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ヒメクロウミツバメ(Oceanodroma monorhis)の分類 ウミツバメ科(Hydrobatidae)
ヒメクロウミツバメ(Oceanodroma monorhis)の概要 オーストンウミツバメ属(Oceanodroma)

ヒメクロウミツバメ(Oceanodroma monorhis)

絶滅危惧II類 (VU)

【環境省】絶滅の危険が増大している種

【 学名 】
Oceanodroma monorhis (Swinhoe, 1867)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:13~15 mm
・翼長:141~164.5 mm
・跗蹠:21~24 mm
・尾長:74~84 mm
・卵:長径 24.8~33.5 mm×短径 22.5~25.8 mm 平均長径 31 mm×短径 24 mm 重量 9~11 g

参考文献

最終更新日:2020-08-19 キノボリトカゲ

分布

旧北区。日本、朝鮮半島および中国黄海沿岸の島で集団繁殖し、インド洋から紅海も渡って越冬する。

日本には夏鳥として渡来し、本州各地の沿岸から四国、九州、伊豆諸島、琉球諸島で見られる。

日本での集団繁殖地は、青森尻屋崎、京都府沓島、島根県隠岐、福岡県沖ノ島、石川県七ツ島大島など数箇所が知られるが、最も有名な繁殖地は岩手県の三貫島で、本種の集団繁殖地として天然記念物に指定されている。希少種に指定されている。

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分類学的位置付け

ウミツバメ科

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形態

成鳥の形質

【雌雄】
頭部は暗褐色で、頭上と喉は灰鼠色を帯びている。肩羽・頸・背・腰・上尾筒は暗褐色、胸・腹・脇・下尾筒はすすけた褐色である。

初列風切・次列風切は黒色、三列風切は褐色で、淡褐色の羽縁がある。

大・中雨覆は淡褐色、小雨覆は暗褐色、初列雨覆・小翼羽は黒色である。

尾は石盤黒色である。最長の尾羽と最短の尾羽との差は 13~17 mmくらいである。嘴色は黒色、虹彩は暗褐色、脚色は黒色。

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卵の形質

卵は白色で斑紋を欠くのが常で、ときには鈍端に淡赤褐色の微細な小斑点のあるものもある。

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生態

生息環境

地上生捕食者のいない海洋の小島で繁殖する。繁殖活動は夜間に行い、夜の8時半ごろから島に現れ、夜中の2時半ごろまで繁殖活動をする。

繁殖期の日中は、島を遠く離れた洋上か、巣穴の中に潜んですごす。非繁殖期は洋上ですごし、陸地に接近することはない。

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食性

海上をヒラリヒラリとチョウが舞うように飛び、水面近くの小魚、浮遊するプランクトン、イカ、エビなどを水面に下りることなくくちばしでくわえとる。

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鳴き声

クッ、クッ、クッと低い声で啼き、ときにはチッ、チッ、チッと啼くこともある。

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特徴的な行動

繁殖期は5~10月、年に1回、一夫一妻で繁殖する。集団繁殖地の岩の隙間や土中に穴を掘って巣とする。

三貫島ではオオミズナギドリの古巣をそのまま利用する。6~7月に1卵だけを産み、雌雄交替で約41日抱卵する(清棲, 1978)。

育雛期間や育雛の雌雄分担などの記載はないが、ほかのウミツバメ類と同様、雌雄共同で給餌し、雛は孵化後60~100日ぐらいで巣立つと考えられる。

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その他生態

繁殖期には多くの個体が集合し、集団で繁殖するが、高密度で巣が密集するというわけでなく、どちらかというとルーズコロニーを形成する。

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種・分類一覧