• 解説一覧
  • シロハラミズナギドリ(Pterodroma hypoleuca)について
シロハラミズナギドリ(Pterodroma hypoleuca)の解説トップに戻る
シロハラミズナギドリ(Pterodroma hypoleuca)の分類 ミズナギドリ科(Procellariidae)
シロハラミズナギドリ(Pterodroma hypoleuca)の概要 シロハラミズナギドリ属(Pterodroma)

シロハラミズナギドリ(Pterodroma hypoleuca)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

情報不足 (DD)

【環境省】評価するだけの情報が不足している種

【 学名 】
Pterodroma hypoleuca (Salvin, 1888)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:24~27 mm
・翼長:213~237 mm
・跗蹠:27~31 mm
・尾長:95~124 mm
・卵:長径 46.7~54.3 mm×短径 35.6~38.4 mm  平均長径 49.5 mm×短径 37.3 mm

参考文献

最終更新日:2020-07-30 キノボリトカゲ

分布

北太平洋の南西部に分布し、ハワイ諸島、硫黄列島の北硫黄島・南硫黄島、小笠原諸島の聟島で集団繁殖する。

ハワイシロハラミズナギドリとともに、北太平洋域に繁殖地をもつシロハラミズナギドリ類の北限種である。

小笠原諸島の近海で繁殖する個体群には、1年を通じて繁殖地付近にとどまるものもいるが、多くの個体は北西太平洋に広く移動する。

5~6月になると、繁殖地の北東から東方の海域および三陸沖合で観察できる。

8月下旬から9月上旬には南下をはじめ、9月下旬から10月には伊豆諸島周辺の海域で観察され、その後繁殖地にもどる(田中・兼子, 1983)。

海洋生活域への分散移動は主に単独で行われる(田中・兼子, 1983)。

参考文献

最終更新日:2020-07-30 キノボリトカゲ

分類学的位置付け

ミズナギドリ科

参考文献

最終更新日:2020-07-30 キノボリトカゲ

形態

成鳥の形質

【雌雄】
額・眼先は白色、前頭は暗石盤色で、各羽には白色の縁がある。

頭上・後頭・耳羽・頸は暗石盤色、腮・喉は白色である。肩羽・背・上尾筒は灰鼠色で、各羽には白色の縁がある。

腰は暗石盤色、胸・腹・脇・下尾筒は白色である。下雨覆は暗石盤色で、中央の部分は白色である。

初列風切は黒褐色で、内弁は淡色である。次列風切も同様であるが、その中央の部分は灰色を帯びている。

三列風切は暗石盤色、大雨覆は灰色を帯びた石盤黒色で、淡色の細い縁がある。

中・小雨覆は石盤黒色、初列雨覆・小翼羽は黒褐色である。尾は石盤黒色である。

嘴色は黒色。虹彩は褐色。脚色は肉色。外趾・中趾・内趾および趾膜の基半部は黒色を帯びている。

参考文献

最終更新日:2020-07-30 キノボリトカゲ

卵の形質

卵は白色で斑紋を欠く。

参考文献

最終更新日:2020-07-30 キノボリトカゲ

生態

生息環境

繁殖地は海岸や島嶼の海沿いに限られ、断崖の上に広がる平坦地、丘陵地、砂丘、砂州などの裸地や草地に巣穴を掘って集団で繁殖する。

生涯のほとんどを外洋ですごすため、海岸から観察することはできない。

繁殖期でも陸に上がるのは夜間だけで、未明には海に戻る。

参考文献

最終更新日:2020-07-30 キノボリトカゲ

食性

長い滑翔と小刻みなはばたきを交互に繰り返して飛び、飛翔しつつ波間に浮かぶ餌をついばんだり、水面に下りて採食する。

水面に浮いて泳ぎ回り、頭を水に入れてオキアミなどの甲殻類、イカ類、魚類などの海洋動物をとって食べる。

採餌は群れて行うことが多く、水面上ではねている魚群を中心に、多くの個体が渦を巻くように飛び上がったり、着水しながら捕食する。

参考文献

最終更新日:2020-07-30 キノボリトカゲ

特徴的な行動

小笠原では10月に島にもどり、11月から翌年の2月に巣穴の中で1卵を産卵する(清棲, 1978)。

育雛期には親鳥は未明に海に出て、雛への給餌のために夜間に巣に戻る。

コロニーから飛び去るときは、オオミズナギドリのように木や崖の上から飛び降りたり、開けた斜面を駆け下りて飛び立つ(塚本, 1983)。

6月ごろには繁殖を終え、島を離れる。

参考文献

最終更新日:2020-07-30 キノボリトカゲ

その他生態

コロニーでは高密度で巣穴が点在し、一夫一妻の番が巣穴を防衛する。

参考文献

最終更新日:2020-07-30 キノボリトカゲ

種・分類一覧