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ハクビシン(Paguma larvata)の分類 Viverridae
ハクビシン(Paguma larvata)の概要 Paguma

ハクビシン(Paguma larvata)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Paguma larvata (C. E. H. Smith, 1827)

基本情報

大きさ・重さ

全長:頭胴長61(雄)~66(雄)cm
尾長:40 cm
体重:3 kg程度

参考文献

  • 米田政明 2008 ハクビシン, 前田喜四雄(著) 阿部永、石井信夫、伊藤徹魯、金子之史、前田喜四雄、三浦慎悟、米田政明、阿部永(監修) 日本の哺乳類. 改訂2版. 東海大学出版会. p. 90.

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

分布

東南アジア大陸部から中国南部、海南島、スマトラ、ボルネオ、ジャワ、台湾に分布する。

日本では、本州から九州まで各地に生息が報告されているが、分布域は連続せず、まだ模様となっている。このような分布状況、江戸・明治期における確実な生息記録がないことから外来種とみられる。

参考文献

  • 米田政明 2008 ハクビシン, 前田喜四雄(著) 阿部永、石井信夫、伊藤徹魯、金子之史、前田喜四雄、三浦慎悟、米田政明、阿部永(監修) 日本の哺乳類. 改訂2版. 東海大学出版会. p. 90.

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

生息状況

ハクビシンが日本の動物として認識されたのは最近で、もっとも古い生息の報告は、1943年静岡県浜名郡知波多村(現湖西市 知波多)のものであった。そのころは、福島県などの東北地方、山梨県と静岡県の東海地方と四国の3地域に不連続に分布していた。

その後、急速に分布域は拡大し、本州の東半分と四国全域に分布を広げ、北海道や九州にも生息しているといわれる。

参考文献

  • 鳥居春己 1996 ハクビシン, 森恭一(著) 日高敏隆(監修) 伊沢紘生、粕谷俊雄、川道武男(編) 日本動物大百科2:哺乳類Ⅱ. 平凡社. pp. 136-137.

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

分類学的位置付け

食肉目 ジャコウネコ科

参考文献

  • 鳥居春己 1996 ハクビシン, 森恭一(著) 日高敏隆(監修) 伊沢紘生、粕谷俊雄、川道武男(編) 日本動物大百科2:哺乳類Ⅱ. 平凡社. pp. 136-137.

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

人間との関係

ハクビシンは、第二次世界大戦中には毛皮用の養殖タヌキとともに飼育されていた。しかし、彼らの毛皮は質が悪いため、放逐され、戦後になって個体数を増やしたと言われている。

その一方、江戸時代にも持ち込まれた記録もあり、東南アジア各地から、長期間にわたって何度も持ち込まれたのではないだろうか。

参考文献

  • 鳥居春己 2002 ハクビシン:忘れられた謎の外来種, 村上興正、鷲谷いづみ(監修) 日本生態学会(編) 外来種ハンドブック. 地人書館. p. 74.

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

形態

成獣の形質

体色は灰褐色で、顔面と四肢の下部は黒褐色、額下部から鼻鏡部中央に白線が入り、他種と容易に区別できる。ただし、この白線が目立たない個体もいる。耳介は大きく目立つ。

参考文献

  • 米田政明 2008 ハクビシン, 前田喜四雄(著) 阿部永、石井信夫、伊藤徹魯、金子之史、前田喜四雄、三浦慎悟、米田政明、阿部永(監修) 日本の哺乳類. 改訂2版. 東海大学出版会. p. 90.

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

幼獣の形質

新生子の体重は 100~140 g、閉眼で、白斑もうっすらと見える。5~9日で眼が開く。

生後1カ月で出産穴から外へ出るようになる。

参考文献

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

生態

食性

ハクビシンは東南アジアではネズミなどの動物質のものも食べるが、いわゆる果実食である。日本でも雑食性で、とくに果実類を好む。

胃の内容物分析でも、果実類あるいは種子類が主で、動物質では節足動物、おもに昆虫類、軟体動物、魚類、爬虫類、小鳥のほかに、ネズミ類やニホンノウサギの骨と毛が含まれていた。また、サンマのかば焼きやタマネギなどの残飯も混じっていた。

参考文献

  • 鳥居春己 1996 ハクビシン, 森恭一(著) 日高敏隆(監修) 伊沢紘生、粕谷俊雄、川道武男(編) 日本動物大百科2:哺乳類Ⅱ. 平凡社. pp. 136-137.

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

ライフサイクル

平地から山地まで分布するが、里山を好む。出産期は3~12月。妊娠期間は51~59日。産子数は1~4子。性成熟は2年。

外部寄生虫はネコノミ、ヤマトダニ、タヌキマダニなどが確認されている。

参考文献

  • 鳥居春己 1996 ハクビシン, 森恭一(著) 日高敏隆(監修) 伊沢紘生、粕谷俊雄、川道武男(編) 日本動物大百科2:哺乳類Ⅱ. 平凡社. pp. 136-137.

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

活動時間帯

ハクビシンはほぼ完全な夜行性である。

参考文献

  • 鳥居春己 1996 ハクビシン, 森恭一(著) 日高敏隆(監修) 伊沢紘生、粕谷俊雄、川道武男(編) 日本動物大百科2:哺乳類Ⅱ. 平凡社. pp. 136-137.

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

出産

ハクビシンは自分では穴を掘ることはないが、タヌキやアナグマの使った穴や、岩穴、樹洞、古い炭焼窯(かま) などをねぐらとし、出産する。出産のために産座などを設けることはない。

参考文献

  • 鳥居春己 1996 ハクビシン, 森恭一(著) 日高敏隆(監修) 伊沢紘生、粕谷俊雄、川道武男(編) 日本動物大百科2:哺乳類Ⅱ. 平凡社. pp. 136-137.

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

特徴的な行動

ハクビシンはふつうは母親と子どもを核とした家族で生活するらしい。しかし、冬に数が同じ穴で見つかることがある。

ねぐらを探して撃った静岡県焼津市の有害獣駆除では、最大6頭、平均2.6頭が同居していた。捕獲された同居個体は大部分が母と子の組合せと考えられた。成獣雄が加わったものだろう。

参考文献

  • 鳥居春己 2002 ハクビシン:忘れられた謎の外来種, 村上興正、鷲谷いづみ(監修) 日本生態学会(編) 外来種ハンドブック. 地人書館. p. 74.

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

関連情報

外来種としての影響

かつてはハクビシンによる果実の食害が問題視されたが、近年は屋根裏への侵入が新たな被害となっている。

ハクビシンが新たな地域に侵入してから、その存在が知られるまでには十数年を要している。その時期を過ぎると、被害は深刻なものとなる。

参考文献

  • 鳥居春己 2002 ハクビシン:忘れられた謎の外来種, 村上興正、鷲谷いづみ(監修) 日本生態学会(編) 外来種ハンドブック. 地人書館. p. 74.

最終更新日:2021-04-02 ハリリセンボン

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