- 解説一覧
- アデリーペンギン(Pygoscelis adeliae)について

アデリーペンギン(Pygoscelis adeliae)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
-
Pygoscelis adeliae (Hombron & Jacquinot, 1841)
基本情報
- 分布
-
南極大陸を主な繁殖地としながらも、サウスサンドウィッチ諸島など周辺の島でも一部繁殖する。
繁殖が終われば、豊富なエサ資源を求めて南極大陸から離れ、流氷域まで移動する。
参考文献
最終更新日:2020-06-17 キノボリトカゲ
- 生息状況
-
アデリーペンギンは天候の急変や天敵の襲撃のため死亡率が高く、一説には毎年若鳥の半数が死ぬといわれ、これらのことから一度個体数が減少すると回復に時間がかかると考えられる。
そのため、総個体数が500万羽と現状は多いが、絶滅の心配がまったくないとはいえない。
さらに、本種が餌をとる海域とオキアミ漁場が重複していることが将来問題になると思われる。
参考文献
最終更新日:2020-06-17 キノボリトカゲ
形態
生態
- 食性
-
オキアミ類を主食としながら、魚類やイカ類なども食べる。
175 mも潜ったという記録もあり潜水能力はかなり高いが、通常は 20 mよりも浅い海面付近でエサをとることが多い。
1時間に平均50回もの潜水を繰り返した後に、30分ほど海上で休息するというパターンを繰り返すのが、本種の採餌行動の典型である。
参考文献
最終更新日:2020-06-17 キノボリトカゲ
- ライフサイクル
-
南極大陸の沿岸部で、ときには100万羽に達する集団をつくり、11月に2卵産む。
雌は産卵直後に海に出て約20日間採食し、巣に戻る。
その間は雄が絶食して体重の40%を失いながら抱卵する。
抱卵は約36日、雛は約1カ月後には雛だけの集団をつくるが、親鳥は鳴き声によって自分の雛を集団から呼び出し、前胃に詰めてきたオキアミなどを吐き戻して与える。
雛は1~2月に独立して海に出る。成鳥は2~3月に氷山の上で群れ、いっせいに全身の換羽を行う。この間は海に入らない。
4月から営巣地に戻る10月までは、南緯60度付近までの海に分散して生活する。
参考文献
最終更新日:2020-06-17 キノボリトカゲ
- 生殖行動
-
性成熟には5~8年かかると推定されている。
巣は平坦地、海岸、丘の斜面など、岩の露出部分のいたる所に小石を集めてつくるが、氷の上に巣をつくることはない。
20~30万つがいほどの巨大なコロニーが形成されることもある。
参考文献
最終更新日:2020-06-17 キノボリトカゲ
- 子育て
-
南極の短い夏の間に繁殖する。産卵は11月後半(真夏)に行われ、まず雄、次いで雌が35日間にわたり抱卵する。
巣の中で3~4週間過ごしたのち暗色の綿羽に覆われたヒナたちはクレイシュ(雛だけの群れ)をつくって、成鳥は採食する。
さらに4週間たつと雛たちは巣立って2月(夏の後半)の海に行く。このとき雛の体重は成鳥の4分の3にすぎない。
参考文献
最終更新日:2020-06-17 キノボリトカゲ