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- アードウルフ(Proteles cristata)について

アードウルフ(Proteles cristata)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Proteles cristata (Sparrman, 1783)
基本情報
- 大きさ・重さ
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体長:85~105 cm
体高:40~50 cm
体重:8~12 kg
参考文献
- P. R. K. リチャードソン@S. K. ビアーダー 1986 ハイエナ科, F.バネル(著) 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科1 食肉類. 平凡社. p. 170-175.
最終更新日:2020-06-30 ハリリセンボン
- 分布
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アンゴラ南部とザンビア南部を北限とする南アフリカ、タンザニア中部からスーダン北東部に至る東アフリカに分布する。
参考文献
- P. R. K. リチャードソン@S. K. ビアーダー 1986 ハイエナ科, F.バネル(著) 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科1 食肉類. 平凡社. p. 170-175.
最終更新日:2020-06-30 ハリリセンボン
- 分類学的位置付け
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ハイエナ科
参考文献
- 2005 世界哺乳類図鑑 - 書籍全体, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. .
最終更新日:2020-06-30 ハリリセンボン
- 人間との関係
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ごちそうとして、アードウルフの肉を出す地域もある。
参考文献
- 2005 世界哺乳類図鑑 - 書籍全体, ジュリエット・クラットン=ブロック(著) 渡辺健太郎(翻) 世界哺乳類図鑑. 新樹社. .
最終更新日:2020-06-30 ハリリセンボン
形態
- 成獣の形質
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体毛は黄褐色か黄白色か赤褐色、起立性のたてがみと背中の黒い縞は尾端まで続く。3本の黒い縦じまが胴体にあり、1~2本のななめの縞が体の前から4分の1と後から4分の1のところを横切る。
脚部の不規則な横じまは足先の方へいくほど黒みを帯びる。のどと腹部は淡色ないしは灰白色である。
くびには黒い縞か斑点のあることもある。長くてごわごわした剛毛と柔らかい下毛がある。
参考文献
- P. R. K. リチャードソン@S. K. ビアーダー 1986 ハイエナ科, F.バネル(著) 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科1 食肉類. 平凡社. p. 170-175.
最終更新日:2020-06-30 ハリリセンボン
生態
- 生息環境
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開けた土地と草地、サバンナ、藪や岩の多い地域にも生息している。
参考文献
- P. R. K. リチャードソン@S. K. ビアーダー 1986 ハイエナ科, F.バネル(著) 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科1 食肉類. 平凡社. p. 170-175.
最終更新日:2020-06-30 ハリリセンボン
- 食性
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アードウルフは、主食としてシロアリを食べ、活動時間もシロアリのそれとほぼ一致している。
シロアリの体は色素に乏しく、直射日光に耐えることができないため、活動は夕刻から夜間に限られる。シロアリは密集した隊列を組んで採食に出るため、アードウルフは一度にたくさんのシロアリを舐めとることができる。シロアリは長い舌を素早く動かすことによって舐めとられる。粘度の高い唾液が舌を覆っているため、その際食物と一緒に多量の土も飲み込まれる。
東アフリカの雨季やアフリカ南部の真冬の寒さといった季節的な出来事がシロアリの採食行動を制限することがある。そのような場合、アードウルフは、より大型のシロアリ(Hodotermes mossamibicus)を食べることが多い。このシロアリは色素が強く、日中でも場所によっては大きな群れが見つかるのである。しかしこのシロアリは活動時期が冬季であるため、年間を通じての食物源としてはそれほど好ましくない。
アードウルフはシロアリとアリ以外の昆虫やごくまれに小哺乳類や鳥の雛、それに腐肉などを食べることもあるが、それらが食物中に占める割合はごくわずかである。
アードウルフは単独生活者であり、これは主食とするシロアリが広い地域にぽつぽつと 25~100 cmと小さいが密な集団を作って採食する種類だからである。
参考文献
- P. R. K. リチャードソン@S. K. ビアーダー 1986 ハイエナ科, F.バネル(著) 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科1 食肉類. 平凡社. p. 170-175.
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- 出産
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妊娠期間は59~61日、春もしくは夏に2~4頭の子を産む。生まれたばかりの子の眼は開いているが無力なため、6~8週間は巣穴にこもりっきりである。
参考文献
- P. R. K. リチャードソン@S. K. ビアーダー 1986 ハイエナ科, F.バネル(著) 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科1 食肉類. 平凡社. p. 170-175.
最終更新日:2020-06-30 ハリリセンボン
- 子育て
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アードウルフは子どもが巣穴で生活する間、採食のために雌が巣穴を離れる夜の6時間ほど、雄が巣穴に残ることがある。
およそ3ヵ月で子どもはシロアリを食べだすが、その際少なくともどちらかの親が付き添う。しかし生後4ヵ月目までには、ほとんどの時間を一人で採食するようになる。
次の繁殖期が始まるころには、子どもは親の縄張り外まで遠出することが多くなっており、次の子どもが巣穴を離れて採食するころには、亜成獣の大半はその地を離れている。
参考文献
- P. R. K. リチャードソン@S. K. ビアーダー 1986 ハイエナ科, F.バネル(著) 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科1 食肉類. 平凡社. p. 170-175.
最終更新日:2020-06-30 ハリリセンボン
- その他生態
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アードウルフは単独採食者であり、厳格な縄張り制を備えている。ほかの個体が縄張り内に侵入すると、400 mは追跡する。その際、侵入者に追いつくと激しい闘いが起こる。戦いの大半は交尾期に集中しているが、それでも週に1、2度の頻度である。戦いには、たてがみと尾の毛を完全に逆立てて、かすれ気味のほえ声や妙なうなり声を伴う。
食物が乏しくなると縄張り性はゆるやかになり、最高3つの縄張りから来た数頭が、同じ場所で同じ食物と何のいざこざもなく採食することまである。
しかし、家族どうしでさえ個体間の結びつきは無愛想なもので、ハイエナ亜科にみられるような手の込んだ挨拶行動は見られない。
参考文献
- P. R. K. リチャードソン@S. K. ビアーダー 1986 ハイエナ科, F.バネル(著) 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科1 食肉類. 平凡社. p. 170-175.
最終更新日:2020-06-30 ハリリセンボン
関連情報
- その他
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寿命:飼育下では13年
参考文献
- P. R. K. リチャードソン@S. K. ビアーダー 1986 ハイエナ科, F.バネル(著) 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編) 動物大百科1 食肉類. 平凡社. p. 170-175.
最終更新日:2020-06-30 ハリリセンボン