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ハイイロウミツバメ(Oceanodroma furcata)の分類 ウミツバメ科(Hydrobatidae)
ハイイロウミツバメ(Oceanodroma furcata)の概要 オーストンウミツバメ属(Oceanodroma)

ハイイロウミツバメ(Oceanodroma furcata)

【 学名 】
Oceanodroma furcata (Gmelin, 1789)

基本情報

大きさ・重さ


・嘴峰:14~15 mm
・翼長:152~167 mm
・跗蹠:26~27 mm
・尾長:87~97 mm
・体重:50~60g
・卵:長径 32.5~34 mm×短径 25~26.5 mm 平均長径 33.5 mm×短径 25.8 mm

参考文献

最終更新日:2020-08-18 キノボリトカゲ

分布

北太平洋の亜寒帯に分布し、千島列島からカムチャッカ半島沿岸、アリューシャン列島、アラスカ沿岸、カナダ、アメリカの太平洋の島々で集団繁殖する。

日本での繁殖記録はないが、知床沿岸、オホーツク海でよく見られる。

春や秋、また冬に北海道から神戸までの太平洋岸に飛来する。

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分類学的位置付け

ウミツバメ科

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形態

成鳥の形質

【雌雄】
頭部・頸・背は淡青灰鼠色で、額は暗色でやや褐色を帯びている。眼の周囲には暗褐色の斑があり、腮・喉は灰白色を呈する。

肩羽は灰褐色で、石盤色を帯びた白色の縁がある。胸・腹・脇は淡灰色で、下腹ほど白色勝ちである。

腰・上尾筒は淡青灰鼠色で、腰には暗色を帯びた斑紋様のものがある。

下尾筒は灰白色。初列風切・次列風切は黒褐色で、次列風切は灰色を帯びている。

三列風切は灰褐色で、石盤色を帯びた白色の縁がある。

大・中雨覆は灰鼠色で、白色の外縁があり、小雨覆は石盤褐色、初列雨覆・小翼羽は黒褐色である。

尾は灰褐色で、外側の1対の外側は汚白色または灰白色である。

最長尾羽と最短尾羽との差は 20~29 mmくらいである。嘴色は黒色、虹彩は暗褐色、脚色は黒色。

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最終更新日:2020-08-18 キノボリトカゲ

卵の形質

卵は白色で、鈍端に赤味を帯びた黒褐色の微細な小斑点が散在する。

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生態

生息環境

地上に捕食者のいない海洋の小島で繁殖する。繁殖活動は夜間に行い、日中は島を遠く離れた洋上か、巣穴の中に潜んですごす。

越冬期は洋上で過ごし、陸地に接近することはない。

航海中の船の後をつけて飛び、ミズナギドリのように翼を傾けて水面上を低く飛ぶことが多い。

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食性

採食時には脚を下げて水面近くを飛び跳ねるように飛び、水面近くの小魚、浮遊するプランクトン、イカ、エビなどを水面に下りることなくくちばしでくわえとる。よく群れて採餌する。

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特徴的な行動

繁殖期は5~10月、年に1回、一夫一妻で繁殖する。集団繁殖地の岩の隙間や土中に巣穴を掘って営巣する。

雌は6~7月に1卵だけを産み、雌雄交替で37~68日抱卵する(Boersma & Wheelwright, 1979)。

悪天候やエサ不足のため抱卵交替が行われないと、何日間か卵が放棄され、その分だけ抱卵日数が長くなる。

雌雄共同で給餌し、雛は孵化後58日ぐらいで巣立つ。

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その他生態

繁殖期には多くの個体が集合し、コロニーを形成して繁殖するが、非繁殖期には洋上に単独ないしは小群でいることが多い。

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種・分類一覧