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ゼンマイ(Osmunda japonica)の分類 Osmundaceae
ゼンマイ(Osmunda japonica)の概要 Osmunda

ゼンマイ(Osmunda japonica)

【 学名 】
Osmunda japonica Thunb.

基本情報

分布

我が国全土に自生する。

中国、朝鮮半島、台湾、アジアの東部に広く分布する。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 ゼンマイ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 874.

最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン

和名の解説

若芽の先が巻いていて銭のようであるため、「銭巻」からきているという説もある。

参考文献

  • 山田卓三 1992 ゼンマイ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 445.

最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン

別名・方言名

別名:アオゼンマイ、ゼンゴ

参考文献

  • 山田卓三 1992 ゼンマイ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 445.

最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン

分類学的位置付け

ゼンマイ科 ゼンマイ亜属

参考文献

  • 伊澤一男 1998 ゼンマイ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 874.

最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン

人間との関係

『徳川禁令考』によると、1686年(貞享3)5月の禁令に、「野菜もの之儀、節に入候日より売出之事」とあり、季節の前に出荷するのを禁止した。

例えば、「わらび三月節より」「つくし三月節より」と明記し、それ以前は出荷することができない。ところが、ゼンマイにはこの明記がなかった。

わらびやつくしは生野菜として扱われていたが、ゼンマイは乾燥したものであるため、この禁令に触れなかった。

香川修庵の『一本堂薬選』(1729)には、「乾薇」と書き、俗にゼンマイと呼ぶとしてある。当時、ゼンマイは乾物が売られていたようである。

普通山菜は採ってきてすぐに調理するが、ゼンマイは茹でたものを手でもみながら、3日間天日干しにし、乾燥したものを保存しておいて、必要なだけ熱湯でもどして使う。

水洗いして適当に切り、ひたひたにだし汁を加えて煮る。煮立ったら酒、塩、砂糖を加えてしばらく煮てから、しょうゆ少量で味を整える。

胞子葉の若芽は俗名オトコゼンマイといわれ、葉軸の部分を食べることができるが、うず巻きの部分は質も硬いので、ふつうはオトコゼンマイを株に残し、栄養葉の若芽の俗名オンナゼンマイだけを摘む。

摘み立ての太くて柔らかいゼンマイなら、よく茹でて、10~24時間くらい流水にさらすと、辛子じょうゆ、煮びたし、油炒めなどで新鮮なほろ苦さを味わうことができる。

【成分】
一般成分としてタンパク質やペントザンのほか未精査である。

【薬効と用い方】
催乳や貧血、利尿に用いられる。

信州の山間地では、干しぜんまいのみそ汁を食べるとよいとの民間療法がある。この民間療法は催乳に効果がある。

貧血、利尿には1回量として地上部の乾燥したものを 5~10 gを水 300 ㏄で2分の1量に煎じて服用する。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 ゼンマイ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 874.
  • 山田卓三 1992 ゼンマイ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 445.

最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン

形態

葉の形質

葉は長さ 50~100 cm、葉柄は長さ葉身の2分の1~3分の1、藁色をしている。

葉身は卵形、最下の羽片が最大で、上部の羽片は次第に小さく、頂羽片がある。

小羽片は通常長楕円状披針形で、細鋸歯があり、基部は左右が対称ではなく、斜めに切形、側脈は叉状に分枝する。

胞子葉は春、最初に萌え出し、株の中心に直立する。続いて周りに栄養葉が展開する。

胞子葉も栄養葉も若芽は渦巻き状に巻き、白褐色の綿毛に覆われているが、伸びるに従って綿毛はとれて無毛となる。

参考文献

  • 瀬戸剛 1994 ゼンマイ属, ヤポニカ, 北村文雄(著) 塚本洋太郎(監修) 園芸植物大事典1. 小学館. 1316₋1317.

最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン

生態

生育環境

山野の湿り気の多いところに生える。

参考文献

  • 山田卓三 1992 ゼンマイ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 445.

最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン

その他生態

春に栄養葉と胞子葉が束になって出てくる。栄養葉は2回羽状複葉で胞子葉は羽方が粒状で、胞子のうが密生してまっすぐ立つ。

先に胞子葉が出てそのあとで食用になる栄養葉がでる。先が巻いて白い綿毛をかぶっているときが食べ頃である。

若い栄養葉は食べるまでに手間がかかるが、山菜の王といわれるだけあって美味しい。

参考文献

  • 山田卓三 1992 ゼンマイ, 山田卓三(著) 山田卓三(監修) 野草大百科. 北隆館. 445.

最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン

関連情報

栽培方法

【採取時期】
初に若い葉をとり、湯通ししてから乾燥させる。地上部は夏にとって日干しにする。

参考文献

  • 伊澤一男 1998 ゼンマイ, 伊澤一男(著) 薬草カラー大事典:日本の薬用植物すべて. 主婦の友社. 874.

最終更新日:2020-05-25 ハリリセンボン

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