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- アスナロ(Thujopsis dolabrata)について
アスナロ(Thujopsis dolabrata)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Thujopsis dolabrata (Thunb. ex L. f.) Siebold & Zucc.
目次
基本情報
- 分布
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本州、四国、九州の山地に自生する。
参考文献
- 伊澤一男 1998 アスナロ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 13₋14.
最終更新日:2021-01-05 ハリリセンボン
- 学名の解説
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属名は Thuja (属名。常緑で樹脂を出すある種の植物の古名)+「似た opsis 」。種小名 dolabrata は斧状の、の意味。
参考文献
最終更新日:2020-04-30 キノボリトカゲ
- 和名の解説
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「明日はヒノキになろう」が由来というのは俗説とされる。
①『和漢三才図会』には「檜の一種、阿須檜(アスヒ)…」とあり、古くはアスヒと呼んでいた。
アスヒはアテヒの転訛で、アテは「高貴な、貴い」という意味なので「気品のあるヒノキ」というのが本来の意味。
アテヒがアスヒ、アスヒハヒノキとなり、さらにアスナロウに変化して、アスナロとなったという説がある。
②アテヒはアツヒ(厚檜)の転訛で、葉がヒノキに比べてわずかに厚いため。
参考文献
最終更新日:2020-04-30 キノボリトカゲ
- 和名の解説
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ヒノキの葉によく似ているので、平安時代にアスハヒノキと呼ばれ、これがアスナロウに変化、さらに今日のアスナロの4文字で呼ばれるようになった。
参考文献
- 伊澤一男 1998 アスナロ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 13₋14.
最終更新日:2021-01-05 ハリリセンボン
- 亜種・変種・品種
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【変種】
・ヒノキアスナロ(var. hondae)
北海道南部と本州の栃木県以北(日本海側では能登半島以北)に分布する。アスナロに比べて球果が大きく、長さ幅ともに15~18㎜、鱗片の頂下の突起は基本種ほど著しくなく、球果全体が丸みを帯びる。材は有用であるが、庭木には向かない。
参考文献
- 勝木謙三 1994 アスナロ属, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 86.
最終更新日:2021-01-05 ハリリセンボン
- 別名・方言名
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アスワヒノキ、オニヒノキ、アテヒ、アスヒ/シロビ(岩手、福島、群馬)、オニヒバ(埼玉、三重)、クサヌキ(岩手、宮城、新潟、石川、福井)、サワラ(山形、栃木、長崎、熊本)、アシタナレ(山形)※林業ではヒバと称している。
参考文献
最終更新日:2020-04-30 キノボリトカゲ
- 別名・方言名
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アスヒ、アテ、ヒバ
参考文献
- 勝木謙三 1994 アスナロ属, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 86.
最終更新日:2021-01-05 ハリリセンボン
- 分類学的位置付け
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ヒノキ科
参考文献
- 伊澤一男 1998 アスナロ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 13₋14.
最終更新日:2021-01-05 ハリリセンボン
- 人間との関係
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庭園樹、生垣。材を建築、土木、船舶、車両、漆器などに利用。水中貯木などで精油分の異臭を除去して用いる。樹皮は屋根葺用、材の精油は薬用。
「アスハヒノキ」「アスナロウ」の名称は平安時代にすでにあった。
『枕草子』には「あすはひの木明日檜木にや。世俗にあすならうといふ木なり。檜の木に似て、材木につかふ物也」という一節がある。
井上靖『あすなろ物語』のアスナロは、作者の郷里伊豆の方言で、イマヌキを指し、アスナロではないという。
日本特産とされるが、化石としては国外でも産出する。
石川県の県木。輪島塗の木地にも使われている。
青森県下北、津軽両半島のヒバ林は純林状で、日本三大美林の一つに数えられる。
参考文献
最終更新日:2020-04-30 キノボリトカゲ
- 人間との関係
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材質はよいが、精油を含むため特異臭があり、一般に嫌われる。水湿に耐える性質を利用し、風呂桶に適している。材部より得られたアスナロ油が肺結核の治療薬に効くと騒がれたことがあった。
【成分】
葉にヒノキフラボン、スチアドピチレン、ソテツフラボン、イソクエルチトリンなどを含むほか、肝臓保護成分ジオキシポドフェロトキシンの研究発表が、日本生薬学会第24回年会で、東北大学ヒキノヒロシ教授らによって行われている。
【薬効と用い方】
・肝炎に用いる
古くから黄疸療法に用いられてきているので、肝炎の予防を治療に、1日量5~10gの乾燥葉を水600㏄で2分の1量に煎じ服用する。
・解熱に用いる
上記と同じ分量で服用する。
参考文献
- 伊澤一男 1998 アスナロ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 13₋14.
最終更新日:2021-01-05 ハリリセンボン
形態
- 葉の形質
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十字対生する葉は、中央のものは倒卵形、側部のものは半卵形で、ともに長さ 4~5 mm、無毛で光沢がある。
葉の上面は深緑色で、黒々しているが、下面は広い気孔条があるため、全体が白っぽく見える。
参考文献
- 勝木謙三 1994 アスナロ属, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 86.
- 大澤毅守 1997 アスナロ, 八尋洲東(編) 植物の世界11,種子植物 単子葉類3. 朝日新聞社. 185.
最終更新日:2021-01-05 ハリリセンボン
- 茎(幹)の形質
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円錐状の樹冠をもち、樹皮は暗赤褐色または灰褐色、縦に長い裂け目ができて薄くはげる。
参考文献
- 勝木謙三 1994 アスナロ属, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 86.
最終更新日:2021-01-05 ハリリセンボン
- 果実の形質
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球果は長さ幅ともに 12~16 mmである。
参考文献
- 勝木謙三 1994 アスナロ属, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 86.
最終更新日:2021-01-05 ハリリセンボン
生態
- その他生態
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繫殖は実生とさし木による。大木の移植は困難。せん定は弱く行うかまたは行わない。
施肥は寒肥として堆肥、油かすなどを施す。病害虫は少ない。
参考文献
最終更新日:2020-04-30 キノボリトカゲ
- その他生態
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常緑針葉樹で日本特産である。材は春夏材の別がなく、香気があり水湿に強い。
耐陰性が高く、林床で下垂した枝から発根して、低木状に密生することがある。
参考文献
- 勝木謙三 1994 アスナロ属, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 86.
- 大澤毅守 1997 アスナロ, 八尋洲東(編) 植物の世界11,種子植物 単子葉類3. 朝日新聞社. 185.
最終更新日:2021-01-05 ハリリセンボン
関連情報
- 栽培方法
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土壌水分に富む肥沃な日陰地を好み、萌芽力が弱く、移植をあまり好まない。増殖は実生、または挿木が一般的である。
参考文献
- 勝木謙三 1994 アスナロ属, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 86.
最終更新日:2021-01-05 ハリリセンボン