蔵、春に播種する。

さし木は春は前年生枝をさし、夏秋には当年生枝をさす。

円柱状仕立て、散し玉、生垣などは、形を維持するために、新梢の固まる7月頃と、11月か春の3月萌芽前に刈り込みを行う。

徒長枝、とび枝などは早く切る。施肥は萌芽前と、葉の固まる7月頃と、寒さに向かう9~10月に鶏ふん、油かすなどを株の周囲に埋める。

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関連情報

病害虫

カイガラムシ、ハダニ

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