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マレーグマ(Helarctos malayanus)の分類 クマ科(Ursidae)
マレーグマ(Helarctos malayanus)の概要 Helarctos

マレーグマ(Helarctos malayanus)

危急 (VU)

【IUCN】絶滅の危険が増大している種

【 学名 】
Helarctos malayanus (Raffles, 1821)

基本情報

大きさ・重さ

体長:100~140 cm
体重:27~65 kg

参考文献

  • ジュリエット・クラットン=ブロック 2005 マレーグマ, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. 238.
  • 川口幸男 1991 マレーグマ, 今泉吉典(監修) 世界の動物:分類と飼育2(食肉目). 東京動物園協会. 74₋75.

最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン

分布

中国の雲南省南部を北限とし、ビルマ北部、アッサム、インドシナ、マレー半島からスマトラ、ボルネオまで生息している。

参考文献

  • ジュリエット・クラットン=ブロック 2005 マレーグマ, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. 238.
  • 川口幸男 1991 マレーグマ, 今泉吉典(監修) 世界の動物:分類と飼育2(食肉目). 東京動物園協会. 74₋75.

最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン

学名の解説

属名 Helarctos は、ギリシャ語のアルクトス(クマ)とヘーリオス(太陽)が結びついたものである。

参考文献

  • 川口幸男 1991 マレーグマ, 今泉吉典(監修) 世界の動物:分類と飼育2(食肉目). 東京動物園協会. 74₋75.

最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン

分類学的位置付け

クマ科 マレーグマ属(Helarctos)

参考文献

  • ジュリエット・クラットン=ブロック 2005 マレーグマ, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. 238.
  • 川口幸男 1991 マレーグマ, 今泉吉典(監修) 世界の動物:分類と飼育2(食肉目). 東京動物園協会. 74₋75.

最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン

人間との関係

ココナッツの植樹に大きな損害を与えて駆除されたり、森林被害のあった地域では生息場所を縮小され、個体数の減少が懸念されている。

参考文献

  • 川口幸男 1991 マレーグマ, 今泉吉典(監修) 世界の動物:分類と飼育2(食肉目). 東京動物園協会. 74₋75.

最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン

形態

成獣の形質

比較的軽い体重、鋭く曲がった爪、そして毛の生えていない足裏をもった大きな足は、木登りには極めて都合がいい。体毛は濃い褐色~黒で、しばしばほぼ白あるいはオレンジがかった胸のマークがある。短く、よく動く鼻づらにも柔らかい毛(通常灰色かオレンジ色)がある。

参考文献

  • F.バネル 1986 マレーグマ, F.バネル(著) 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科1 食肉類. 平凡社. 108₋109.

最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン

生態

生息環境

主な生息環境は森林で、東南アジア(ボルネオ、スマトラ、マレー半島、カンボジア、ベトナム、ラオス、ビルマ)の熱帯から、亜熱帯地域の森林で生活している。

参考文献

  • F.バネル 1986 マレーグマ, F.バネル(著) 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科1 食肉類. 平凡社. 108₋109.

最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン

食性

雑食性で、果実、水分の多いヤシの芽、シロアリ、小型の哺乳類や野鳥を食べる。ココアやココナッツ園にひどい害を与えることもある。地虫や蜂蜜をとるために古い丸太や蜂の巣を爪で掘ったり、長さ 25 cmの舌を割れ目に差し込んでそれらを舐めとったりする。ときどき手を交互にシロアリの巣に突っ込み、手についたシロアリを舐めとる。

参考文献

  • F.バネル 1986 マレーグマ, F.バネル(著) 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科1 食肉類. 平凡社. 108₋109.
  • ジュリエット・クラットン=ブロック 2005 マレーグマ, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. 238.

最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン

活動時間帯

夜行性であり、昼間は地上数 mのところに枝を折って作った棚の上で寝たり、日光浴をしたりしていることが多い。

参考文献

  • F.バネル 1986 マレーグマ, F.バネル(著) 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科1 食肉類. 平凡社. 108₋109.

最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン

生殖行動

1年中繁殖可能で、休眠はしない。

参考文献

  • F.バネル 1986 マレーグマ, F.バネル(著) 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科1 食肉類. 平凡社. 108₋109.

最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン

出産

妊娠期間は96日で、体重が 300~340 gの子を通常2頭、地上の隠れた場所で産む。子どもたちは、成獣に近くなるまで母親と一緒に活動する。

参考文献

  • F.バネル 1986 マレーグマ, F.バネル(著) 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科1 食肉類. 平凡社. 108₋109.
  • ジュリエット・クラットン=ブロック 2005 マレーグマ, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. 238.
  • 川口幸男 1991 マレーグマ, 今泉吉典(監修) 世界の動物:分類と飼育2(食肉目). 東京動物園協会. 74₋75.

最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン

特徴的な行動

樹上でほとんどの時間を過ごし、前肢で木の幹を抱え込み、歯と爪で枝をつかんで木に登る。

参考文献

  • ジュリエット・クラットン=ブロック 2005 マレーグマ, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. 238.

最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン

その他生態

8種のクマの中で最小である。

性質がおとなしいうえにからだつきも小さいため、クマの中では人間にとってもっとも危険性の少ない種類であり、地元の人にペットとして飼われていることがときどきある。

捕食者に後ろからつかまれても、首の皮膚が緩いので、後ろを向いて戦うことができる。

参考文献

  • F.バネル 1986 マレーグマ, F.バネル(著) 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科1 食肉類. 平凡社. 108₋109.
  • ジュリエット・クラットン=ブロック 2005 マレーグマ, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. 238.

最終更新日:2020-05-14 ハリリセンボン

種・分類一覧