- 解説一覧
- クロコシジロウミツバメ(Oceanodroma castro)について
クロコシジロウミツバメ(Oceanodroma castro)
【環境省】ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの
- 【 学名 】
-
Oceanodroma castro (Harcourt, 1851)
基本情報
- 大きさ・重さ
-
・嘴峰:28~35 mm
・翼長:289~341 mm
・跗蹠:39~47 mm
・尾長:164.5~235 mm
・卵:長径 49~63.1 mm×短径 37.2~44.3 mm 平均長径 57 mm×短径 40.9 mm
参考文献
最終更新日:2020-08-12 キノボリトカゲ
- 分布
-
日本近海、東太平洋および東大西洋の熱帯・亜熱帯に分布し、ハワイ諸島、ガラパゴス諸島、マデイラ諸島、アセンション島、セント・ヘレナ島などで集団繁殖する。
日本には夏鳥として渡来し、岩手県日出島(天然記念物に指定)・三貫島、宮古市の小島に繁殖コロニーが知られている。
太平洋沿岸航路では、三陸沖のごくわずかの区間で見ることができる。希少種に指定されている。
参考文献
最終更新日:2020-08-12 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
-
【雌雄】
頭部は煤けた石盤黒色、後頭・頬・喉は鉛灰色を帯びている。頸・肩羽・背・腰は煤けた石盤黒色、胸・腹は煤けた褐色である。
上尾筒の基部の各羽は煤けた石盤黒色で、先端は幅広く白色である。
上尾筒の先端の各羽は白色で、羽端には石盤褐色の幅広い帯があり羽軸は暗褐色である。
上尾筒の中央の1対は煤けた褐色である。下尾筒は煤けた褐色で、下尾筒の両側の各羽は白色である。
風切羽は煤けた石盤黒色、三列風切の各羽には灰白色の羽縁がある。
大雨覆は煤けた石盤黒色で、灰白色の羽縁があり、中・小雨覆は煤けた石盤黒色で、灰色の羽縁がある。
初列雨覆・小翼羽は石盤黒色。尾は煤けた石盤黒色で、外側尾羽の基部は内外弁ともに白色を呈し、羽軸の基部も白色である。
最長の尾羽と最短の尾羽との差は 6~12 mmである。嘴色は黒色、虹彩は暗褐色、脚色は黒色。
参考文献
最終更新日:2020-08-12 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
-
地上に捕食者のいない海洋の小島で繁殖する。繁殖活動は夜間に行い、夜の8時ごろから島に現れ、夜中の2時半ごろまで繁殖活動をする。
繁殖期の日中は、島を遠く離れた洋上ですごし、陸地に接近することはない。
参考文献
最終更新日:2020-08-12 キノボリトカゲ
- 食性
-
海上をヒラリヒラリとチョウが舞うように飛び、水面近くの小魚、浮遊するプランクトン、イカ、エビなどを水面に下りることなく嘴でくわえとる。
参考文献
最終更新日:2020-08-12 キノボリトカゲ
- 鳴き声
-
主として夜間に啼き、クウ―、クウィィー、クウィィーと啼き、繁殖地では日没後30分くらい(およそ午後6時40分ぐらい)経ってから啼きはじめ、特に午後7時頃からは多数が互いに啼き合い、夜が更けるにつれてその声が喧しい。
林中を飛び回ったり地上に舞い降りたりして啼くものが多く、巣の中でクウ―クウ、クウ、クウ、クウ、クウと啼くものもある。
朝は午前2時30分頃に全く啼きやむのが常である。親鳥を巣から引き出すと、キイ、キイ、キイと甲高い声で啼き、雛はピイピイピイと啼く。
参考文献
最終更新日:2020-08-12 キノボリトカゲ
- 特徴的な行動
-
繁殖期は5~10月、年に1回、一夫一妻で繁殖する。繁殖地の樹木の根元の土中に深さ 30 cm~1 mほどの巣穴を掘る(清棲, 1978)。
6~7月に1卵だけを産み、雌雄交替で約42日抱卵する(Cramp & Simmons, 1977)。
孵化した雛は半晩成性で、孵化後7日ごろまで親は日中も抱雛する。
雌雄共同で給餌し、雛は孵化後60~100日で巣立つ(Cramp & Simmons, 1977)。
参考文献
最終更新日:2020-08-12 キノボリトカゲ
- その他生態
-
繁殖期には多くの個体が集合し、集団で繁殖するが、高密度で巣が密集するというわけではなく、アセンション島では 1 ㎡あたり1巣の割合で散在する(Cramp & Simmons, 1977)。
参考文献
最終更新日:2020-08-12 キノボリトカゲ