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- ニホンイタチ(Mustela itatsi)について

ニホンイタチ(Mustela itatsi)
【IUCN】現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種
- 【 学名 】
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Mustela itatsi Temminck, 1844
基本情報
- 大きさ・重さ
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・頭胴長 雄 28~40 cm、雌 16~32.5 cm
・尾長 雄12~22.5 cm 雌 7.6~19.8 cm
・尾率 雄 3.8~6.7 cm 雌 3.5~7.1 cm
・足 雄 4.7~7.0 cm 雌 3.0~5.5 cm
・耳 雄 1.3~3.2 cm 雌 1.0~2.3 cm
・頭骨全長 雄 5.5~6.8 cm 雌 3.9~5.4 cm
参考文献
- 今泉吉典 1960 イタチ, 今泉吉典(著) 原色日本哺乳類図鑑. 保育社. 170.
- 米田正明 2008 イタチ, 前田喜四雄(著) 阿部永、石井信夫、伊藤徹魯、金子之史、前田喜四雄、三浦慎悟、米田政明、阿部永(監修) 日本の哺乳類. 改訂2版. 東海大学出版会. 82.
最終更新日:2020-05-13 ハリリセンボン
- 分布
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日本固有種である。
本州、九州、四国、佐渡、隠岐諸島、伊豆大島、淡路島、小豆島、壱岐、五島列島、屋久島、種子島などに分布する。
北海道、利尻島、礼文島、伊豆諸島(三宅島、八丈島、青ヶ島)、長崎県青島、口之島・中之島・諏訪瀬島・平島・悪石島・喜界島・沖永良部島・与論島(鹿児島県)、座間味島・阿嘉島・南大東島・北大東島・伊良部島・波照間島(沖縄県)など、ネズミ類駆除のため導入された個体が定着した島もある。北海道には1880年代後半に侵入し、定着した。西日本では近年、外来種のチョウセンイタチが優勢になり、イタチは山間部などに追い込まれている。
参考文献
- 今泉吉典 1960 イタチ, 今泉吉典(著) 原色日本哺乳類図鑑. 保育社. 170.
- 米田正明 2008 イタチ, 前田喜四雄(著) 阿部永、石井信夫、伊藤徹魯、金子之史、前田喜四雄、三浦慎悟、米田政明、阿部永(監修) 日本の哺乳類. 改訂2版. 東海大学出版会. 82.
最終更新日:2020-05-13 ハリリセンボン
- 亜種・品種
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一般にイタチと呼ばれている動物には、二ホンイタチとチョウセンイタチが含まれている。
チョウセンイタチは、東アジアに広く分布するシベリアイタチの亜種である。
二ホンイタチは、シベリアイタチの亜種か、日本固有の独立種か、未だに議論があるが、染色体やDNAなどの研究から、独立種とするのが妥当と考えられる。
参考文献
- 佐々木浩 1996 二ホンイタチとチョウセンイタチ, 日高敏隆(監修) 川道武男(編) 日本動物大百科1:哺乳類Ⅰ. 平凡社. 128₋130.
最終更新日:2020-05-13 ハリリセンボン
- 分類学的位置付け
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食肉目 イタチ科
参考文献
- 佐々木浩 1996 二ホンイタチとチョウセンイタチ, 日高敏隆(監修) 川道武男(編) 日本動物大百科1:哺乳類Ⅰ. 平凡社. 128₋130.
- 米田正明 2008 イタチ, 前田喜四雄(著) 阿部永、石井信夫、伊藤徹魯、金子之史、前田喜四雄、三浦慎悟、米田政明、阿部永(監修) 日本の哺乳類. 改訂2版. 東海大学出版会. 82.
最終更新日:2020-05-13 ハリリセンボン
形態
- 成獣の形質
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全身茶から山吹色だが、額中央から鼻鏡部にかけてほかの部分と区別できる濃褐色の斑紋がある。体の背面の下面は茶色よりやや淡く、頭は黒茶色、口の周りに白斑がある。テンよりも小さく、四肢は短く耳介も小さい。雌は雄より著しく小さい。
参考文献
- 今泉吉典 1960 イタチ, 今泉吉典(著) 原色日本哺乳類図鑑. 保育社. 170.
- 米田正明 2008 イタチ, 前田喜四雄(著) 阿部永、石井信夫、伊藤徹魯、金子之史、前田喜四雄、三浦慎悟、米田政明、阿部永(監修) 日本の哺乳類. 改訂2版. 東海大学出版会. 82.
最終更新日:2020-05-13 ハリリセンボン
生態
- 食性
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主にネズミや昆虫などの小動物を食べる。
またカエル、鳥類などのほか、水に入りザリガニなどの甲殻類や魚を捕食することも多い。
参考文献
- 今泉吉典 1960 イタチ, 今泉吉典(著) 原色日本哺乳類図鑑. 保育社. 170.
- 佐々木浩 1996 二ホンイタチとチョウセンイタチ, 日高敏隆(監修) 川道武男(編) 日本動物大百科1:哺乳類Ⅰ. 平凡社. 128₋130.
- 米田正明 2008 イタチ, 前田喜四雄(著) 阿部永、石井信夫、伊藤徹魯、金子之史、前田喜四雄、三浦慎悟、米田政明、阿部永(監修) 日本の哺乳類. 改訂2版. 東海大学出版会. 82.
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- 活動時間帯
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とくにはっきりとした日周活動といったものはなく、お腹が空けば餌を探しに出る。しかし人家周辺に生息しているイタチは、人間の活動時間をある程度避けて活動しているようである。
参考文献
- 佐々木浩 1996 二ホンイタチとチョウセンイタチ, 日高敏隆(監修) 川道武男(編) 日本動物大百科1:哺乳類Ⅰ. 平凡社. 128₋130.
最終更新日:2020-05-13 ハリリセンボン
- 生殖行動
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繁殖期には雄は雌を獲得しようと努力するが、イタチ属では、雄が雌を求めて放浪する場合と、なわばりをもつ場合がある。
参考文献
- 佐々木浩 1996 二ホンイタチとチョウセンイタチ, 日高敏隆(監修) 川道武男(編) 日本動物大百科1:哺乳類Ⅰ. 平凡社. 128₋130.
最終更新日:2020-05-13 ハリリセンボン
- 出産
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九州では年2回繁殖し、一度に1~8頭、平均3~5頭の仔を産む。
参考文献
- 今泉吉典 1960 イタチ, 今泉吉典(著) 原色日本哺乳類図鑑. 保育社. 170.
- 米田正明 2008 イタチ, 前田喜四雄(著) 阿部永、石井信夫、伊藤徹魯、金子之史、前田喜四雄、三浦慎悟、米田政明、阿部永(監修) 日本の哺乳類. 改訂2版. 東海大学出版会. 82.
最終更新日:2020-05-13 ハリリセンボン
- 子育て
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イタチは単独性の動物であり、交尾時の雌雄と、子どもが独立する前の母子以外は、一緒に活動することはほとんどなく、雄は子育てに関与しない。ただし子どもの独立過程では、兄弟が一緒に行動することもあるようである。
参考文献
- 佐々木浩 1996 二ホンイタチとチョウセンイタチ, 日高敏隆(監修) 川道武男(編) 日本動物大百科1:哺乳類Ⅰ. 平凡社. 128₋130.
最終更新日:2020-05-13 ハリリセンボン
- その他生態
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雌は一定の行動圏を持ち、土穴などを巣とする。雄はいくつかの雌の行動圏に重なるような行動圏をもつ。
参考文献
- 今泉吉典 1960 イタチ, 今泉吉典(著) 原色日本哺乳類図鑑. 保育社. 170.
- 米田正明 2008 イタチ, 前田喜四雄(著) 阿部永、石井信夫、伊藤徹魯、金子之史、前田喜四雄、三浦慎悟、米田政明、阿部永(監修) 日本の哺乳類. 改訂2版. 東海大学出版会. 82.
最終更新日:2020-05-13 ハリリセンボン