- 解説一覧
- イッカク(Monodon monoceros)について

イッカク(Monodon monoceros)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
-
Monodon monoceros Linnaeus, 1758
基本情報
- 大きさ・重さ
-
体長:400~500 cm、雄の牙は 150~300 cm
体重:800~1600 kg
参考文献
- ジュリエット・クラットン=ブロック 2005 イッカク, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. 196₋197.
- P.ブローディ 1986 シロイルカ類, R.ギャンベル(著) 大隅清治(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科2:海生哺乳類. 平凡社. 48₋51.
最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン
- 分布
-
ソ連北部、北アメリカ北部、グリーンランドに分布する。
参考文献
- ジュリエット・クラットン=ブロック 2005 イッカク, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. 196₋197.
- P.ブローディ 1986 シロイルカ類, R.ギャンベル(著) 大隅清治(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科2:海生哺乳類. 平凡社. 48₋51.
最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン
- 分類学的位置付け
-
イッカク科
参考文献
- ジュリエット・クラットン=ブロック 2005 イッカク, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. 196₋197.
最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン
形態
- 成獣の形質
-
雄:雌よりも 50 cmほど大きく、胸びれは年齢とともに上に反り返る。高齢の雄では、尾びれが変形し相対的に両端が前方に移動する。このため、上下方向から見ると、尾びれの前縁はわん入している。イッカクは歯が2本しかなく、雄では左の歯だけが成長を続けて牙となる。雄の1~3%は、2本とも牙に達する。
雌:雄より 50 cmほど小さい。雌も雄と同じくらいの割合で1本だけ牙が出る。牙を2本もつ雌もまれに知られている。
参考文献
- P.ブローディ 1986 シロイルカ類, R.ギャンベル(著) 大隅清治(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科2:海生哺乳類. 平凡社. 48₋51.
最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン
生態
- 食性
-
エビ類、ホッキョクタラ、カレイ、頭足類を捕食する。
参考文献
- P.ブローディ 1986 シロイルカ類, R.ギャンベル(著) 大隅清治(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科2:海生哺乳類. 平凡社. 48₋51.
最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン
- 鳴き声
-
イッカクはシロイルカほどにぎやかな声を出さない。これは、牙を用いる身振りによる伝達が発達していることに関係があるらしい。
参考文献
- P.ブローディ 1986 シロイルカ類, R.ギャンベル(著) 大隅清治(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科2:海生哺乳類. 平凡社. 48₋51.
最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン
- 出産
-
妊娠期間は14~15ヵ月で、産子数は1子である。
参考文献
- ジュリエット・クラットン=ブロック 2005 イッカク, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. 196-197.
- P.ブローディ 1986 シロイルカ類, R.ギャンベル(著) 大隅清治(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科2:海生哺乳類. 平凡社. 48-51.
最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン
- その他生態
-
牙は武器としてだけでなく、浮氷に呼吸用の穴をあけたり、海底を掘り返したりするために使われる。
しばしば一緒に生息しているシロイルカのように、イッカクもさまざまな年齢の雄と雌のいる大きな群れを作る。多様な音を発して、ほかの個体とコミュニケーションをとったり、捕食者の存在を警告したり、獲物の位置を特定したりしている。
参考文献
- ジュリエット・クラットン=ブロック 2005 イッカク, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. 196₋197.
- P.ブローディ 1986 シロイルカ類, R.ギャンベル(著) 大隅清治(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科2:海生哺乳類. 平凡社. 48₋51.
最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン
関連情報
- その他
-
イッカクは牙で突き合いをし、ときにはけがをすることが体についた傷からわかる。シロイルカとイッカクは、入江の中で近くにいることがしばしば見られるが、争うことはないようである。
またイッカクは河口に近寄らず、外洋で冬を過ごすため工業化の影響は少ないと予想される。北極圏での鉱業と石油開発に伴う環境調査によって、イッカクの分布と個体数が明らかになってきた。かつては、個体数は1万2000頭程度と考えられていたが、今では2万5000~3万頭と推定されている。イッカクは今のところまだ危険な状態にはないが、ほかの野生生物と同様、特定の地域に漁獲が偏っていることは問題である。隣接した集団の間で交流が少ないと、孤立した集団の個体数の回復は遅い。
イッカクの牙は収集家や博物館で珍重されるため、原住民は牙を目的にイッカクを捕獲している。そのため、現在では殺したときに沈んでしまって失われる分も考慮して、牙の取引枠を設定し漁獲を管理している。
参考文献
- P.ブローディ 1986 シロイルカ類, R.ギャンベル(著) 大隅清治(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科2:海生哺乳類. 平凡社. 48-51.
最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン